ソシオニクスの15の二分法 · 第4軸(基本の4軸)
合理/非合理
判定ルール: 第1(主導)が判断要素(T・F)なら合理、知覚要素(N・S)なら非合理
合理/非合理は、ソシオニクスにある15の二分法のうち4番目の軸です。16タイプを8タイプずつに分けます。
合理の側は先に計画を立てて枠を決め、決めた枠の中で安定して動くとされます。
非合理の側はその場の流れに合わせて柔軟に動き、状況が変われば構えごと変えるとされます。
賢さや理性の有無を分ける軸ではありません。ユングに由来する基本の4軸の最後の1本で、名前の誤読とMBTIとの表記の食い違いが起きやすい軸です。ここでは、両極が何で分かれ、どう違って見え、どう見分けるのかを解説します。引用するのは、ユング(Carl Gustav Jung)の原典と、ソシオニクスの創始者アウシュラ(Aushra Augustinaviciute)、レイニン(Grigory Reinin)、フィラトワ(Ekaterina Filatova)の記述、それに統計による検証研究です。
01何で決まるか
合理か非合理かは、そのタイプのモデルA(8つの情報要素を8つの位置に並べた図)から決まります。8つの情報要素には判断の要素と知覚の要素があり、判定に使うのは、主導機能(1番の位置)に入る要素がどちらかです。
- 主導機能が判断の要素(Te・Ti・Fe・Fi) → 合理(LII・ESE・LSI・EIE・LIE・ESI・LSE・EII)
- 主導機能が知覚の要素(Ne・Ni・Se・Si) → 非合理(ILE・SEI・SLE・IEI・SEE・ILI・IEE・SLI)
判断の要素は論理と倫理の4つ、知覚の要素は直観と感覚の4つです。この軸は、互いを補い合うとされる双対関係の2人が、必ず同じ側に入る珍しい基本の軸です。例えば、ILEの双対はSEIで、どちらも非合理です。ESEの双対はLIIで、どちらも合理です。
レイニンは、このように双対の2人がそろって持つ特性を、二者的特性と呼びました。
02レイニンはどう定義したか
レイニンは1980年代に、ユングに由来する4つの基本の二分法を掛け合わせると、16タイプを8対8に分ける二分法が全部で15本作れることを示しました。この軸は、その素材になった4本の最後の1本です。レイニンは2005年の著書(英訳2010年)で、この軸をこう書いています。なお、資料ではこの軸をクレッチマー由来の気質名(Schizothym/Cyclothym)で呼ぶ箇所があります。引用の中も、名前そのものを話題にする箇所を除き、このページの表記「合理/非合理」に揃えています。
この対もまた、ユングの基本的対の1つである。それはクレッチマーの循環気質―分裂気質の対に対応する。ソシオンには8つの合理タイプと8つの非合理タイプがある。合理タイプは感受性の微妙な変化によって特徴づけられ、一方、非合理タイプは気分の変動によって特徴づけられる。合理タイプはより集中しており安定している。
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This pair is also one of Jung's basic pairs; it corresponds to Krechmer's cyclothymic - schizothymic pair. There are eight rational and eight irrational types in a socion. The rational types are characterized by a subtle change in sensitivity, whereas the irrational types – by fluctuations of mood. The rational types are more focused and stable.
上の引用にあるクレッチマーは、人の気質を分類したドイツの精神医学者です。言い換えると、合理の側は感じ方の細かな変化の中で集中と安定を保ち、非合理の側は気分そのものが大きく揺れ動くということです。
レイニンはこの軸を生まれつきの特性と考え、大脳半球の優位の違いに対応するという当時の仮説にも触れています。合理タイプでは、言語を担う左半球が優位だという仮説です。これは実証された定説ではなく、当時の仮説として紹介されているものです。
また、タイプ判定の実験で、グループがどう見えたかも記録されています。
実験中、非合理タイプのグループの行動は感情的変動の大きな振幅によって特徴づけられた。グループは揺れ動いているように見えた。他のグループ(合理タイプ)は、それとは反対に、共通の周波数を見つけ、変動の振幅を低減させているかのようであった。
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During the experiments behavior in the irrational types’ group was characterized by great amplitude of emotional fluctuations. The group seemed to rock and sway. The other group (the rational types), on the contrary, as though finds a common frequency, reducing the amplitude of fluctuations.
