MBTI®の 次に 知りたい ソシオニクス入門
MBTIとソシオニクスは、どちらもユングの心理的類型論を土台にした理論です。ソシオニクス(東欧で生まれた性格類型論)は、MBTIとは別の理論として発展しました。
MBTIで自分のタイプがわかっても、相性のことまでは説明できないことがあります。この記事では、ソシオニクスの基本的な考え方を、MBTIとの対応関係とあわせて紹介します。
この記事でわかること
- ソシオニクスがMBTIと何が違うのか
- 8つの情報要素とは何か
- モデルA(機能の配置図)を覚える2つの法則
- 双対関係(最も相性が良いとされる相手)の見つけ方
ソシオニクスとは何か
ソシオニクスは、東欧で生まれた性格の見方です。作ったのはアウシュラ・アウグスティナヴィチューテ。1970年代末から1980年代にかけての理論です。
土台はMBTIと同じユングの心理機能です。だからINTPやENTPのような4文字のタイプも出てきます。
ただ、違いもあります。MBTIも対人関係の話題を一部扱いますが、相性を理論として体系化はしていません。ソシオニクスは、タイプの機能配置から16種類の関係を導きます。ここが2つの理論の大きな違いです。
くわしい全体像はソシオニクスとは、MBTIとの対応はMBTIとの違いで説明しています。
なぜ相性が理論から出るのか
MBTIでも「相性のいい型はこれ」という話を見かけることがあります。ただし、MBTI理論そのものには公式のタイプ間関係分類がありません。そうした相性の話の多くは、理論の外側で個別に作られたものとされます。
ソシオニクスは、そこが違います。16タイプ×16タイプ=256通りの組み合わせを、少数の規則から1つに決めます。
たとえば、最も相性が良いとされる相手は、自分と機能の並びが補い合うタイプに決まっています。これを双対関係と呼びます。
双対関係は、恋愛や仕事、家族の関係にあてはめて語られることもあります。ただし、理論が示すのは機能配置の対応関係で、関係の良し悪しを保証するものではありません。
8つの情報要素とは
ソシオニクスでは、8つの情報要素を使います。
- Te(外向論理)— 結果を出すための仕組みづくり
- Ti(内向論理)— 一貫したルールや原理の整理
- Fe(外向倫理)— その場の空気や感情の動き
- Fi(内向倫理)— 自分の内側の好き嫌い
- Se(外向感覚)— その場の力や勢いを感じ取る
- Si(内向感覚)— 心地よさや健やかさを保つ
- Ne(外向直観)— 可能性や新しい組み合わせを見つける
- Ni(内向直観)— 一本の流れや先の見通しを読む
仕事の頼まれごとで考えると、Teは「どの順でやれば早く終わるか」で優先を決める働き、Fiは「誰との約束を先に守りたいか」で優先を決める働きです。
全部の要素を均等に使う人はいません。得意さの度合いは要素ごとに異なります。各要素のくわしい説明は8つの情報要素にまとめています。
モデルA:覚える法則は2つ
8つの要素をどう並べるか、それがモデルA(機能の配置図)です。名前は固いですが、覚える法則は2つです。
法則1:8つの機能位置にそれぞれ役割がある
モデルAでは、8つの情報要素が第1機能から第8機能までの8つの位置に並びます。位置ごとの違いは、強さ・意識のしやすさ・価値の感じやすさという3つの軸で決まります。
第1機能は強く、意識的に使い、価値も感じる位置です。最も得意な働きです。反対に第4機能は弱く、価値を感じにくい位置で、弱点になりやすいとされます。
第7機能・第8機能は、強さでは第1・第2機能と並ぶ位置です。ただし無意識的に使われ、価値を感じにくいという特徴があります。
法則2:得意と苦手は対になる
TiとFeのように対になっている要素は、一方が強く意識的に使われる位置にあるとき、もう一方は別の位置に入ります。ただし、その組み合わせはTiがどの位置にあるかによって変わります。
たとえばTiが第1機能(強く意識的な位置)にあるタイプでは、Feは第5機能(弱く無意識的な位置)に入ります。Tiが第8機能(強く無意識的な位置)にあるタイプでは、Feは第4機能(弱く意識的だが苦手になりやすい位置)に入ります。
ENTP(ソシオニクスのコードでILE)を例にすると、8つの機能位置には次の順で要素が並びます。
- 第1機能:Ne(可能性を見つける)
- 第2機能:Ti(ルールを整える)
- 第3機能:Se(その場の力、社会的な役回り)
- 第4機能:Fi(内側の好き嫌い、最も弱い位置)
- 第5機能:Si(心地よさ、相手に求めるもの)
- 第6機能:Fe(場の空気、引き出されたい部分)
- 第7機能:Ni(先の見通し、強いが軽視しがち)
- 第8機能:Te(仕組みづくり、意識せずに発揮)
並び順が変わると、人柄の傾向や得意な仕事、楽に感じる相手も変わるとされます。位置ごとの役割はモデルAでさらにくわしく扱っています。
双対関係の見つけ方
ソシオニクスの中心にあるのが双対関係です。決まり方は単純で、自分の弱い位置(第5機能・第6機能)にある要素を、相手が第1機能・第2機能として持っているタイプが双対にあたります。
ENTP(ILE)の双対はISFJ(SEI)です。SEIは内向タイプなので、MBTI末尾のP/Jが反転してISFJになります(ソシオニクス側の表記はISFp)。この反転はソシオニクスとMBTIの決まった対応で、MBTIとの違いで説明しています。
なぜ相性が良いとされるのか。モデルAの上では、自分が苦手とする要素を、相手が最も得意な位置に持っている、という対応関係にあたります。ENTPは新しい組み合わせを思いつくのが得意、ISFJはその場を心地よく整えるのが得意です。通説では、この組み合わせは恋愛や仕事の場面でも自然に補い合う関係とされます。
まとめ
- ソシオニクスはMBTIと同じユング由来。違いは「相性を理論から出せる」ところ
- 8つの情報要素をモデルAで並べると、人の得意・苦手が一望できる
- 双対関係を知ると、自分と相性が良いとされるタイプが特定できる
次の一歩は、自分のタイプを確かめることです。4文字コードに頼りすぎず、第1機能にどの要素が来るかを見てみてください。
参考・出典
- アウシュラ・アウグスティナヴィチューテ『ソシオニクス入門』(1998)
