ソシオニクス研究者比較誰が 何を 主張した?
ソシオニクスは、1人の研究者がまとめた理論ではありません。アウシュラ・アウグスティナヴィチューテが基礎をつくり、そのあとの研究者たちが、数学による整理、サブタイプ、写真による観察、タイプ診断、教育などの方向へ研究を広げました。
研究者たちは、情報代謝、モデルA、16タイプ、タイプ間関係、クアドラを、共通の前提にしています。情報代謝は、人と環境のあいだの情報のやりとりのことです。モデルAは、8つの情報要素を8つの機能位置に並べた図のことです。そのうえで、どの分類を有効とみなすか、同じタイプの中の違いをどう分けるか、どのモデルを使うかは、研究者や学派によって大きく異なります。
このページでは、まずソシオニクスのもとになったユングとケンピンスキの考え方をたどります。次に8人の研究者について、来歴、研究を始めた理由、ソシオニクスの定義、研究の進め方、提唱した理論を順に比べます。
最後に、8人に共通する考え方と、研究者ごとの違いを分けて整理します。研究者どうしは、先行研究を取り入れるだけでなく、同じ相手のある仕事を支持しながら、別の仕事を批判することもありました。本人たちの言葉を並べると、いまも決着していない論点が見えてきます。
このページの判定と帰属は、末尾の引用索引に挙げた資料の範囲に基づきます。
01ソシオニクスの前史
カール・グスタフ・ユング
カール・グスタフ・ユング(Carl Gustav Jung)は、スイスの精神科医です。1921年に『心理学的類型』を刊行しました。同書の序文によると、この本は、約20年にわたる実践心理学の仕事と、精神科医として神経疾患を治療した経験から生まれたものです。
ユングは、人のタイプを2つの分け方で考えました。関心が外に向くか内に向くかで分ける態度タイプ(外向型・内向型)と、いちばん発達した機能で分ける機能タイプです。ソシオニクスの16タイプは、この2つの分け方の組み合わせがもとになっているとされます。
機能は、思考・感情・感覚・直観の4つです。ユングは、いちばん発達した機能と組み合わさる2番目の機能について、こう書いています。
経験的事実が示すところによれば、第二機能は常に、主導機能とは異なる性質を持ちながらも対立関係にはない機能である。例えば、主導機能が思考の場合、補助機能としては直観と容易に組み合わさることができるし、同様に感覚とも同等に組み合わせることが可能であるが、すでに述べたように、感情とは組み合わせることができない。(中略)感情は判断機能として思考と効果的に競合するが、直観と感覚は知覚機能であり、思考を大いに補助する役割を果たす。
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Experience shows that the secondary function is always one whose nature is different from, though not antagonistic to, the leading function: thus, for example, thinking, as primary function, can readily pair with intuition as auxiliary, or indeed equally well with sensation, but, as already observed, never with feeling. (中略) as a judging function feeling successfully competes with thinking but .are functions of perception, affording welcome assistance to thought
つまり、思考と感情は判断の機能、直観と感覚は知覚の機能で、2番目の機能には1番目と種類の違う機能が入るということです。例えば、思考がいちばん発達した人の2番目には、直観か感覚が入ります。ユングは、感覚と直観を主とするタイプを、判断より知覚の強さに沿って動くことから「非合理的」とも呼びました。
アウシュラは『ソシオニクス入門』の著者序文で、自分たちの仕事とユングの関係を最初に述べています。
私たちは何も創り出してはおらず、К.Г.ユングの命題を深化し精緻化しただけであることを義務として予告しておく。(中略)その際、私たちによって検証されたのは、第一に、ユングが指摘した十六の世界知覚と世界への適応の様式が実際に存在するということである。
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чувствуем своей обязанностью предупредить, что мы ничего не придумывали, а лишь углубляли и уточняли положения К. Г. Юнга (中略) При этом: нами, во-первых, проверено, что шестнадцать способов восприятия мира и приспособления к нему, указанных К. Г. Юнгом, на самом деле существуют.
言い換えると、ソシオニクスはユングの考えを細かくしたもので、ユングが指摘した16通りの世界の受け取り方が、実際にあることを観察で確かめたということです。レイニンも『ソシオニクス:類型論・小集団』で、ソシオニクスの基本原理はユングの心理タイプの考えから発展したと書いています。
アウシュラは1991年の「ユングの世界」でも、外向と内向、直観と感覚、倫理と論理の3つの軸を、8つの情報要素と結びつけて整理しています。ただし、ユング本人がソシオニクスを提唱したわけではありません。
アントニ・ケンピンスキ
アントニ・ケンピンスキ(Antoni Kępiński、1918–1972)は、クラクフを主な活動拠点としたポーランドの精神科医です。『不安』の序文では、クラクフの精神科医・教授で、この本をまとめるまでに25年の臨床経験と多くの専門論文を重ねた人物として紹介されています。1972年に亡くなっており、ソシオニクスの提唱者ではありません。アウシュラは、ケンピンスキの情報代謝の理論を、ソシオニクスの基盤の1つに数えています。
ケンピンスキは『不安』で、環境との情報のやりとりを次のように説明しました。
環境との情報交換、すなわち情報代謝は、2つの相に分けられる。第1相では、周囲世界に対する基本的な感情的定位(「〜へ(do)」または「〜から(od)」の構え)と、生命力学(増大または減少)に関する決定が下される。(中略)第2相では、周囲世界におけるさまざまな活動形態の選択に関する決定が下される。
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wymianę informacji z otoczeniem, czyli metabolizm informacyjny, można podzielić na dwie fazy. W pierwszej fazie zapada decyzja odnosząca się do zasadniczej orientacji uczuciowej w stosunku do świata otaczającego (postawa "do" lub "od") i dynamiki życiowej (zwiększenie lub zmniejszenie). (中略) W drugiej fazie zapadają decyzje odnoszące się do wyboru różnych form aktywności w świecie otaczającym
つまり、情報代謝には、周りの世界へ近づくか離れるかを決める段階と、そこでどう行動するかを選ぶ段階の2つがあるということです。ケンピンスキは、この2つの段階を、環境と結びついたり距離をとったりをくり返す動きとしても説明しています。
情報代謝とエネルギー代謝の関係については、こう書いています。
情報代謝は、エネルギー代謝を取り囲み、貫いている精神的領域である。その崩壊はエネルギー的秩序の崩壊を引き寄せる。しかるべき情報的秩序なしには、エネルギー的秩序はしだいに弛緩し、最後には死に至る。生の本質は環境とのエネルギー・情報交換である。
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Metabolizm informacyjny jest tą sferą duchową, która otacza i przenika metabolizm energetyczny. Rozbicie jej pociąga za sobą rozbicie porządku energetycznego. Bez należytego porządku informacyjnego porządek energetyczny ulega stopniowemu rozprzężeniu, prowadzącemu w końcu do śmierci. Istotą życia jest wymiana energetyczno-informacyjna z otoczeniem.
言い換えると、生き物は、エネルギーだけでなく、情報も環境とやりとりしながら生きているということです。ケンピンスキは、情報のやりとりの秩序が崩れると、エネルギーの秩序も保てなくなると考えました。
ソシオニクスは、この情報代謝という語を受け継いでいます。ただし、ケンピンスキの2段階の説明と、アウシュラが組み立てた8つの情報要素やモデルAは、同じ理論ではありません。前者は語と着想のもとになったもので、後者はそれをソシオニクスとして体系にしたものです。
02アウシュラ・アウグスティナヴィチューテ
出自・来歴
アウシュラ・アウグスティナヴィチューテ(Aushra Augustinavičiūtė)は、リトアニアのヴィリニュスに住んでいた研究者です。『ソシオニクス入門』の著者紹介では、経済学者・社会学者で、ポーランドの大学の教員だったと紹介されています。本人は、自分のことを、職業としては教育者、関心としては社会学者だと説明しています。ブカロフの追悼文によれば、ヴィリニュス教育大学の婚姻・家族学部長を務めました。
ソシオニクスを研究した理由
アウシュラの出発点は、人間関係には決まった法則があるのではないか、という問いでした。『ソシオニクス入門』の「タイプ間関係の理論」の著者序文で、ユングの著作に出会ったいきさつをこう書いています。
数年前、職業として教育者であり関心においてはソシオロジストである私の手に、К.Г.ユングの『心理学的類型』が渡った。それは偶然であったか?そうでもありそうでもない。人間関係の基礎を解明したいと願い経済学を学んでいた私にとって偶然ではなかった。そのおかげで私は理解できたのだ。人間のコミュニケーションには経済的関係のほかにさらに何か、それに劣らぬ厳格な法則性が存在するということを。そしてその法則性を解明しようとしたのである。基本的に理解できなかったのは、善良で、思いやりがあり、気さくで、善意であろうとする各人の願望にもかかわらず、どこからともなく苛立ちと悪意が現れるということであった。誰もが同じことを望み、誰にとっても他者がそれを妨げる。なぜなのか?いかなるメカニズムが普遍的な理解と善意を妨げているのか?