つまり、非合理のグループは感情の揺れが大きくなり、合理のグループは揺れのリズムを互いに合わせて小さくしていったということです。1人ひとりではなく、集団としての見え方の違いを記録しています。
03アウシュラはどう記述したか
創始者のアウシュラは、著書『人間の二元的本性』(1983年)の頃から、この軸をくり返し論じてきました。まず、1998年の連載のうち第X特性を扱った節から、中心になる対比を引用します。
非合理タイプは対象を見て、それをどこでどう使えるかを決める。合理タイプは対象の機能を考察し、対象自体がどうあるべきかを決める。
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Циклотим видит объект и решает, где и как его можно использовать. Шизотим рассматривает функцию объекта и решает, каким должен быть сам объект.
言い換えると、非合理の側は目の前にある対象から考え始め、それを何に使えるかを決めるということです。一方、合理の側は対象が果たすべき働きから考え始め、対象そのものがどうあるべきかを決めます。
この連載には、『人間の二元的本性』からの抜粋も収められています。次の2本は、その抜粋から引用します。まず、感情の扱いです。
非合理タイプの感情は合理タイプよりはるかに衝動的、制御されにくい。合理タイプは感情には感情で、行為には行為で反応し、揺らぐことなく、すぐに、既存の経験に基づいて反応する。(中略)合理タイプにとって感情は行為の帰結であり、その原因ではない:正しい行為や感情の後で体調が改善し、誤った行為の後で悪化する。
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То же самое можно сказать об эмоциях: эмоции циклотима гораздо более импульсивны, менее управляемы, чем эмоции шизотима. Шизотимы реагируют на эмоцию эмоцией, на поступок — поступком, не раскачиваясь, сразу, реагируют на основе имеющегося опыта. (中略) Чувство для шизотима — следствие поступка, а не его причина: после правильных поступка или эмоции самочувствие улучшается, становится хорошим, после неправильного поступка оно ухудшается.
上の引用にある「感情は行為の帰結」とは、行為が先にあり、感情があとからついてくるという意味です。つまり、合理の側は「正しく振る舞えたか」が先にあり、体調や気分はその結果として決まるということです。非合理の側は逆で、感情や状態が先に来て行動を引き起こします。
行動を始めるきっかけと、人と接するときの順序も対になります。
非合理タイプは、何らかの状況・状態から抜け出す必要があるときに行動し、合理タイプは逆に、何らかの状態、何らかの体調を作り出す必要があるときに行動する、と言える。しかし主体や対象との接触ではすべてが逆になる。非合理タイプが何らかの感情に包まれない限り行動できないのと同じく、合理タイプは人物に対して何らかの感情を抱かない限りコミュニケートできない。何らかの態度が形成されない限り。
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Можно сказать, что циклотим действует, когда ему нужно выйти из какой-то ситуации, какого-то состояния, а шизотим — наоборот, когда нужно создать какое-то состояние, какое-то самочувствие. А вот в контактах с субъектами и объектами все происходит наоборот. Как циклотим не может действовать, пока его не охватило какое-либо чувство, так шизотим не может общаться с человеком, пока он к нему не испытывает каких-то чувств, пока не сложилась какая-то установка.
言い換えると、非合理の側は今の状態から抜け出すために動き、合理の側は望む状態を作り出すために動くということです。ですが、人と接するときは、この順序が逆になります。
非合理の側は、相手への態度が決まる前に、直接の接触から入ります。付き合いながら相手を知っていきます。一方、合理の側は、相手への態度が定まってからでないと接触が始まりません。初対面の入り方まで、順序が逆だとされます。
また、言葉の重みも違います。アウシュラは「合理タイプの生活では言葉がはるかに大きな意味を持つ」と書きました。合理の側では、挨拶が相手に伝わったかどうかまで大事になります。一方、非合理の側は、聞く言葉より、目で見たものと状況の体感を信頼します。
「早く早く!」と急かされたときの反応も対照的です。非合理の側は、テンポを上げ下げして受け流せます。合理の側には、直接の圧迫が「頭への打撃」になり、怒るか言葉を失うとされます。アウシュラは、急かされるたびに「早く、早く—馬に向かって叫ぶ言葉」と言っていた合理タイプの知人の言葉も書き留めています。
04ユングまで遡る
この軸の元になったのは、ユングが『心理学的類型』(1921年)で立てた機能の二分です。ユングは思考と感情(ソシオニクスの論理と倫理)を合理的機能、感覚と直観を非合理的機能と呼びました。そして、どちらの種類の機能が優位かで、人も合理型と非合理型に分けました。なお、ユングの引用は英訳からの日本語訳です。
まず、合理的なものの定義です。
合理的なものとは理性的なもの、理性に一致するものである。私は理性を、思考・感情・行為を客観的な価値に一致するように形づくることを原理とする構えとして捉える。
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rational is the reasonable, that which accords with reason. conceive reason as an attitude whose principle is to shape thought, feeling, and action in accordance with objective values.
