第2 創造機能
目的を形にする
頼られると嬉しい
01創造機能とは
創造機能はモデルAの8つの機能の2番目です。主導機能で見たものを実際に形にする道具で、やり方を決めておかずその場に合わせて組み立てます。得意で価値を置く点は主導機能と同じですが、主導機能ほど固定されず柔軟に使えるとされます。ILE(直観論理外向)なら主導機能がNe(外向直観)、創造機能はTi(内向論理)です。
主導機能と創造機能は、要素の種類(知覚か判断か)と向き(外向か内向か)が必ず逆になります。この2つの組み合わせがタイプの名前になり、残りの6つはここから規則で決まります。
次元性という見方では創造機能は3次元です。自分の経験と社会的規範に加えて、その場の状況に合わせて使えるとされます。ここを頼られるとうれしく、否定されると主導機能のとき以上にこたえるとされます。
02研究者はどう書いたか
創造機能の呼び名も研究者ごとに違います。創造機能、実現機能、道具的機能。指しているものは同じで、主導機能の目的を形にする機能です。
アウシュラ(Aushra Augustinaviciute)は著作『機能の理論』の第2機能の節で、この機能を創造機能と呼びます。節の要約が次の文です。
要約:第2機能は創造機能であり、ここで人間は自分以前には知られていなかった新しいものを創造する。第1機能の目的の達成と自己肯定のための創造である。
「自分以前には知られていなかった新しいものを創造する」と「第1機能の目的の達成」の2つが、アウシュラの書く創造機能の中身です。新しいものを作るが、目的は主導機能が決めるという関係です。
Stratiyevskayaは著書『お別れしないために』で、プログラム機能(主導機能)と創造機能を対にして書きます。
プログラム機能が常に分析的、原則的、揺るがず、それゆえ慣性的であるのに対し、創造機能は常に柔軟で、機動的で、創意工夫に富む。なぜなら、それはひたすら「プログラム」的な課題と目的を実現する形式、方法、手段を開発することに従事しているからである。
プログラム機能が分析的で原則的で揺るがないのに対し、創造機能は柔軟で機動的で創意工夫に富む。同じ強い機能でも役目が違う、という書き方です。
Filatovaは著書『ソシオニクスの鏡の中の人格』で、第2の機能を実現機能と呼びます。
すでに上で述べたように、第1の、最も強い機能はプログラム機能であり、それが当該心理タイプの人間の注意の優先方向を決める。第2の、より弱い機能は、彼が結果を勝ち取る方法を指し示す。
主導機能が注意の優先方向を決め、創造機能が結果を勝ち取る方法を指し示す。Filatovaはこの2つをまとめて「意識の構え」と呼びます。
Gulenkoは自分のモデル(モデルG)で同じ機能を実現(創造)機能と呼びます。
実現(創造)機能 ― 主導的、不安定的、外的。タイプの使命を実装し、局所条件を考慮しつつ(最も完全に考慮しつつ)それを導入する。指令機能からエネルギーを得る。
「タイプの使命を実装し」「局所条件を考慮しつつ」「指令機能からエネルギーを得る」。呼び名は違いますが、主導機能の目的をその場に合わせて形にするという点はほかの3人と同じです。
03ほかの機能との関係
創造機能に何が入るかが決まると、脆弱機能(4)、動員機能(6)、実演機能(8)の要素も決まります。偶数3つとも創造機能の要素を裏返して作られる機能です。
脆弱機能(4)
創造機能と対になる要素。S⇄NもしくはT⇄F。創造機能がTiなら脆弱機能はFi。創造で得意なことの裏側にあたる、いちばん扱いにくい情報です。
実演機能(8)
同じ要素の反対向き(i⇄e)です。創造機能がTiなら実演機能はTe。意識して使う創造に対して、意識せず使える側です。
動員機能(6)
要素も向きも反対。創造機能がTiなら動員機能はFe。自分でもやってみたいが出来にムラが出る情報で、双対関係の相手はこれを創造機能に持っています。
奇数の機能は別の系列です。主導機能が「何を見るか」なら創造機能は「どうやるか」で、規範機能(3)、暗示機能(5)、観察機能(7)は主導機能から同じ規則で決まります。導き方の全体はソシオニクスの覚え方で説明しています。
04情報要素と組み合わせると
創造機能に入る要素ごとに、物事を達成するために使う手立てが変わります。該当するタイプは2つずつです。
05まとめ
創造機能は主導機能で見たものを形にする道具で、やり方をその場で組み立てる機能です。頼られるとうれしく、否定されると主導機能のとき以上にこたえます。
呼び名は研究者で違います。アウシュラは「創造機能」、Stratiyevskayaは「柔軟で機動的」、Filatovaは「実現機能」、Gulenkoは「実現(創造)機能」。どれも主導機能の目的を形にする機能として書いています。
+索引(引用文献)
- [1]アウシュラ『機能の理論(フンクツィオニカ)』(原題:Теория функций. Функционика、刊年不詳) 「第2機能」の節(要約) 執筆年の明示がない著作(推定1980年代後半〜1990年代初頭)。サミズダートで流通したのち電子化されたもので、初出媒体は未確認 本文へ
- [2]Stratiyevskaya『お別れしないために』(原題:Как сделать, чтобы мы не расставались、刊年不詳)第I部 理論編「創造機能と創造アスペクト」 本文へ
- [3]Filatova『ソシオニクスの鏡の中の人格』(原題:Личность в зеркале соционики、2001年)第II部 第4章 本文へ
- [4]Gulenko『64の肖像』(原題:64 портрета, или Калейдоскоп в новом свете、2019年)理論編 モデルG 底本は英語版。引用本文はその当サイト訳 本文へ