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Несколько лет тому назад мне, педагогу по профессии и социологу по интересам, попала в руки книга К. Г. Юнга «Психологические типы». Было ли это случайностью? И да и нет. Как не было случайностью и то, что я, чтобы разобраться в `основах человеческих отношений, изучала экономику. Благодаря чему и сумела понять, что в межчеловеческом общении кроме экономических присутствуют еще какие-то, не менее строгие закономерности, в которых я и старалась разобраться. Основное, чего я не понимала, это как при желании каждого быть добрым, отзывчивым, добродушным и откуда-то появляются раздраженность, злоба. Каждый хочет одного и того же, и каждому в этом мешают другие. Но почему? Какой же механизм мешает всеобщему пониманию и доброжелательности?
つまり、だれもが善意で接しているのに、なぜかいら立ちや衝突が生まれる。その理由を知りたかったということです。アウシュラの関心は、1人ひとりの性格を分類することだけでなく、善意があっても衝突が起きるしくみを説明することにありました。
ソシオニクスとは何か
アウシュラは『ソシオニクス入門』で、ソシオニクスをこう定義しています。
ソシオニクスとは、ソシオンについて、人間のソシオン的本性と社会のソシオン的構造について、人々の情報代謝(IM)のさまざまなタイプとそれらのあいだのさまざまな形態の相互関係についての学問であり、К.Г.ユング、Э.クレッチマー、А.Е.リチコの類型論と、А.ケンピンスキの情報代謝の理論を基盤として生まれた。
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Соционика — наука о соционе, соционной природе человека и соционной структуре общества, о разных типах информационного метаболизма (ИМ) людей и разных формах взаимоотношений между ними — родилась на основе типологий К. Г. Юнга, Э. Кречмера, А. Е. Личко и теории информационного метаболизма А. Кемпинского.
上の引用にあるソシオンは、16タイプがそろった全体のことです。言い換えると、ソシオニクスは、1人ひとりのタイプ、タイプどうしの関係、社会の成り立ちまでを1つの学問として扱うということです。先行する理論としては、ユングだけでなく、クレッチマー、リチコ、ケンピンスキの名前を挙げています。
研究スタイルの特徴
アウシュラは、理論を観察から切り離しませんでした。『ソシオニクス入門』の著者序文では、研究の方法をこう説明しています。
つまり、この研究は理論的に見えるが、「理論」とは最も凝縮された方法で(中略)具体的な人間たちの実践的観察において解読に成功したすべてを記述する方式にすぎない。何らかの「純粋な理論」が、私たちの観察から帰結するとすれば、ここにはその一滴もない。
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То есть, хотя работа кажется теоретической, «теориях — лишь способ наиболее уплотненным методом описать все то, что нам удалось расшифровать при практическом наблюдении за конкретными людьми. Какой-то «чистой теории», которая не вытекала бы из наших наблюдений, здесь нет ни капли.
言い換えると、理論に見える部分も、実際の人たちを観察して分かったことを短くまとめて書いたものにすぎないということです。観察した人間関係を構造として書き出し、その構造から関係の法則を組み立てる進め方が特徴です。
機関誌『ソシオニクス、メンタロジーと人格心理学』『対人関係の心理学とソシオニクス』など5誌に載ったアウシュラ名義の記事は、共同名義を含めて57件です。そのうち16件はタイプごとの特徴の記述で、ほかにレイニン特徴、タイプ間関係、ソシオン、情報代謝のモデルを扱っています。題名には「社会の人口学的自己調整について」「性の問題と性生活の精神衛生」「ソシオニクスと人生における女性の役割」もあり、タイプ論を社会、家族、男女の役割の問題へ広げていたことが分かります。
アウシュラはユングに依拠していると明言する一方で、自分たちがその構造の理解を先へ進めたとも書いています。
もしユングの難しいテキストから完全な4要素モデルAを集められなかったら、私は人格タイプの構造の理解に至らなかっただろう。確かに現在では、私も同僚も、ユング自身よりこの構造をよく理解している。
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Если бы по трудному тексту Юнга мне не удалось собрать полную четырехэлементную модель Ю, я никогда не вышла бы на понимание структуры типа личности. Да, в настоящее время и я, и мои коллеги эту структуру понимают лучше самого Юнга.
つまり、ユングの文章からモデルAを組み立てたことで、タイプの構造が理解できるようになり、今ではユング本人より深く理解しているということです。ユングに依拠したことと、ユングより先へ進んだという主張の両方が書かれています。
人柄がみえる場面
1984年の書簡では、仕事を邪魔されずにすんだ経験を、自分と上司のタイプの関係に結びつけています。
私個人は、人生で2回、活動を誰も妨げず、活動が全面的に支えられた賢明な労働者だった。他のすべてのケースについては…これは語らないほうがいい。今では分かる:両方のケースで直接の上司はデュマ〔SEI〕だった。
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Я, лично, дважды в жизни была разумным работником, активности которого никто не мешал, активность которого всячески поддерживалась. Во всех прочих случаях... про это уж лучше не говорить. Теперь знаю: в обоих случаях моими непосредственными начальниками были Дюма.
つまり、仕事が順調だった2回とも、上司はSEIのタイプの人だったということです。自分の仕事がうまくいった経験も、タイプどうしの関係で説明していたことが分かります。
ブカロフは、キエフのセミナー会場で管理人が鍵を渡さなかったとき、アウシュラが大声で感情に訴えて鍵を受け取り、あとでその相手をLSIと見立てた理由を説明したと回想しています。また、アウシュラと会うと、最初の30〜40分は言い争いになり、そのあと落ち着いた議論へ移ることが多かったとも書いています。この回想から、アウシュラが理論を教える場でも、その場の見立てをすぐ行動に使っていたことが分かります。
提唱理論一覧
| 理論・概念(年) | 資料・位置 | 帰属 |
|---|---|---|
| 8つの情報代謝要素と8機能モデル(年不明) | 『ソシオニクス入門』「タイプ間関係の理論」著者序文 | 本人がモデルの作成過程を記述 |
| 双対の法則(年不明) | 同著者序文 | 本人が相互補完性の法則を定式化したと記述 |
| ソシオン/社会的進歩の2つの環(年不明) | 同著者序文 | 本人が8つの双対から構成を確定したと記述 |
| クアドラ(年不明) | 同著者序文 | 本人が4人組の概念を記述。提唱者とは明記していない |
| ソシオマティカ/ソシオニクスの命名(年不明) | 同著者序文 | 本人が命名の経緯を記述 |
| タイプ間関係の理論(1982年) | 『タイプ間関係論』、同著者序文 | アウシュラ名義の著作 |
モデルAという名前は、グレンコの用語集によると、アウシュラがつけたものです。タイプ間関係の理論はアウシュラ名義ですが、関係の表については、編集者序文がV. Leshkyavichusとの共同でつくったと書いています。理論の著者と、表の共同作成者は分けて扱う必要があります。
03グリゴリー・レイニン
出自・来歴
グリゴリー・レイニン(Grigory Reinin)は、数学者で、心理学の分野の哲学博士と紹介されています。機関誌の著者欄では、MAISUとIASCの正会員、米国心理学的類型論協会の会員とも紹介されています。1983年ごろにアウシュラの著作を読み、ヴィリニュスで本人から学び始めました。本人によると、多分散環境の局所化学反応と熱物理学を研究したあと、1987年に大学の心理学部へ入り直しています。
ソシオニクスを研究した理由
レイニンは「インタビュー断片」で、叔母から受け取った『タイプ間関係の理論』を読んだことが、ソシオニクスとの出会いだったと振り返っています。研究のテーマがはっきりしたのは、アウシュラの『人間の双対的本性』にあった「貴族/民主」という特徴がきっかけでした。
きっかけはアウシュラの著作『人間の双対的本性』であった。そこには「貴族/民主」という特徴が記述されていた。そう、すべてはここから始まった。(中略)そこで私には、もっと探してみようというアイデアが浮かんだ。もしかして他にもこのような特徴があるかもしれない、と。
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Толчком послужила работа Аушры «Дуальная природа человека». В ней был описан признак «аристократы-демократы». Вот с него все и началось. (中略) Вот у меня и возникла идея поискать еще. Вдруг еще какие-то такие признаки имеются.
言い換えると、アウシュラが示した1つの特徴を見て、同じような特徴がほかにもあるのではないかと考えたということです。この問いが、のちにレイニン特徴と呼ばれる研究につながりました。
ソシオニクスとは何か
レイニンは『ソシオニクス:類型論・小集団』で、ソシオニクスを心理学とつながったものとして定義しています。
私にとってそれは、個人の類型およびそれらの間の関係を扱う科学として定義される。私は心理学からそれを切り離さない。
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To me, it is defined as the science of types of individuals and their relationships. I would not separate it from psychology.