言い換えると、ユングのいう合理とは頭の良さではなく、思考や感情や行為を、客観的な価値に照らして整える構えのことです。
次に、非合理的なものの定義です。
私がこの語を使うとき、それは理性に反するものを指すのではなく、理性の外にあるもの—したがってその本質が理性によって基礎づけられないもの—を指す。基本的な事実はこの範疇に属する。たとえば、地球に月があること、塩素が元素であること、水の密度が最大になるのは摂氏4.0度であることなど。偶発事もまた、後から合理的な説明がつくとしても、非合理である。
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As I make use of this term it does not denote something contrary to reason, but something outside the province of reason, whose essence, therefore, is not established by reason. Elementary facts belong to this category, eg. that the earth has a moon, that chlorine is an element, that the greatest density of water is found to be 4.0 centigrade. An accident is also irrational in spite of the fact that it may sustain a subsequent rational explanation.
ここが、この軸の名前を読むうえでいちばん大事な点です。ユングの「非合理」は、「理性に反する」「馬鹿げた」という意味ではありません。理性の管轄の外にあるもの、つまり事実と知覚の領域を指します。例えば、地球に月があることは、理屈で導いたことではなく事実です。
つまり、事実をそのまま受け取る知覚の機能を優位にして生きるのが非合理型です。受け取ったものを判断の枠に通してから生きるのが合理型で、どちらも欠陥ではありません。
フィラトワも、ユングの規定を2つの側から引いています。合理型は「両タイプ(合理の2タイプ)に共通する徴標は、その生活が高い程度で理性的判断に従属していること」。非合理型は「(非合理の2タイプは)行動のすべてが理性の判断にではなく、知覚の絶対的な強さに基づいている」。生活が理性の判断に従うか、知覚の強さに従うかの違いです。
05行動は何が違うか
では、日常の行動としては何が違って見えるのでしょうか。後の研究者のフィラトワは、トルストイ『戦争と平和』の登場人物でこの軸を説明したうえで、2つの側をこうまとめています。
合理タイプの計画的な行動と違って、非合理タイプに特徴的なのは自発性であることが分かる。
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Понятно, что, в отличие от планомерных действий рациональных типов, для иррациональных характерна спонтанность
つまり、合理の側が計画に沿って動くのに対し、非合理の側はその場で自分から動き出すということです。
フィラトワが挙げる文学の例は具体的です。合理の例は、食卓に出る時刻が「同じ分」まで一定だった老ボルコンスキー公爵です。非合理の例は、婚約者がいながら一目の恋に流され、「1分も考えずに」破談の手紙を書いたナターシャです。同じ小説の中に、時刻まで守る人と、1分も考えずに決める人が並んでいます。
フィラトワのまとめから、対比の要点を並べます。
- 予定との関係。合理の側は、何をすることになるのかを前もって知っていたい。規則正しいリズムで生き、時間に正確な人という印象を与える。不確定な状態では何も計画できないので、宙ぶらりんが耐えがたい。非合理の側は、前もって決められた秩序に従うこと自体が圧迫になる。義務に縛られない自由を好み、偶然が差し出すものをやる。
- 仕事の締め方。合理の側は、始めた仕事を最後までやり遂げようとする。非合理の側は、別のことに夢中になって始めた仕事を投げ出すことがあり、約束も何かに気を取られると忘れることがある。
- リスクへの構え。非合理の側は、それがどう終わるかをあまり気にせず、リスクのある事に踏み出せる。合理の側は考え抜いてから動き、軽率な行為をしない。
アウシュラには、会話の話題についての意外な観察もあります。
非合理タイプは誰がどう活動するか、誰に好感を示すか示さないか、感情と自分の論理的結論について多く語る。(中略)合理タイプは対象、体調、天気、誰がどんなテンポで生き働くか、誰がどんな能力を持ち、どう発展しているかについて終わりのない会話をする。
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Циклотимы много говорят о том, кто как действует, какие симпатии к кому-то проявляют или не проявляют, об эмоциях и собственных логических выводах (中略) Шизотимы ведут нескончаемые разговоры об объектах, самочувствии, погоде, о том, кто в каком темпе живет и работает, какие у кого способности и как они развиваются.
