双対
Duality自分の第1機能と第2機能と同じ情報要素が、相手の1=5,2=6の位置に入る
他:3=7,4=8,5=1,6=2,7=3,8=4


双対関係は、いちばん安心できる関係です
01双対関係とは
双対関係は、自分の主導機能の要素が相手の暗示機能に、創造機能の要素が相手の動員機能に入る組み合わせです。相手から見ても同じ対応なので、どちらから見ても同じ関係です。2人は同じクアドラに属し、大切にする4つの情報要素(価値要素)が全部重なります。あなたがILEなら、相手はSEIです。
特徴
双対関係は、自分の弱いところを相手が自然に支える組み合わせです。研究者の記述に共通するのは、支えが押しつけがましくなく、ときには気づかないうちに受け取っているという点です。一緒にいると肩の力が抜け、半分の言葉で通じ合えます。
ただし、最初から強い快適さを感じるとは限りません。Gulenkoは、双対は当たり前すぎて、別れて初めてその必要性に気づくことがあると書いています。衝突については見方が分かれ、アウシュラは起こらないと書き、Reininは信頼がないと「操られている」と感じて衝突が起こりうると書いています。
付き合い方のコツ
得意な分野は気持ちよく任せ合い、相手のやり方に手を入れないことが勧められています。責任を分担し、定期的に離れる時間を取ることも同じ勧めです。Gulenkoは、双対関係が保証するのは誠実さと居心地のよさだと書いています。燃え上がるような情熱や、知的な仕事の相手として期待するとずれます。感謝を言葉にして伝えると、些細な不満の積み重なりを防げます。
02研究者はどう書いたか
アウシュラは『ソシオニクス入門』の関係理論で、補い合う2人は相手を「常に何をなすべきか、いつ行うべきか知っており、支え、守り、決して傷つけず、さらに重要なことに自らも決して傷つかないパートナー」として見ると書き、続けてこう述べています。
双対は調和的に行動し、その調和性は互いを活性化し均衡化する。双対の間に衝突は不可能である。交差的トランザクションが成立しないからだ。
アウシュラの言い方は硬いのですが、双対の2人は自然に足並みがそろい、言い合いにならない、という主張です。「交差的トランザクション」は、話がすれ違って言い争いになる形のことを指しています。
利害が対立したときは、喧嘩をせずに別れ、外の事情が変わればまた協力するとアウシュラは続けています。
同じアウシュラの『人間の二元的本性』には、双対の暮らしの細かい観察があります。
注目すべきは、双対のぶつぶつ言いは叱責の雨とは決して受け取られないことだ。しばしばぶつぶつ言いこそが、最大の直接性によって際立つコミュニケーションの形態であり、両者とも半言で理解し合う。
双対の愚痴や小言は、責められているとは感じない、という観察です。半分の言葉で通じるので、口うるさく聞こえないのです。
Reininは『ソシオニクス: 類型論・小集団』で、双対を、自分の弱い機能が相手の強い機能の領域にある関係と定義したうえで、暮らしの場面をこう書いています。
この種類の関係は、家庭環境において居心地が良い。しばしば人々は非常に親密になり、互いに離れて生きることも、共に生きることもできなくなる。そしてカップルは責任を分かち合い始める。(中略)同じ言語を話し、言葉なしでさえ互いを理解できる双対パートナー同士の家族も存在する。
家庭で長く一緒にいると、離れて暮らすことも一緒に暮らすこともできないほど近くなる、と書いています。言葉なしで通じる家族もいる、という観察です。
Reininは、双対でも衝突は起こりうるとも書いています。相手は努力しなくても、ただそこにいるだけで自分に影響するので、信頼がないと「操られている」と感じるからです。
Filatovaは『ソシオニクスの鏡の中の人格』で、トルストイ『戦争と平和』の2組の夫婦を双対の例に取り、長く暮らした双対の夫婦をこう書いています。
数年の共同生活を経た夫婦は、互いに依存し合うようになり、常に相手の存在を自分の人生に必要としていると感じる。ちょっとした口論でさえ、すぐにそれを鎮め、すべてを和らげたいという欲求を引き起こす。
要するに、長く暮らした双対の夫婦は互いを手放せなくなり、口論もすぐに収めたくなる、ということです。
Stratiyevskayaは『お別れしないために』で、双対の助けがどう感じられるかを書いています。
双対者の助けは必ず、軽く、押しつけがましくなく、ときには気づかれさえしない形で、私たちに与えられる。双対者が私たちを助けてくれている第一の徴候は、私たちが安らぎ、軽さ、これからすべてが自分にとってうまくいくという確信を覚え始めることに現れる。
双対の助けは軽くて目立たず、気づかないうちに安心している、というのがStratiyevskayaの見方です。助けられている実感より先に、楽になっている自分に気づくと言っています。
Stratiyevskayaはまた、双対の結びつきが壊れる条件を1つだけ挙げています。
双対の結びつきが完全に壊れるのは、双対の2人が対人関係のうえで敵対者、つまり敵になったときだけです。その場合、パートナー関係を保つためにいちばん多くの努力を注いでいる側は、その努力を実際には無駄にするか、自分に不利になる向きに使っています。
原文を表示
Дуальные союзы полностью разрушаются только тогда, когда партнёры-дуалы по своим межличностным отношениям становятся антагонистами – то есть, врагами. В этом случае тот, кто прикладывает наибольшее количество усилий на сохранение партнёрских отношений, фактически направляет их впустую или против себя.
