第3 規範機能
長期間の使用で疲れがち
人並みにできていたい
01規範機能とは
規範機能はモデルAの8つの機能の3番目です。主導機能と同じ向き(外向か内向か)で対になる要素が入り、社会的な場面で求められたときに短い間だけ形を保つ機能とされます。得意ではなく価値も置きにくい領域で、ILE(直観論理外向)なら主導機能がNe(外向直観)、規範機能はSe(外向感覚)です。
使えないわけではありません。人並みでいたい、劣って見られたくないという動機で身につけ、続けると疲れるとされます。批判されると苛立ちますが、ここを伸ばしたい気持ちも持っています。
次元性という見方では規範機能は2次元です。自分の経験と社会的規範で扱えますが、その場の状況に合わせて応用するのは難しいとされます。
02研究者はどう書いたか
規範機能の呼び名は研究者ごとに違います。役割機能、規範機能、サジェスティヴ機能。指しているものは同じで、求められたときに人並みに応える機能です。
アウシュラ(Aushra Augustinaviciute)は著作『機能の理論』でこの機能を「第4機能」と呼びます。アウシュラの番号は現行と違い、『機能の理論』の「第4機能」が現行の規範機能(3)です。引用内の番号はそのまま残します。
要約:第4機能は—サジェスティヴな(暗示にかかりやすい)機能、外的世界の受動的研究と押しつけられた標準への追従の機能。
「サジェスティヴな(暗示にかかりやすい)機能」「押しつけられた標準への追従」。外から与えられた基準に合わせる機能という書き方です。別の著作『ソシオニクス入門』の初期モデルでも、同じ機能をこう書いています。
第四機能—サジェスティヴ。人間がまったく自分の意見をもたないもの。まったく無関心であり、いわばそれに関わらない。他者の意志、意見、指示をこの機能の領域ではまったく自明のものとして受け入れ、自分自身もこれらの問題について何らかの考えを持ちうることをさえ疑わない
「自分の意見をもたない」「他者の意志、意見、指示を自明のものとして受け入れる」。ここでは自分の基準を持たず外の基準に従うことが強調されています。
Stratiyevskayaは著書『お別れしないために』で、この機能を規範機能と呼びます。
もちろん、プログラム機能の能力には及ばない(力は同等ではない)。だが私たちにそれは必要ない。私たちはこのアスペクトを必要に迫られて、ただ「他者より劣らない」ためだけに発達させているのだ。それゆえ、それを規範的(最適な)レベルまでしか引き上げない。
「他者より劣らない」ためだけに発達させ、規範的(最適な)レベルまでしか引き上げない。Stratiyevskayaは規範機能の主な課題を「行動するというよりは論じること」とも書いています。
Filatovaは著書『ソシオニクスの鏡の中の人格』で、この機能を規範的チャンネルと呼びます。
このチャンネルの機能は、個人が社会の中で果たそうと努める社会的役割に合わせられている。このチャンネル自体はエネルギー的にかなり弱く、ここで人はめったにイニシアチブや創造性を発揮しない。この機能の作用領域において、彼は自分の周囲で受け入れられている規則や規範に従う。この観点から、第2ブロックのこのチャンネルは、規範的チャンネルと呼ぶことができる。時にこのチャンネルは役割チャンネルとも呼ばれる。というのも、一部の心理タイプは実際に、このチャンネルの機能の作用領域において、それ相応の役割を演じようと努めるからである。
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Функция этого канала настроена на ту социальную роль, которую индивид старается играть в обществе. Сам этот канал энергетически довольно слаб, здесь человек редко проявляет инициативу и творчество. В области действия этой функции он придерживается тех правил и норм, которые приняты в его окружении. С этой точки зрения этот канал второго блока можно назвать нормативным. Иногда этот канал называют ролевым, поскольку некоторые психотипы действительно стремятся играть соответствующую роль в области действия функции этого канала.
「社会的役割に合わせられている」「めったにイニシアチブや創造性を発揮しない」「周囲で受け入れられている規則や規範に従う」。3人とも外の基準に合わせるための機能として書いています。
Gulenkoは自分のモデル(モデルG)で同じ機能を役割機能と呼びます。
役割機能 ― 駆動される、安定的、外的。社会規範に従って意識的に訓練される。外部からの供給がない場合、この機能の活動はかなり急速に低下する。
「社会規範に従って意識的に訓練される」「外部からの供給がない場合、この機能の活動はかなり急速に低下する」。外から求められる間だけ働くという点はStratiyevskayaの「規範的レベルまで」と同じ観察です。
03ほかの機能との関係
規範機能は奇数の系列に入ります。主導機能(1)、暗示機能(5)、観察機能(7)と同じ系列で、どれも主導機能の要素を裏返して作られる機能です。
主導機能(1)
規範機能と対になる要素。S⇄NもしくはT⇄F。規範機能がSeなら主導機能はNe。いちばん強く自信のある機能で、規範機能はその裏側を人並みに補います。
暗示機能(5)
同じ要素の反対向き(i⇄e)です。規範機能がSeなら暗示機能はSi。自分では出せず人からもらいたい情報です。
観察機能(7)
要素も向きも反対。規範機能がSeなら観察機能はNi。できるのにふだんは使わない情報です。
偶数の機能は別の系列です。主導機能が「何を見るか」なら創造機能は「どうやるか」、脆弱機能(4)、動員機能(6)、実演機能(8)は創造機能から同じ規則で決まります。導き方の全体はソシオニクスの覚え方で説明しています。
04情報要素と組み合わせると
規範機能に入る要素ごとに、必要に迫られて人並みを装う領域が変わります。該当するタイプは2つずつです。
05まとめ
規範機能は求められた場面で短い間だけ形を保ち、続けると疲れる機能です。人並みでいたい気持ちで身につけますが、自分の基準にはなりません。
呼び名は研究者で違います。アウシュラは「押しつけられた標準への追従」、Stratiyevskayaは「規範的レベルまで」、Filatovaは「規範的チャンネル」、Gulenkoは「役割機能」。どれも外の基準に合わせる機能として書いています。
+索引(引用文献)
- [1]アウシュラ『機能の理論(フンクツィオニカ)』(原題:Теория функций. Функционика、刊年不詳) 「第4機能」の節(要約) 執筆年の明示がない著作(推定1980年代後半〜1990年代初頭)。サミズダートで流通したのち電子化されたもので、初出媒体は未確認 本文へ
- [2]アウシュラ『ソシオニクス入門』(原題:Соционика: Введение、1998年) 『タイプ間関係の理論』序論 本文へ
- [3]Stratiyevskaya『お別れしないために』(原題:Как сделать, чтобы мы не расставались、刊年不詳)第I部 理論編「規範機能」 本文へ
- [4]Filatova『ソシオニクスの鏡の中の人格』(原題:Личность в зеркале соционики、2001年)第III部 原文欄は著者の書籍(露語)の対応箇所 本文へ
- [5]Gulenko『64の肖像』(原題:64 портрета, или Калейдоскоп в новом свете、2019年)理論編 モデルG 底本は英語版。引用本文はその当サイト訳 本文へ