言い換えると、行為や好き嫌いといった判断の話題を延々と語るのは非合理の側で、対象や体調、天気といった知覚の話題を延々と語るのは合理の側だということです。好んで語る話題は、自分の側と逆の側のものになります。アウシュラの説明では、語りたくなるのは、受け取る側ではなく作り出す側の内容だからです。そのため、「好きな話題」からこの軸を判定するときは、逆に出ることに注意が要ります。
また、身のこなしにも違いが出るとされます。
合理タイプの歩き方はいくぶん角張っており、背中はまっすぐか、緊張している。非合理タイプはいわば「泳ぐ」ように、滑らかに動き、空間を「流れる」ように、あるいは転がるように進む—どこかボールを思わせる。(中略)椅子に腰かけるとき、合理タイプは多くの場合まっすぐな背中を保ち続ける。一方、非合理タイプは、何か不思議なやり方で、腰かけた座面に、そのあらゆる曲線をなぞるようにすっぽり収まる。
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Походка рационального типа несколько резкая, спина прямая или зажатая. Иррациональный — как бы «плывет», двигается плавно, «струится» в пространстве, или катится, чем-то напоминая мяч. (中略) Садясь на стул, рациональный тип чаще продолжает сохранять прямую спину, в отличие от иррационала, который каким-то неведомым образом вписывается в то сидение, которое он занял, полностью повторяя все его изгибы.
まっすぐ座り続ける人と、椅子の曲線に「すっぽり収まる」人です。姿勢で言えば、合理の側は背すじを保って動きが角張り、非合理の側はなめらかに動いて座面の形に沿います。アウシュラも、動きの柔らかさと衝動性を非合理の側の特徴に挙げており、観察者たちの記述はここで一致しています。
06相手からどう見えるか
二分法では、反対の側が「欠点のある自分」のように見えることがあります。この軸でも、互いの印象はすれ違うとされます。
合理の側から非合理の側を見ると、計画を守らず、気分で動く当てにならない人に見えることがあります。反対に、非合理の側から合理の側を見ると、決めた枠にこだわる、融通の利かない人に見えることがあります。
どちらも、動き出すきっかけが違うだけです。合理の側は枠が壊れると動けなくなり、非合理の側は枠に入れられると動けなくなります。苦しむ場面が正反対です。
アウシュラは、このすれ違いを、荷物を運ぶ人の例で書いています。
たとえば人物が何かを運んでいる。非合理タイプは見てそれが重いか、助ける必要があるかを判断する。合理タイプには必ず言う必要がある。なぜなら重さを彼は見ないからである。「なぜ重いと言わない」と合理タイプは非合理タイプを叱る。「なぜ助けない」と非合理タイプは叱る。
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К примеру, человек что-то несет. Циклотим видит: ему тяжело или нет, нужно помогать или нет. Шизотиму же обязательно нужно сказать, потому что тяжести он не видит. «Почему ты не говоришь, что тяжело», — упрекает шизотим циклотима. «Почему не поможешь мне?» — упрекает циклотим.