壊れる条件は1つだけで、2人が人として敵対したときだけだと言っています。そのときは、関係を保とうと頑張る側の努力が無駄になるか、かえって自分を不利にする、という指摘です。
Gulenkoは『64の肖像』で、双対に会ったときの最初の感じ方を書いています。
双対との交流の最中、人は最初は大きな快適さを経験するわけではありません。すべてが当たり前で、何の感情も呼び起こしません。双対は影として、完全に自然で、それゆえ意味のないものとして知覚されます。あなたがこの人をどれほど必要としていたかを知覚するのは、別れたときだけかもしれません。
双対は最初は当たり前すぎて、ありがたみを感じない、という観察です。失って初めて必要だったと分かる、と言っています。
Gulenkoは、双対関係の重要性を過大評価しないようにとも書いています。日常の暮らしを支える関係であって、社会的な承認や知的な仕事のための関係ではないという位置づけです。
03しくみ
自分の主導機能・創造機能と同じ情報要素は、相手の側では暗示機能・動員機能の位置に入ります。 対称関係なので、相手から見ても同じ対応になります。
タイプの組み合わせが変わっても、双対関係であればこの対応は共通です。ペアごとの対比図と具体的な解説は、下の各ペアのページに掲載しています。
自分の8つの機能の要素が、相手のどの機能に入るかを並べると次のとおりです。
04付き合い方
Gulenkoは『64の肖像』で、関係ごとに「関係を強めるための推奨事項」を置いています。双対関係については次の2つです。
まず第一に、責任を適切に分担しなさい。自分の仕事のやり方をパートナーに押しつけてはいけません。関係そのものが、互いを似た者同士に導いていきます。定期的に互いから離れる時間を取りなさい。双対には、相互の些細な不満に基づく繰り返しの口論が特徴的だということを覚えておきなさい。原則として、こうした摩擦は常に和解で終わります。
役割を分け、相手のやり方に口を出さず、ときどき離れる時間を取る、という勧めです。双対に小さな口論が繰り返されるのは普通で、和解で終わると言っています。
外部の人を、あなたたちの習慣的な生活の流れに入り込ませてはいけません。互いの行動の中に論理を探そうとしてはいけません。(中略)双対関係から燃え立つような情熱を期待してはいけません。双対関係が保証するのは誠実さと居心地のよさだけであり、知的な仕事のためにあるのではありません。
双対に情熱や知的な刺激を期待せず、暮らしの安心を任せる、という位置づけです。相手の行動に理屈を探さないことも勧めています。
どちらも、相手のやり方に手を入れないことと、暮らしの場面でこの関係を使うことを勧めています。
05まとめ
双対関係は、自分の主導機能と創造機能の要素が相手の暗示機能と動員機能に入る関係です。呼び名は研究者で違います。アウシュラは「補完の関係」「双対化」、Reininは「双対関係」、Filatovaは「完全な相補」、Stratiyevskayaは「双対ディアード」、Gulenkoは「完全な心理的相補」と書いています。研究者に共通するのは、相手が自分の弱いところを自然に支えるという見方です。衝突については、アウシュラは起こらないと書き、Reininは起こりうると書いています。
該当するタイプペア
+索引(引用文献)
- [1]アウシュラ『ソシオニクス入門』(原題:Соционика: Введение、1998年)第6章 タイプ間関係の理論「双対化の関係、あるいは完全な補完の関係」 本文へ
- [2]アウシュラ『人間の二元的本性』(原題:Дуальная природа человека、1983年) 「心理的補完は人間に何を与えるか」の節 1998年の『ソシオニクス入門』に第5章として再録された版を底本にしています 本文へ
- [3]Reinin『ソシオニクス: 類型論・小集団』(原題:Socionics: Typology. Small Groups.、2010年) 16関係編「双対関係」 本文へ
- [4]Filatova『ソシオニクスの鏡の中の人格』(原題:Личность в зеркале соционики、2001年)第3部 インタタイプ関係「双対化、すなわち完全な相補の関係」 本文へ
- [5]Stratiyevskaya『お別れしないために』(原題:Как сделать, чтобы мы не расставались、刊年不詳)第I部 理論編「動員機能」 本文へ
- [6]Stratiyevskaya『双対の関係』(原題:Дуальные диады 3-й квадры: ЛИЭ — ЭСИ、2009年)第3クアドラの双対ダイアド LIE–ESI「自分のパートナーと他人のパートナー」の節 著者自身のブログ「Соционика от Стратиевской」に再録された著書の章。引用本文は当サイト訳 本文へ
- [7]Gulenko『64の肖像』(原題:64 портрета, или Калейдоскоп в новом свете、2019年)第III部 16タイプ間関係「双対関係」 底本は英語版。引用本文はその当サイト訳 本文へ
- [8]Gulenko『64の肖像』(原題:64 портрета, или Калейдоскоп в новом свете、2019年)第III部 16タイプ間関係「双対関係」の「このペアでの関係を強めるための推奨事項」 底本は英語版。引用本文はその当サイト訳 本文へ
- [9]Gulenko『64の肖像』(原題:64 портрета, или Калейдоскоп в новом свете、2019年)第III部 16タイプ間関係「双対関係」の「このペアでの関係を強めるための推奨事項」 底本は英語版。引用本文はその当サイト訳 本文へ