つまり、ソシオニクスは、人のタイプと、タイプどうしの関係を扱う学問で、心理学と切り離さずに考えているということです。アウシュラの定義が社会の成り立ちまで含むのに対して、レイニンは個人のタイプとその関係を中心に置いています。
一方で、タイプで説明できる範囲を「陳腐なもの」に限る書き方もしています。
私はソシオニクスがその実践者をこの方向において大幅に前進させ、科学一般としての心理学の地平を広げるのに役立つと信じている。一方で、ソシオニクス—そしてここで私はイーゴリ・カリナウスカスに完全に同意するのだが—は陳腐なものの科学である。しかし、陳腐なるもの、行動的ステレオタイプ、関係における標準的な反応や標準的なシナリオを知ることは、人々やその問題に対処するときに、これらのものを整理して脇に置くのに役立つのである。
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I believe that Socionics helps its practitioners to considerably progress in this direction and widen the horizons of psychology as a science in general. On the other hand, Socionics – and here I absolutely agree with Igor Kalinauskas - is a science of banalities. But the knowledge of the banal, behavioral stereotypes, of standard reactions and standard scenarios in relationships, helps to sort through and set these things aside when dealing with people and their problems.
言い換えると、タイプが教えてくれるのは、よくある反応やお決まりの行動パターンまでで、それを知っておくと、1人ひとりに固有の問題と分けて考えられるということです。タイプで人のすべてを説明しようとしない立場と読めます。
研究スタイルの特徴
レイニンの研究では、16タイプを数学的な組み合わせとして扱い、そこから二分法と小集団の構造を導きます。本人は、新しい結論が出るたびに、経験による裏づけも得ていたと振り返っています。数学による導出と、観察による確認を組み合わせるのが特徴です。
機関誌『ソシオニクス、メンタロジーと人格心理学』など3誌に載ったレイニン名義の記事は、共同名義を含めて30件です。「数学的対象としてのK.ユング類型論」「K.ユング類型論における二極特性群」「中心特性集合の構造」では人のタイプを形式的に整理し、「小集団の形態学」「小集団の類型論」「ソシオニクス小集団の分類」へ進んでいます。「レイニン特性をめぐる議論への若干の所見」では、15の二分法が出たあとの論争も扱っています。
レイニンは、特徴の集まりが数学でいう「群」の構造をもつと気づいたことを、研究の根本に置いています。その気づきが訪れた場所は、研究室ではありませんでした。
ちょっと面白いのは、この意識化が、セメント工場の轟音と粉塵と異臭の真っただ中で私のところに訪れたということです。場所はスランツィ、冬の夜のこと、外気温は氷点下30度ほど。当時私は多分散環境における局所化学反応の理論を扱っており、しばしば各種の実験のために工場へ出向いていました。それから1年半後(1987年)、私は熱物理学の研究を終え、大学に入学し直しました—心理学部に。
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Курьезом, пожалуй, было то, что осознание это пришло ко мне на цементном заводе среди грохота, пыли и вони. Дело было в Сланцах зимой, ночью, и мороз стоял около 30-ти градусов. Я тогда занимался теорией топохимических реакций в полидисперсных средах, и время от времени мы выезжали на заводы для проведения различных экспериментов. А через полтора года (в 87-м году) я закончил свои занятия теплофизикой и пошел учиться в университет, на психфак.
つまり、特徴の集まりを数学で扱えると気づいたのは、化学の実験で出向いていたセメント工場の中だったということです。
導いた特徴のすべてを、同じ強さで支持したわけでもありません。レイニン特徴の1つ「構成主義/情緒主義」の実験については、差が出なかったことと、名前のつけ方が表面的かもしれないことを書いています。
「構成/感情(конструктивисты-эмотивисты)」。実験では精確な差異は見出せませんでしたが、おそらく命名はモデルに大きく依拠しています。構成型は何らかの口実(повод)に基づいて関わる(口実が必要)。感情型は感情的に関わる。私はこれは外面的な現れであり、いちばん本質的なところではないと思います。
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Конструктивисты-эмотивисты. На эксперименте не нашли точных различий, но, скорее всего, название получено, больше опираясь на модель. Конструктивисты обращаются по поводу (должен быть повод), эмотивисты обращаются эмоционально. Мне кажется, это внешнее проявление и не самое главное.
言い換えると、この特徴は実験ではっきりした差が見つからず、名前が表しているのも表に出た違いにすぎないかもしれないということです。自分が導いた特徴にも、実験の結果に沿って留保をつけています。
提唱理論一覧
| 理論・概念(年) | 資料・位置 | 帰属 |
|---|---|---|
| レイニン特徴(15二分法・1985年) | 「双極特徴論」結論 | 数学的導出はレイニン。出発点の「貴族/民主」はアウシュラに帰属 |
| 小集団の形態論(1986年) | 「小集団の形態論」本文 | レイニン名義の著作 |
レイニン特徴は、アウシュラが書いた最初の二分法と、レイニンの数学的な導出を組み合わせた成果です。名前だけを見てレイニン1人の着想とせず、2人の役割を分けて示すのが適切です。
04ヴィクトル・グレンコ
出自・来歴
ヴィクトル・グレンコ(Victor Gulenko)は、『64の肖像』の著者紹介で、Ph.D.を持つ現役の心理学者で、キエフの人道主義ソシオニクス学派の創設者と紹介されています。同書は、研究、心理学の実践、執筆に25年以上たずさわった成果をまとめたものです。
ソシオニクスを研究した理由
グレンコが取り組んだのは、同じタイプの人どうしのあいだに見られる違いでした。『64の肖像』の序文では、16タイプを出発点として、さらに細かく分ける必要があると書いています。
完全に論理的な結論が熟しました—16のタイプは、改善を必要とする初期の体系にすぎないということです。(中略)そこで、私は最初の改稿を提案しました—タイプを2つの安定したヴァリアント(サブタイプ)に分けることです。すなわち、初期型と終局型です。
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A completely logical conclusion has ripened: 16 types are only the initial system that needs to be improved. (中略) Therefore, I proposed my first rework — the separation of the type into two stable variants (subtypes) — initial and terminal.
言い換えると、16タイプは完成した体系ではなく、同じタイプの中をさらに2つに分けるところから改良を始めたということです。この2つが、初期型と終局型と呼ばれるサブタイプです。
ソシオニクスとは何か
グレンコは『64の肖像』で、ソシオニクスを、行動と関係の事実を扱う方法として説明しています。
ソシオニクスは、人々の行動や、彼らの間に発展する関係性に関わる事実を扱う新しい方法です。その利点は、客観性と体系的アプローチです。
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Socionics is a new way to work with facts relating to people’s behavior and the relationships that develop between them. Its advantages are objectivity and a systematic approach.
つまり、ソシオニクスは、人がどうふるまい、人と人のあいだにどんな関係ができるかを、決まった枠組みで扱う方法だということです。別の箇所では、タイプどうしのコミュニケーションを扱うことから、社会心理学的類型論とも呼ばれると書いています。研究の対象を、行動、関係、コミュニケーションに置く定義です。
研究スタイルの特徴
グレンコは、サブタイプや、機能の一部が強く出る傾向を観察し、心をいくつものレベルからなる体系として考えました。1つのモデルだけで人の違いを説明するのではなく、複数のレベルに分けて記述します。DCNHやコミュニケーション・スタイルも、この細かく分ける方向にある理論です。
機関誌『ソシオニクス、メンタロジーと人格心理学』『心理学と教育学』など4誌に載ったグレンコ名義の記事は、共同名義を含めて72件です。題名は、インタビューによる診断、観察による診断、タイプのイメージ、システムの階層、DCNH、サブタイプ、集団のまとまり、現代文明の統合タイプ、学校での応用に分かれます。診断の方法、モデル、集団、社会、教育を行き来する構成です。
アウシュラが示した体系の外へ進むことについて、グレンコの態度ははっきりしています。
類型論は進化を続けており、生のさまざまな問題を解決するための適応の過程で著しく変化しうるタイプの観念を精緻化しています。私は、いまだにアウシュラの開拓的な仕事の枠を超えるあらゆるものを否定し、タイプ内の差異を記述するために外部の技法を持ち込もうとするソシオニストたちには、不愉快な驚きを覚えます。
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The typology continues to evolve, specifying the idea of a type that can significantly change in the course of its adaptation to solving various life problems, and I am unpleasantly surprised by those socionists who still deny everything that goes beyond the scope of Aushra’s pioneering work, and who drag in extraneous techniques to describe intra- type differences.
言い換えると、タイプの考え方は今も変わり続けているのに、アウシュラの仕事を超えるものを認めない研究者がいることを、不愉快に感じているということです。そうした研究者は、同じタイプの中の違いを、ソシオニクスの外の手法で説明しようとするとグレンコは書いています。
DCNHを実際に使うことについては、完成したとは言わず、課題を選び始めた段階だと書いています。
この実用的応用はようやく始まったばかりです。主要な課題は、4通りの方法で同等に効果的に対処できる課題、あるいは逆に解決方法に応じて明確に専門化されている課題の選別です。
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This practical application is only beginning to be established. The primary challenge is the selection of tasks that are equally effective and able to be addressed in any four ways or conversely, clearly specialized according to a solution method.