つまり、非合理の側は見て重さを判断して手を貸し、合理の側は言葉で言われて初めて重さに気づくということです。そのため、見れば分かるはずだと思う側と、言ってくれれば動くのにと思う側が、互いを責めることになります。
謝り方も対になっています。合理の側は言葉の行き違いを容易に謝り、非合理の側は接触の不作法を容易に謝る、とされます。
また、変化への強さも向きが分かれます。外見や流行の移り変わりといった対象の変化に、すんなり合わせられるのは非合理の側です。一方、気分の急変や出来事の急転、活動の切り替えに持ちこたえるのは合理の側だとされます。
アウシュラは、時事の判断を例にしています。合理の側は、どんな事実も瞬時につかみますが、対象そのものの変化を取りこぼします。非合理の側は、対象の変化で判断するので、目下の事実に遅れるか、先走ります。結局どちらの「リアリズム」も同じ点数を集める、とアウシュラは書いています。
なお、この軸は、双対の2人が必ず同じ側に入る二者的な軸です。そのため、計画で生きる2人組と、流れで生きる2人組ができます。生活のリズムを共有できることが、相性の前提に置かれています。
07見分け方と実証研究
見分けるときに実際に使える手がかりは、次の4つです。
- 予定変更への反応。直前の変更やドタキャンで、立て直しの負担が大きいか(合理の側)、むしろ身軽になるか(非合理の側)。
- 仕事の進め方。取りかかる前に段取りを固めるか、やりながら形にしていくか。
- 身のこなし。フィラトワが観察した姿勢と座り方、動きの角張りとなめらかさ。
- 「決めてから」か「触れてから」か。アウシュラが書いたとおり、人付き合いが相手への態度を決めることから始まるか、直接の接触から始まるか。
ただし、この軸には、判定で間違えやすい点が知られています。フィラトワは、こう注意しています。
実は、合理―非合理という特性は、論理型と倫理型とで違う形で現れることがある。実際、倫理型の情動性はしばしば、彼らが合理タイプであってさえ、立てた目標へまっすぐではなく「ジグザグに」向かう、という結果をもたらす。感情が絶えず彼らを脇へ「連れ去る」ので、その行為は混沌として見える。そうした振る舞いは、一見すると非合理に見えかねない。だからここでは特別な注意深さが必要である。
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Оказывается, что свойство рациональности— иррациональности может проявляться по-разному для логиков и этиков. Действительно, эмоциональность этиков часто приводит к тому, что они, даже будучи рациональными типами, все же могут идти к поставленной цели не прямо, а «зигзагами». Эмоции их постоянно «заносят» в сторону, в связи с чем их поступки выглядят хаотичными. Такое поведение, на первый взгляд, может показаться иррациональным. Поэтому здесь необходимо проявлять особую внимательность.
言い換えると、合理の倫理タイプは、目標が一貫していても、道筋が感情でジグザグになるということです。そのため、非合理と誤って判定されやすいという注意です。
この軸は、統計による裏づけを持つ側の軸です。心理学者のタラノフ(Viktor Talanov)は2003年、合計1,800人を超える大きな標本で、基本の4軸とレイニンの派生の11軸をまとめて検定しました。
外向・合理性・論理・直観の二分法については、職業選択との絶対的に信頼できる統計的関連が観察される。レイニン特徴については帰無仮説—関連の不在—が裏づけられる。
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Для дихотомий экстраверсии, рациональности, логики, интуиции наблюдается абсолютно достоверная статистическая взаимосвязь с выбором профессии. Для признаков Рейнина подтверждается нулевая гипотеза – отсутствие взаимосвязи.
つまり、基本の4軸は職業の選び方とはっきり関連していたということです。一方、レイニンの派生の11軸には関連が見つかりませんでした。
合理/非合理も数字は堅く、職業選択(1,446人)との関連は論理/倫理に次ぐ2番目でした。質問紙240問との相関7.28も、外向/内向に次ぐ2番目です。下の図のとおり、派生の11軸とは桁が違います。
タラノフの実験(2003年・447人)。点線(0.91)を下回る値は、偶然のばらつきと区別できない。
数値はタラノフ「レイニン特徴の実験的研究」(2003年、ソシオニクス新聞 №07-08)表3より
340問版の検定でも、この軸は8.13を示し、4軸そろって閾値を大きく超える構図は変わりませんでした。この測り方では、直観/感覚の8.16と並ぶ水準です。240問版と職業選択では2番目に入る、統計的には堅い軸です。
観察研究の側でも、この軸は判定の元になる1本です。サンクトペテルブルクの検証グループの観察実験は、専門家のあいだでタイプの判定が割れない人を被験者に選ぶところから始まっています。その判定そのものが、基本の4軸についての合意の上に立っています。
まとめると、合理/非合理は、統計の裏づけが堅い基本の軸です。一方、判定の場では、「倫理型のジグザグ」と名前の誤読という、間違えやすい点が2つあります。数字の強さと、1人ひとりを判定する難しさが両立している軸です。
08使うときの注意
最後に、この軸を使うときの注意を3つにまとめます。
「理性的かどうか」の軸として読まないこと。ユングの章で見たとおり、ユングの「非合理」は理性の欠如ではなく、理性の管轄の外(知覚と事実の領域)を指す用語です。非合理の側は「不合理な人」ではなく、判断より知覚を先に立てる人です。逆に、合理の側は「いつも理屈っぽい人」ではありません。合理の倫理タイプは、感情の判断で枠を立てて生きています。
MBTIのJ/P表記と混同しないこと。MBTIに親しんだ人がソシオニクスへ来ると、内向タイプで、この軸の表記が食い違うことがあります。例えば、MBTIでINTPと判定された人が、ソシオニクスでは合理のLIIに対応する、などです。
これは翻訳のずれではありません。MBTIのJ/Pは外に向けて使う機能を基準に決まり、ソシオニクスの合理/非合理は主導機能そのもので決まります。この定義の基準の違いから来る、体系的な食い違いです。2つの体系の対応関係は、当サイトの検証記事「ソシオニクスによくある誤解を検証する」で、原典を引いて詳しく扱っています。内向タイプでJ/Pの見た目が食い違っても、どちらかが間違っているのではなく、基準が違うということです。
この軸だけでタイプを決めないこと。合理か非合理かが分かっても、候補は8タイプ残ります。しかも、見分け方の章で見たとおり、倫理タイプでは誤判定が起きやすい軸です。残る基本の軸と合わせて絞り、派生の軸で答え合わせをするのが確実です。
09両極のタイプ一覧
両極の8タイプずつを、一覧で再掲します。この軸は、双対の2人が同じ側に入る並びで、基本の4軸の中ではただ1つの例外です。自分のタイプがどちらに入っているかを確かめたら、予定との関係と、予定変更への反応に心当たりがあるかを照らし合わせます。見るのは予定の有無ではなく、予定が崩れたときの立て直し方です。合わないと感じたら、それはタイプの判定そのものを見直す手がかりにもなります。二分法は、判定の答え合わせにも使えるからです。
引用索引
本文で引用した出典を、登場した順にまとめます。引用の日本語は原文から訳出したものです。
- [1]グリゴリー・レイニン『Socionics: Typology. Small Groups.』(2010)第III部 本文へ
- [2]グリゴリー・レイニン『Socionics: Typology. Small Groups.』(2010)第III部 本文へ
- [3]アウシュラ・アウグスティナヴィチューテ「レイニン特性理論」『ソシオニクス、メントロジー、パーソナリティ心理学』誌 第4部(№4)(1998年) 本文へ
- [4]アウシュラ・アウグスティナヴィチューテ『人間の二元的本性』(1983) 「レイニン特性理論」1998年連載 第5部(№5)に抜粋収載。引用は同抜粋より 本文へ
- [5]アウシュラ・アウグスティナヴィチューテ『人間の二元的本性』(1983) 「レイニン特性理論」1998年連載 第5部(№5)に抜粋収載。引用は同抜粋より 本文へ
- [6]カール・グスタフ・ユング『心理学的類型』(1921) 引用は英訳(Baynes訳)からの重訳 本文へ
- [7]カール・グスタフ・ユング『心理学的類型』(1921) 引用は英訳(Baynes訳)からの重訳 本文へ
- [8]エカテリーナ・フィラトワ『ソシオニクスの鏡の中の人格』(2001)第II部 本文へ
- [9]アウシュラ・アウグスティナヴィチューテ「レイニン特性理論」『ソシオニクス、メントロジー、パーソナリティ心理学』誌 第5部(№5)(1998年) 本文へ
- [10]エカテリーナ・フィラトワ『ソシオニクスの鏡の中の人格』(2001)第II部 本文へ
- [11]アウシュラ・アウグスティナヴィチューテ『人間の二元的本性』(1983) 「レイニン特性理論」1998年連載 第5部(№5)に抜粋収載。引用は同抜粋より 本文へ
- [12]エカテリーナ・フィラトワ『ソシオニクスの鏡の中の人格』(2001)第II部 本文へ
- [13]ヴィクトル・タラノフ「レイニン特徴の実験的研究」『ソシオニクス新聞』誌 №07-08(2003年) 本文へ