上の引用にある4通りの方法は、DCNHの4つのサブタイプ(D・C・N・H)それぞれの取り組み方のことです。つまり、どのサブタイプでも同じようにこなせる課題と、サブタイプによって向き不向きがはっきり分かれる課題を、見分けているところだということです。
人柄がみえる場面
グレンコは、自分のサブタイプ理論が学界で受け入れられなかったいきさつを、序文だけでなく本文にも書いています。
私のサブタイプ理論は、ソシオニクスとは何の関係もない、あるいは、よくても黙殺されるべきものとして根気強く否定されてきましたが、西洋の類型論者は独自に私のサブタイプ二分法を再発見しました。残念ながら、64タイプ論がいつの日か、別の西洋の発展としてやってくる可能性が高いのです。私は1990年代以来、この発見をソシオニクスの公衆に伝えようと試みてきたにもかかわらず。
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While my theory of subtypes was persistently denied as having no relation to socionics, or, at best, was hushed up, Western typologists independently rediscovered my subtype dichotomies. Unfortunately, there is a high probability that Typology 64 will one day come to us as another Western development, although I have been trying to convey this discovery to the socionic public since the 1990s.
つまり、1990年代から伝えてきたサブタイプの考えがソシオニクスの中では退けられ、あとから西洋の類型論者が同じ区分を見つけたということです。グレンコは、64タイプ論でも同じことが起きると見込んでいます。
提唱理論一覧
| 理論・概念(年) | 資料・位置 | 帰属 |
|---|---|---|
| 初期型/終局型サブタイプ(1980年代末) | 『64の肖像』序文 | 本人が最初の改稿として提案 |
| DCNH(1990年代後半) | 『64の肖像』「前史」 | 本人が成立過程を記述 |
| 心理機能の記号(1990年) | イェルマーク「ソシオニクスのモデルにおける機能の符号」文献表 | イェルマークがグレンコによる導入と記述 |
| コミュニケーション・スタイル(初出年不明) | 『64の肖像』理論編 | 本人が4群の体系を記述 |
| モデルG(年不明) | 『64の肖像』用語集 | 本人の著書がグレンコに帰属 |
心理機能の記号は、グレンコ本人ではなく、イェルマークがグレンコによるものと書いた帰属です。その記号に意味の上の根拠を与えた研究は、イェルマークとG. Senyukの共同の成果として別に扱われます。
05アレクサンドル・ブカロフ
出自・来歴
カルペンコの科学伝記によると、アレクサンドル・ブカロフ(Aleksandr Bukalov)は、1962年にキエフで生まれ、キエフ工科大学と心理科学アカデミーを卒業し、ローマ・ラツィオ職業訓練研究所でも学びました。1985年から1989年までウクライナ科学アカデミーのピサルジェフスキー名称物理化学研究所、1989年から1991年まで同アカデミーの表面物理化学研究所に勤め、1999年に心理学の分野の哲学博士号を取っています。機関誌の著者欄では、国際ソシオニクス研究所の所長と紹介されています。
ソシオニクスを研究した理由
ブカロフが研究を始めた理由は、本人の回想ではなく、オルガ・カルペンコの「ブカロフ・アレクサンドル・ヴァレンチノヴィチ—科学伝記」に書かれています。
並行して、幅広い科学的関心を持ち、学生時代(1982年以降)から人工知能の創出の問題に取り組み、心理学、精神分析、神経生理学を学び、思考のモデル化のために量子力学の諸原理およびC.G.ユングの類型論[143]を応用する可能性を研究していた。そのため1986年からは、A.アウグスティナヴィチューテによって創られた心の情報代謝の理論—ソシオニクス—の分野でも活発に研究を始めた[9–15]。
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Параллельно, обладая широкими научными интересами, со студенческих лет (с 1982 г.), занимался вопросами создания искусственного интеллекта, изучал психологию, психоанализ, нейрофизиологию, и исследовал возможность применения принципов квантовой механики, а также типологии К.Г. Юнга [143] для моделирования мышления. Поэтому с 1986 года начал также активно работать и в области соционики — теории информационного метаболизма психики, созданной А. Аугустинавичюте [9–15].
言い換えると、人工知能をつくるために人の思考のしくみを研究していて、その延長でソシオニクスに進んだということです。人工知能、心理学、神経生理学、量子力学にまたがる関心が、ソシオニクスの研究につながったと説明されています。
ソシオニクスとは何か
ブカロフは「インタータイプ関係の記述」で、16タイプの全体とソシオンを中心に定義しています。
16タイプ全体集合の名称はソシオン(社会子)であり、ソシオニクスは時に「ソシオンの科学」と定義される。なぜなら16タイプの全体だけが統合的人間知性を構成するからだ。
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Название совокупности всех 16-ти типов — социон, и соционика иногда определяется как наука о соционе, потому что только 16 типов вместе образуют интегральный человеческий интеллект.
つまり、16タイプは、そろってはじめて1つの完全な知性になるので、ソシオニクスは16タイプの全体を研究するということです。1人のタイプではなく、16タイプがそろった全体を研究の単位に置く点が特徴です。
研究スタイルの特徴
カルペンコの科学伝記は、ブカロフがソシオニクスをほかの科学分野との結びつきの中で考えたと説明しています。量子系、神経ホログラフィー、周産期、社会集団などへ研究の範囲を広げる進め方です。下の理論一覧も、本人の自己紹介ではなく、この伝記がブカロフのものとしたものが中心です。
機関誌『ソシオニクス、メンタロジーと人格心理学』『言語と文化の起源』など5誌に載ったブカロフ名義の記事は、共同名義を含めて263件です。量子構造、ホログラフィー、意識、民族、国家、歴史の流れ、管理、人事、航空宇宙の乗組員、言語の起源、古代文化が、くり返し題名に出てきます。1人の心に使った情報のモデルを、集団、社会、文明へ広げる傾向があります。
夫婦関係を扱った研究では、119組のデータを使っています。
ビジネス集団のコンサルティングおよびソシオニクス・タイプ判定を含むさまざまなソシオニクス研究の過程で、我々は無作為に夫婦ペアに出会った。得られたサンプルはソシオニクス手法で調査された。我々は119組の夫婦ペアのデータを処理し、得られた結果は、ソシオニクスの公理とモデル [7, 8] を検証する上で大きな関心を惹くものである。
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of business collectives and various socionic studies, including definition of socionic type of the person, we casually met married couples. The obtained sample was investigated by socionic methods. We have processed data on 119 married couples and the received results are of significant interest for checking of socionic postulates and models [7, 8].
つまり、仕事の中で出会った夫婦119組のタイプを調べ、ソシオニクスの公理とモデルを確かめる材料にしたということです。
DCNHを使った別の共同研究では、観察の結果から仮説を選びながら、結論は保留しています。
我々の見解では、二番目の可能性が高そうだ。しかしこれらの問題はさらなる研究を要する。
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По нашему мнению, вероятнее второе. Но эти вопросы требуют дальнейшего изучения.
言い換えると、2つの可能性のうち片方が有力だと考えるが、決めるにはさらに研究が要るということです。
人柄がみえる場面
研究の広がりを語るとき、ブカロフは物理学のたとえを使っています。
このようにソシオニクス的技術は、人間の人文学的・社会的・生産的・経済的・政治的活動のすべての領域を覆っている。ソシオニクスはメタ言語として機能し、膨大な量の情報を圧縮された、パッキングされた形で操作することを可能にする。これは、A. アインシュタインによれば、わずかな質量の物質に巨大なエネルギーが含まれているのと同様である。
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Таким образом, соционические технологии охватывают все сферы гуманитарной, социальной, производственной, экономической и политической деятельности человека. Соционика выступает как метаязык, позволяющий оперировать в свернутом, упакованном виде огромным количеством информации. Это подобно тому, как в небольшой массе вещества, согласно А. Эйнштейну, содержится огромная энергия.
言い換えると、ソシオニクスは、多くの情報を短い言葉にまとめて扱える共通の言語で、人間の活動のあらゆる分野に使えるということです。そのことを、アインシュタインの質量とエネルギーの関係にたとえています。
共同論文で学位論文の一覧を示したすぐあとでは、一覧が完全でないことを一文で片づけています。
これらは決してすべてではないが、無限を抱きとることはできない。
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Это далеко не все, но нельзя объять необъятное.
つまり、すべては載せきれないので、ここまでにするということです。
提唱理論一覧
| 理論・概念(年) | 資料・位置 | 帰属 |
|---|---|---|
| ソシオニクスの4公理体系(1998年) | カルペンコ「科学伝記」研究成果節 | カルペンコがブカロフに帰属 |
| 周産期マトリックスによるタイプ形成(1989年) | 同研究成果節 | カルペンコがブカロフに帰属 |
| 心を量子系として記述する理論(1987年) | 同研究成果節 | カルペンコがブカロフに帰属 |
| 情報代謝機能の神経ホログラフィック概念(1990年) | 同研究成果節 | カルペンコがブカロフに帰属 |
| 意識機能(1989年) | 同研究成果節 | カルペンコがブカロフに帰属 |
| インテグラル・ソシオニクス(1989年) | 同研究成果節 | カルペンコがブカロフに帰属 |
| 心理情報学(1989年) | 同研究成果節 | カルペンコがブカロフに帰属 |
| モデルB/16成分ソシオンモデル(年不明) | 同研究成果節 | カルペンコがブカロフに帰属 |
| 心的機能の次元数(1990年) | 同研究成果節 | カルペンコがブカロフに帰属。イェルマークもブカロフへの帰属を記載 |
| 4水準モデル(年不明) | 同研究成果節 | カルペンコがブカロフに帰属 |
この一覧は、科学伝記がブカロフのものとした理論をまとめたものです。ブカロフ本人がそれぞれを自分の提唱だと述べた言葉とは区別されます。
06ヴェラ・ストラティエフスカヤ
出自・来歴
ヴェラ・ストラティエフスカヤ(Vera Stratiyevskaya)は、タイプどうしの関係と伴侶の選び方を扱った『お別れしないために』の著者です。
ソシオニクスを研究した理由
ストラティエフスカヤは『お別れしないために』の序文で、身近な人間関係が苦しみを生んでいることを、研究の入口に置いています。
人々が宇宙ステーションを建設し、宇宙を開拓し、隣の銀河系をうかがっているこの時代に、なぜ自分のすぐそばの人をもっと注意深く見つめないのか? 私たち一人ひとりにこれほど多くの苦しみをもたらしている問題に、なぜ一度きちんと、そして決定的に取り組もうとしないのか?
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Почему в наше время, когда люди строят космические станции, осваивают Вселенную и присматриваются к соседним галактикам, не присмотреться повнимательнее к человеку, что рядом с вами? Почему бы раз и навсегда не разобраться в той проблеме, которая почти каждому из нас причиняет столько страданий?
言い換えると、宇宙の研究より先に、いちばん身近な人との関係にきちんと向き合うべきだということです。関心は、抽象的な分類よりも、伴侶や身近な相手との関係をどう説明するかに向いています。
伴侶の選び方についての見方は、次の一文に表れています。
もっとも、これは驚くにはあたらない。私たちは靴や歯科医を選ぶときのほうが、人生の伴侶を選ぶときよりはるかに念入りに選んでいるからだ。
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Впрочем, это и неудивительно, поскольку туфли и зубного врача мы выбираем намного тщательнее, чем спутника жизни.
つまり、人は、靴や歯医者よりも、人生の伴侶を選ぶときのほうが考えずに選んでいるということです。
ソシオニクスとは何か
ストラティエフスカヤは、ソシオニクスを使えば、人間関係を説明し、分類し、予測できると書いています。
人間関係をいくらかでも体系的に説明することができるのは、まさに人間のソシオン的本性の観点からなのである。説明するだけでなく、分類し、さらには予測することもできる。
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именно с позиций соционной природы человека эти отношения и можно объяснить скольконибудь системно. И не только объяснить, но и классифицировать, и даже прогнозировать.
言い換えると、人のタイプという見方を使えば、人間関係を筋道立てて説明でき、どんな関係になるかを前もって見通すこともできるということです。さらに、ソシオニクスには体系と組み立ての方法があり、科学的な方法にもとづくものだと位置づけています。
研究スタイルの特徴
関係を1回ごとの印象として語るのではなく、タイプどうしの法則から分類し、予測へ進む書き方です。扱う対象は、一貫して身近な人間関係です。
機関誌『ソシオニクス、メンタロジーと人格心理学』ほか4誌には、ストラティエフスカヤ名義の記事はありません。著書の章立てを見ると、16タイプごとの関係の場面、伴侶の選び方、最適な関係、双対関係を、日常の例で扱うことに集中しています。
理想の関係についても、日常が続くことを基準にしています。
そして最後に:たとえ私たちが自身の理想的なパートナーを見つけることを目的にしたとしても、忘れてはなりません、絶対的な意味での幸福は、おとぎ話の中にしか存在しないことを。一方、人生では、まさに最適な関係こそが理想的な関係と見なされます—すなわち、お祭りの関係ではなく、日常の関係—「毎日のための」関係—まさにそれが最も心地よく、落ち着いた関係なのです。
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И последнее: даже если мы и задались целью найти себе идеального партнера, все же не будем забывать, что счастье, в его абсолютном варианте, существует только в сказках. А в жизни идеальными отношениями считаются именно отношения оптимальные по своей сути — т. е. не праздничные, а будничные отношения — отношения "на каждый день" — именно они являются самыми удобными и спокойными.
つまり、理想の関係とは、特別な日の関係ではなく、毎日いっしょにいて落ち着ける関係のことだということです。
人柄がみえる場面
テレビ番組の伴侶選びにも、同じ基準を向けています。
テレビもまたこの問題を扱い始めた。「一目惚れ」という番組ひとつとってみてもそうだ。三人の魅力的な若者が、三人の素敵な娘たちのなかから心理学的に最悪の選択肢を選ぶさまを観察するのは、いつも興味深い。「サーシャ、なぜターニャを選んだの? —だって、彼女はあまり喋らないし、変な仕草もしないから」。この番組でどのような原則に基づいて参加者を選んでいるかは知らないが、たいていの場合、これは絶対に当たらないくじ引きである。
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Телевидение тоже начало заниматься этой проблемой. Одна только "Любовь с первого взгляда" чего стоит. Всегда интересно наблюдать, как трое симпатичных юношей из трех очаровательных девушек выбирают себе в психологическом плане наихудший вариант: "Саша, почему ты выбрал Таню? — Потому, что она много молчит, и не делает всяких таких жестов". Неизвестно, по какому принципу подбираются участники для этой передачи, но чаще всего это именно безвыигрышная лотерея.
言い換えると、番組の参加者は、口数が少ないといった表面的な理由で、心理学的には最も合わない相手を選ぶことが多いということです。番組での組み合わせ方を、くじ引きにたとえています。
提唱理論一覧
『お別れしないために』では、タイプどうしの関係を説明し、分類し、予測する方法に、独立した理論の名前はつけられていません。
07エカテリーナ・フィラトワ
出自・来歴
本人の前書きによると、エカテリーナ・フィラトワ(Ekaterina Filatova)は、ノヴォシビルスク大学とサンクトペテルブルク大学の物理学部で長年ソシオニクスを教え、実験の資料を蓄えてきました。『ソシオニクスの鏡の中の人格』に使った写真は、10年以上かけて撮影したものです。
ソシオニクスを研究した理由
フィラトワは『ソシオニクスの鏡の中の人格』の前書きで、長年の研究の成果を、写真と記述の形で示す必要があったことを、この本を書いた動機として挙げています。
まさにこの差し迫った必要性が、著者を突き動かし、この本の中でこのテーマに関する長年の研究成果を読者に紹介させることになった。
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Именно эта насущная потребность и побудила автора познакомить читателей с результатами своих многолетних исследований на эту тему в настоящей книге.
つまり、必要に迫られて、長年の研究の成果を本にまとめたということです。1996年には、約300枚の写真と短いタイプの記述を収めた『肖像の中のソシオニクス』を出しています。写真の資料を公開し、タイプの違いを目に見える形で比べることが、研究の中心にあります。
ソシオニクスとは何か
フィラトワは『ソシオニクスの鏡の中の人格』で、ソシオニクスが扱う対象を短く定義しています。
ソシオニクスは人間のタイプ論と、異なるタイプの代表者同士の関係における法則性とを扱う学問である。
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соционика занимается типологией людей и закономерностями отношений между представителями различных типов.
言い換えると、ソシオニクスが扱うのは、人のタイプと、違うタイプの人どうしの関係に現れる決まりの2つだということです。
研究スタイルの特徴
フィラトワの写真資料には、約1500人分の写真が収められていたと書かれています。たくさんの人を写真で並べて、16タイプだけでは収まらない、同じタイプの中の違いをサブタイプとして記述する進め方です。
機関誌『ソシオニクス、メンタロジーと人格心理学』など3誌に載ったフィラトワ名義の記事は39件です。サブタイプとタイプの中の違い、写真、家族、遺伝、レイニン特徴、ほかの研究者への反論、男女の違いを含む関係の分類が中心です。『対人関係の心理学とソシオニクス』に載った15件のうち12件は「伝記に見る心理タイプ」のシリーズで、ワッツ、コルチャック、ワシントン、モーツァルト、ブルーノ、ココ・シャネルらを扱っています。
写真による観察を重ねる一方で、分野全体の証拠の水準については厳しく評価しています。
残念ながら、今のところソシオニクスのあらゆる発見は、主として直観的な性格のものにとどまっており、それにはいくつかの原因がある。その一つは、この問題に関わりうる様々な専門分野の担当者—心理学者、医師、生理学者、遺伝学者、社会学者—による、広く組織された学術的研究がまだ存在しないことである。現代の研究は、大規模な統計調査なしには、また、顔の表現型の研究を含めコンピュータープログラムの使用なしには不可能であり、これはすでに数学とプログラミングの領域である。
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К сожалению, пока все открытия соционики носят, в основном, интуитивный характер, и это обусловлено разными причинами. Одна из них — отсутствие широко организованных научных разработок этой проблемы представителями разных профессий, которых может касаться этот вопрос — психологами, медиками, физиологами, генетиками, социологами. Современные исследования невозможны также без широкомасштабных статистических исследований, без использования компьютерных программ, в том числе для изучения фенотипов лиц — а это уже область математики и программирования.
言い換えると、ソシオニクスの発見はまだ直観にたよったもので、確かめるには、いくつもの分野の専門家による大規模な調査と統計が必要だということです。自分が属する分野に対しても、足りないものをはっきり書いています。
サブタイプへ進んだ理由の1つは、同じタイプの記述が研究者ごとに一致しなかったことでした。
のちにソシオニクスでは全部で16の心理タイプが定められ、かなり長いあいだ、研究者たちは可能なかぎり、これらのタイプのひとつひとつを詳しく記述しようとしてきた。しかしそこで問題が生じた。記述がしばしば食い違い、同じタイプについて異なる性格特徴を含んでいたのである。それに応じて、心理タイプの判定にも困難が生じた。
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Позднее в соционике были определены всего 16 психологических типов, и довольно долго исследователи пытались, насколько это возможно, подробно описывать каждый из этих типов. Но тут возникли проблемы, состоящие в том, что описания часто расходились, содержали разные черты характера одного и того же типа. Соответственно, возникли трудности с определением психотипов.
つまり、研究者によって同じタイプの記述が食い違い、そのせいでタイプの判定も難しくなったということです。この食い違いを、同じタイプの中の違いとして整理しようとしたのが、フィラトワのサブタイプの研究です。
人柄がみえる場面
前書きの謝辞では、原稿を批判した息子を「完全な双対」として紹介しています。
とりわけ深い感謝を捧げたいのは、私の息子セルゲイ・スヴィタシェフである。心理タイプにおいて私の完全な双対(デュアル)である彼は、「みんなが君を褒めるから、僕は批判することにするよ」と言って、私の以前の著作、そして本書の草稿を、この上なく丁寧かつ入念に読み込み、多くの具体的かつ非常に有益な指摘をしてくれた。そのおかげで、書かれたものすべてが大いに向上したのである。
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Особая моя признательность — моему сыну Сергею Свиташеву. Будучи по психотипу моим полным дополнением, он со словами: «Все тебя хвалят, а я буду критиковать», самым тщательным и скрупулезным образом прочел мои прежние книги, а также рукопись настоящей работы и сделал много конкретных и чрезвычайно полезных замечаний, от чего все написанное очень сильно выиграло.
言い換えると、タイプの上で双対関係の相手である息子が、あえて批判する役を引き受け、そのおかげで本がよくなったということです。
提唱理論一覧
| 理論・方法(年) | 資料・位置 | 帰属 |
|---|---|---|
| 写真によるタイプ提示(1996年) | 『ソシオニクスの鏡の中の人格』まえがき | 本人が自著で行った最初の公刊の試みと記述 |
| 32タイプ(各タイプ2サブタイプ・2001年) | 同書第2部 | 本人が分類を記述。自分の提唱とは明記していない |
| レベル64以上のサブタイプ分類(2001年) | 同書第3部 | 本人が暫定分類を記述。分類基準は未確定 |
『ソシオニクスの鏡の中の人格』は、32タイプと64以上の分類を書いています。32タイプの分類には提唱者が書かれておらず、64以上の分類はまだ暫定の段階です。
08ヴォロディミル・イェルマーク
出自・来歴
ヴォロディミル・イェルマーク(Volodymyr Yermak)は、『人を理解することを学ぶには』の著者紹介で、システム論者、ソシオニクス研究者、心理学者と紹介されています。大規模な管理システムの仕事の経験を持ち、キエフ・ソシオニクス学派の中心的な専門家の1人とされています。同書の付録に収められた論文の著者欄には、キエフのシステム論・ソシオニクス・センター所属とあります。
ソシオニクスを研究した理由
イェルマークは『人を理解することを学ぶには』の序文で、1987年のはじめに研究を始めた理由を書いています。
著者は職業上もまた思考様式上もシステム学者であり、1987年初頭、ソシオニクスのシステム性に魅了され、A. アウグスタの モデル の天才的な発見を可能なかぎり厳密に継承・基礎づけし、また、ソシオニクスの2つの根本構成要素である N.N. メドヴェージェフの 心と世界の相互作用の情報流のアスペクト構造 に関する研究を発展させようと決意した…。
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Автор, системолог по профессиональной жизни и образу мышления, очарованный в начале 1987 года системностью соционики, решился продолжить и обосновать, по возможности строго, гениальные находки моделей А.Аугуста, а также развить работы Н.Н.Медведева по аспектной структуре информационного потока взаимодействия психики с миром - две фундаментальные составляющие соционики
言い換えると、ソシオニクスが体系として組み立てられていることに引きつけられ、アウシュラのモデルとメドヴェージェフの考えを、できるだけ厳密に受け継いで発展させようと決めたということです。アウシュラのモデルを受け継ぐことと、メドヴェージェフの情報の流れの構造を発展させることを、本人は別々の課題として挙げています。
ソシオニクスとは何か
イェルマークは『人を理解することを学ぶには』で、自分の役割を、システム論による基礎づけに置いています。
心のTIMのモデルの構造とアスペクト的組合せ論の練磨と正当化、ならびに心と世界の相互作用の情報流のアスペクト構造の正当化は、システム論的アプローチに基づき、心と周囲世界との情報的相互作用の主観的性格を前提として行われた(В.Д. イェルマーク)。
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Разработка и обоснование структуры и аспектной комбинаторики модели ТИМ психики, а также обоснование аспектной структуры информационного потока взаимодействия психики с миром выполнено на основе системного подхода и в предположении субъективного характера информационного взаимодействия психики с окружающим миром (В.Д.Ермак)
上の引用にあるTIMは、情報代謝のタイプのことです。つまり、モデルの構造と、心と世界のあいだの情報の流れの構造に、システム論で根拠を与えたのが自分の仕事だということです。この書き方では、アウシュラのモデル、メドヴェージェフの基礎概念、イェルマーク自身の基礎づけが、はっきり分けられています。
研究スタイルの特徴
イェルマークは、数学とシステム論を使い、心と周りの世界とのやりとりを情報の流れとして記述します。すでにある概念をそのまま使うのではなく、構造と意味を整理し、どの成果がどの研究者のものかを分けて体系にする進め方です。
機関誌『ソシオニクス、メンタロジーと人格心理学』など3誌に載ったイェルマーク名義の記事は、共同名義を含めて49件です。システム論、心のTIMのモデル、情報の流れの構造をもとに、タイプの判定、年齢による発達、統合TIM、相談、政治、恋愛へ進んでいます。「TIMと愛」は8回、「心理TIMモデルの記述」は3回に分けて載りました。
本人は、ソシオニクスに解決していない問題が多いことを認めながら、学派どうしの対立では妥協しない姿勢を見せています。
ソシオニクスには未解決の問題、未練磨の仮説が多くある。社会科学・人文学・自然科学の境界に位置するソシオニクスの位置は、現代の科学活動の過渡期において相変わらず存在する「ソ連流マフィア気質(クラン気質)」のもとで、異なる学派や学者の相互理解、ならびにソシオニクスの正当化を強く妨げている…。だからこそ、科学における好戦的な無知と妥協することは許されない!
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В соционике много нерешённых проблем и неразработанных гипотез. Положение соционики на стыке наук общественных, гуманитарных и наук естественных, в условиях всё ещё имеющей место в современный переходной период клановости, “совковой мафиозности” научной деятельности, сильно затрудняет взаимопонимание разных школ и учёных, легитимизацию соционики... Именно поэтому мириться с воинствующим невежеством в науке нельзя!..
言い換えると、ソシオニクスには未解決の問題が多く、学派どうしの派閥意識が相互の理解を妨げている。だからこそ、科学の場での好戦的な無知には妥協しないということです。
人柄がみえる場面
1999年の論争文では、批判の口調をわびながら、黙っていられなかった理由と、今後も協力するつもりがあることを、同じ結びに書いています。
もう一度、 判断の鋭さ と批判の一定の 感情性 について、S.V. サフチェンコにも、深くお詫び せねばならないが、 今日のソシオニクス内および周辺の状況 におけるソシオニクスの パラダイムの歪曲 の 極めて危険な状態 を考慮し、 通り過ぎ、黙る ことはできなかった…。 上記の考察 が 理解と建設的議論 で迎えられるなら、 私は、ソシオニクスという科学と応用研究の確立と将来の発展に関心を持つすべての人々と、今後も協力する用意がある。
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Ещё раз вынужден принести нижайшие извинения, в том числе и Сергею Валентиновичу, за резкость суждений и некоторую эмоциональность критики, но, ввиду чрезвычайной опасности искажений парадигмы соционики в сложившихся сегодня условиях в соционике и вокруг неё, не смог пройти мимо и промолчать… Если высказанные выше соображения будут встречены с пониманием и конструктивным обсуждением, я готов сотрудничать и дальше со всеми, кто заинтересован в становлении и дальнейшем развитии науки соционики и прикладных исследований.
つまり、きつい言い方をしたことはわびるが、ソシオニクスがゆがめられている状況を見過ごせなかった。建設的に議論できるなら、これからも協力したいということです。厳しい批判と、協力の申し出が、同じ文章の中に並んでいます。
提唱理論一覧
| 理論・概念(年) | 資料・位置 | 帰属 |
|---|---|---|
| 人間と世界の相互作用へのシステム論的アプローチ(1996年) | 『人を理解することを学ぶには』内容紹介、関連論文の書誌 | 資料がイェルマークに帰属 |
| 情報流のアスペクト構造(1997年) | 「人間心理と周囲世界との相互作用」 | イェルマーク名義の著作。基礎概念はN.N. Medvedevに帰属 |
| 心理機能の記号の意味論的根拠づけ(1994年) | 『人を理解することを学ぶには』注記 | イェルマークとG. Senyukの共同帰属 |
| Augustinavičiūtė–Medvedev–Yermakシステム概念(2005年) | 同書「強要された序文」 | 本人が3者の構成要素を分けて記述 |
イェルマークの体系は、アウシュラのモデルを、イェルマーク1人の成果に置きかえるものではありません。メドヴェージェフの情報の流れの構造、グレンコの記号、イェルマークとSenyukによる意味の根拠づけも、それぞれ別の人の成果です。
09オルガ・カルペンコ
出自・来歴
オルガ・カルペンコ(Olga Karpenko)は、科学伝記で、国際ソシオニクス研究所の副所長、数学者、心理学者、ソシオニクス分野の哲学博士と紹介されています。本人は「弟子、研修生、エキスパート」で、タイプの診断、コンサルティング、企業研修の実務の経験を書いています。
ソシオニクスを研究した理由
カルペンコの研究のテーマは、タイプの診断、コンサルティング、企業研修などの実践から生まれました。「弟子、研修生、エキスパート」の序論でこう書いています。
強調しておきたいのは、これらの考察はすべて実践的な仕事から生まれ、実践によって絶えず確証されてきたということである。
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Подчеркну, что все эти соображения возникли из практической работы и непрерывно подтверждаются практикой.
つまり、ここで書くことは机の上の考えではなく、実際の仕事から出てきて、仕事の中で確かめられてきたものだということです。企業や組織での経験を整理し、経営者、管理職、人事担当者向けの教育につなげたことも、本人が書いています。
ソシオニクスとは何か
カルペンコは「テストについて」で、ソシオニクスが1人ひとりの事例から法則へ進む方向を示しています。
ソシオニクスは、一つひとつの事例が価値であり、深い類推の機会である心理学から、事例が法則の反映であり、広範な研究の機会である社会学へと進んでいる。しかしこの道は—概念と法則性の整然とした体系を経由する道である。
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Соционика идет от психологии, где каждый случай ценность и повод для глубоких аналогий, к социологии, где случай отражение законов и повод для широкого изучения. Но путь этот через стройную систему понятий закономерностей.
言い換えると、ソシオニクスは、1つの事例を深く見る心理学から、たくさんの事例に共通する法則を探る社会学の方向へ進んでいて、その間を概念と法則の体系がつないでいるということです。個人の事例を捨てるのではなく、多くの事例から概念と法則を整理し、社会の研究へ広げる立場です。
研究スタイルの特徴
カルペンコは、タイプの診断では、診断するエキスパート自身が測定の道具になると書いています。そのため、理論だけでなく、診断する人がどの段階で何を判断できるか、何人かのエキスパートの見立てが分かれたときにどうすり合わせるかを、研究の対象にしています。
機関誌『ソシオニクス、メンタロジーと人格心理学』『マネジメントと人材—経営心理学・ソシオニクス・社会学』など5誌に載ったカルペンコ名義の記事は、共同名義を含めて128件です。診断、エキスパートの養成、集団へのコンサルティングを中心に、モデルA、第4機能、レイニン特徴、静態/動態、統計、歴史上の人物、教育、言語と文化へ広がっています。「効果的マネジメントと人事コンサルティングにおける実践的ソシオニクスの手法」は14回に分けて載りました。
方法論のもとになった実務の規模を、本人は具体的な数で示しています。
8年にわたって、私は国際ソシオニクス研究所のソシオニクス・エキスパートのグループの一員として仕事をしている。この間に、私たちは約2千人をテストし、50を超える集団の分析を行った。私たちが蓄積した経験はその種のものとして独自であり、私はそれを分かち合いたい。
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На протяжении 8 лет я работаю в составе группы экспертов-социоников Международного института соционики. За это время нами было протестировано около 2 тысяч человек, проведен анализ более полусотни коллективов. Тот опыт, который мы накопили, является в своем роде уникальным, и мне хотчется им поделиться.
つまり、8年間で約2000人のタイプを判定し、50以上の集団を分析した経験があるということです。
診断する人が何を使って判定するのかについては、こう書いています。
テスティングやコンサルティングにおいて、エキスパートは、何よりもまず自分自身を測定の道具として用いる研究者の役割で登場する。「自分自身を」とはどういうことか。自分の全部を、である。
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В тестировании, консультировании эксперт выступает в роли исследователя, применяющего прежде всего себя самого как инструмент измерения. Что значит «себя самого»? Всего себя
言い換えると、タイプを判定するとき、エキスパートは、知識だけでなく自分の全部を道具として使っているということです。そのため、診断の確かさは診断者の習熟に左右されると読めます。カルペンコは、この習熟を、弟子・研修生・エキスパートの3段階に分けています。
提唱理論一覧
| 理論・方法(年) | 資料・位置 | 帰属 |
|---|---|---|
| エキスパートの立場(1999年) | 「エキスパートの立場」 | 本人の単著。1995年と1996年の先行報告が記されている |
| 弟子・研修生・エキスパートの3段階(2007年) | 同名論文 | 本人が3段階に区分 |
| エキスパート仮説のすり合わせ分類(2007年) | 同論文第4節 | 本人が便宜的な分類として提案 |
カルペンコの成果は、新しいタイプのモデルよりも、診断と教育の方法に重点があります。また、ブカロフの理論をまとめた科学伝記の著者でもあるので、カルペンコ自身の方法論と、カルペンコがブカロフのものとして紹介した理論は、分けて扱う必要があります。
10その他の引用研究者
このページで取り上げた8人のほかに、タイプの記述や個別の論点で名前が出てくる研究者を、引用される場面ごとにまとめます。
| 研究者 | 引用される文脈と扱い |
|---|---|
| Talanov | フィラトワによる紹介を通じて言及されるため、発言はフィラトワによる紹介として扱います。 |
| Meged | Ovcharovとの共同名義によるタイプ記述があります。共同資料として扱います。 |
| Ovcharov | Megedとの共同名義によるタイプ記述があります。共同資料として扱います。 |
| Beskova | タイプ記述が引用されています。 |
| Eglit | タイプ記述の引用者として登場します。個別理論の帰属はありません。 |
| Golihov | タイプ記述が引用されています。 |
| Piatnitskiy | タイプ記述が引用されています。 |
| Prokofieva | タイプ記述が引用されています。 |
| Zamanskaya | タイプ記述が引用されています。 |
| Weisband | アウシュラの資料に基づく初期ハンドブックのタイプ記述が引用されています。Weisband単独の理論とは扱いません。 |
| Blohin | タイプ記述が引用されています。 |
| Voroschenko | タイプ記述が引用されています。 |
| Tsypin | タイプ記述の引用者として登場します。個別理論の帰属はありません。 |
11コアと差分
共有されるコア
8人に共通する考え方(共有コア)は、名前がよく知られているかではなく、8人の資料の大半で前提として使われているかで判定します。基準は、8人の過半数である5人以上です。
資料で確かめた結果は、次のとおりです。
| 概念 | 資料で確認できた研究者数 | 判定 |
|---|---|---|
| 8つの情報代謝要素 | 8人中8人 | 共有コア |
| モデルA(8機能モデルを含む) | 8人中8人 | 共有コア |
| 16タイプ | 8人中8人 | 共有コア |
| タイプ間関係 | 8人中8人 | 共有コア |
| クアドラ | 8人中8人 | 共有コア |
5つの概念は、すべて共有コアです。 どれも、8人全員の資料で前提として使われていました。
研究者ごとの主張
| 研究者 | 主な主張 | 帰属上の注意 |
|---|---|---|
| アウシュラ | 8つの情報代謝要素、8機能モデル、双対、ソシオン、クアドラ、タイプ間関係 | 関係表はV. Leshkyavichusとの共同構築。モデルAの名称はグレンコ資料による帰属 |
| レイニン | 15二分法と小集団の形態論 | 最初の「貴族/民主」はアウシュラ、数学的導出はレイニン |
| グレンコ | サブタイプ、DCNH、心理機能の記号、コミュニケーション・スタイル、モデルG | 記号の導入年(1990年)はイェルマークの文献表による。意味論的根拠づけはイェルマークとSenyuk |
| ブカロフ | 4公理体系、次元数、モデルB、インテグラル・ソシオニクスなど | 多くはカルペンコの科学伝記による帰属。次元数は1990年として記録される |
| ストラティエフスカヤ | タイプ間関係を説明、分類、予測する方法 | 本人が自分の提唱と明記した理論名は不明 |
| フィラトワ | 写真によるタイプ提示、32タイプ、64以上の分類 | 32・64分類は本人が記述するが、自己提唱の明記はない。64以上は基準未確定 |
| イェルマーク | システム論的アプローチ、情報流のアスペクト構造、記号の意味論 | アウシュラ、Medvedev、グレンコ、Senyukの成果を分けて帰属 |
| カルペンコ | エキスパートの立場、習熟の3段階、仮説のすり合わせ | タイプ理論より診断・教育方法論が中心 |
各理論をほかの研究者が使っているか
それぞれの理論が、提唱者以外の研究者にどう受け継がれたかを、「使用」と「言及」に分けて示します。
| 理論(提唱者) | 使用 | 言及 |
|---|---|---|
| ソシオン(アウシュラ) | レイニン、グレンコ、ブカロフ、イェルマーク、カルペンコ | — |
| レイニン特徴(レイニン) | アウシュラ、ブカロフ、カルペンコ | グレンコ・イェルマークは批判的に言及 |
| 小集団の形態論(レイニン) | カルペンコ | ブカロフ。イェルマークは批判的に言及 |
| DCNH(グレンコ) | ブカロフ、カルペンコ | — |
| 心理機能の記号(グレンコ) | イェルマーク、カルペンコ | ストラティエフスカヤ |
| モデルG(グレンコ) | — | イェルマークは批判的に言及 |
| 心的機能の次元数(ブカロフ) | イェルマーク、カルペンコ | — |
| 4水準モデル(ブカロフ) | イェルマーク | カルペンコ |
| ブカロフのほかの理論群 | — | カルペンコ(科学伝記での帰属と内容紹介) |
| 心を量子系として記述する理論(ブカロフ) | — | ストラティエフスカヤ、カルペンコ |
| 写真によるタイプ提示(フィラトワ) | アウシュラ、レイニン | — |
| 情報流のアスペクト構造(イェルマーク) | カルペンコ | — |
| Augustinavičiūtė–Medvedev–Yermakシステム概念(イェルマーク) | — | ブカロフ |
いちばん広く使われているのはソシオンで、提唱者のアウシュラを含めて6人の資料に前提として出てきます。グレンコの理論では、DCNHと心理機能の記号がほかの研究者の実務や体系づくりに使われる一方、モデルGにはイェルマークによる方法論の面からの批判があります。ブカロフの理論では、次元数と4水準モデルがイェルマークとカルペンコに使われ、ほかの理論はカルペンコの科学伝記での帰属と紹介にとどまります。あとから出た理論が、先に活動した研究者の資料に出てこないのは、刊行の順番によるものです。
研究者同士の批判と支持
上の表の「使用」と「批判」は、研究者ごとの陣営を表すものではありません。同じ研究者が、ある概念を退けながら、同じ相手の別の概念を使うこともあります。
レイニン特徴。 グレンコは、集団の中での役割がタイプより、相対的に強く出る機能に左右されるという観察から、DCNHの二分法はレイニン特徴と一致しないと書いています。
このような機能の複雑性の強化は、どのタイプの代表者にも、レイニンの周知の特性とその意味において一致しない(あるいはむしろ部分的にしか一致しない)新しい二分法的特徴があるという事実につながりました。
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Such an intensification of the complexity of functions led to the fact that representatives of any type had new dichotomous features that did not coincide (or rather, only partially coincided) in their meaning with Reynin’s well-known features.
言い換えると、同じタイプの中でも強く出る機能が人によって違い、その違いから、レイニン特徴とは別の二分法が見つかったということです。
イェルマークの批判は、1つひとつの特徴の意味より、分類に必要な条件へ向かいます。
ずっと以前から知られ、 科学論的辞典 [2]にも入っている — ある対象を 分類 するために特徴を用いることは、一連の必須条件 — 主要なものは 意味論的一義性(意味の明瞭性)と 特徴の独立性 — を遵守してこそ許容される[1]。 どちらも、今日知られているタイプ的特徴の一群について、満たされていない! アウシュラ・アウグスティナヴィチューテによって本質的に導入された レイニン特徴 も[3]、(中略)上記のものや他の 初歩的な一般科学的分類の要件 を満たさない、それゆえ、現実の人々の心のタイポロジー(類型論)の構築に 適さない。
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Давно известно и вошло в науковедческие словари [2] — использование признаков для классификации неких объектов допустимо лишь при соблюдении ряда обязательных условий, главнейшими из которых являются семантическая однозначность (ясность смысла) и независимость признаков[1]. Ни то, ни другое не выполняется для известного сегодня набора типовых признаков!.. Ни признаки Рейнина, по сути введённые Аушрой Аугустинавичюте [3], (中略) не удовлетворяют приведенным выше и ряду других элементарных общенаучных требований классификации, а, следовательно, непригодны для построения типологии психики реальных людей.
上の引用にある特徴の独立性は、ある特徴がほかの特徴の組み合わせで決まってしまわないことです。つまり、レイニン特徴は分類の基本条件を満たしていないので、実際の人のタイプ分けには使えないということです。
カルペンコは反対に、レイニン特徴をソシオンの構造を表すものとして優先し、診断で使うための条件を示しました。
それゆえ、Г. Р. レイニンが導入したものとは異なる別の特性体系が形式的には存在しうるにもかかわらず、ソシオンの構造とそこに存在する法則性の表現における優先権は、まさにレイニン特性に認めるべきである。(中略)ソシオニクスのテスティングの実践でレイニン特性を使えるのは、エキスパートがユングの特性を自在に操れるだけでなく、—必ず—ソシオン全体の構造について明晰な表象をもっている、という条件のもとでだけである。
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Поэтому, несмотря на формальную возможность существования иных систем признаков, отличных от введенной Г. Р. Рейниным, именно за признаками Рейнина следует признать приоритет в выражении структуры социона и существующих в нем закономерностей. (中略) Использование признаков Рейнина в практике соционического тестирования возможно лишь при условии, что эксперт свободно владеет не только признаками Юнга, но — обязательно — имеет чѐткое представление о структуре социона в целом.
言い換えると、ソシオンの構造を表すものとしては、ほかの体系よりレイニン特徴を優先すべきだということです。ただし診断で使えるのは、ユングの特徴を使いこなし、16タイプ全体の構造を理解しているエキスパートに限るとしています。
グレンコは一致しないと書いた一方で、2013年から2015年には、レイニン特徴の1つ「質問/宣言」の実験研究を3回載せています。特徴全体への批判と、個別の特徴を確かめる研究が、同じ人の研究歴に並んでいます。
小集団の形態論。 イェルマークは、レイニンが使った二分法には直交性の問題があると批判しました。ただし、論文そのものへの評価は、同じ一文の後半に書かれています。
1986年の論文「小集団の形態学」[78] で G.R. レイニン は形式的=数学的位置から「…空間が二次元のものの集団、つまり四連符…」を考察した。そして「ソシオンの二分法の徴候」は、G.R. レイニン が用いた、心のTIMへの応用において、少なくとも直交性に関して明らかに「罪を犯す」が、論文は決定的な関心を表す。*
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В работе 1986г. “Морфология малых групп” [78] Г.Р.Рейнин рассмотрел с формально-математических позиций “...группы пространство которых двумерно, а именно, четвёрки...”. И хотя “признаки дихотомии социона”, использованные /.Р.Рейниным, в приложении к ТИМ психики, явно “грешат” некорректностью, по-крайней мере, в отношении ортогональности, работа представляет определённый интерес.
上の引用にある直交性は、それぞれの二分法が互いに独立していることです。つまり、使われた二分法には独立性の点で問題があるが、論文の内容には大きな関心を持っているということです。「罪を犯す」と「決定的な関心」は、別々の感想ではなく、一続きの文の中にあります。
モデルG。 イェルマークは、心の構造を正しく表すモデルはモデルAだけだとしたうえで、モデルGを含むほかのモデルを、方法論の面から批判しました。これは1999年の文章で、グレンコが2019年に出した『64の肖像』の説明を直接論じたものではありません。
ソシオニクス的出版物 にも「モデル」G、K、F、Sh、S字形その他が現れた[6, 7]。(中略)近寄ってよく見れば これらすべての「モデル」は、科学的方法論とモデル化の本質そのものにおける著者らの初歩的無知の証拠 にすぎない。
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В соционических публикациях тоже появились “модели” Г, К, Ф, Ш, S-образная и др.[6,7]. (中略) При ближайшем рассмотрении все эти “модели” — не более, чем свидетельство элементарного невежества их авторов в научной методологии и самой сути моделирования.
言い換えると、モデルA以外のモデルは、どれも科学的な方法やモデルづくりを分かっていない著者がつくったものだということです。
次元数と機能の記号。 同じイェルマークは、ブカロフの次元数とグレンコの機能の記号を、ソシオニクスへの大きな貢献として挙げています。
現代のソシオニクスの開発には多くの研究者が大きな貢献をしてきた…。とりわけ、キエフのソシオニクス学派の研究者である A.V. ブカロフ (心の機能の次元、民族ソシオニクス)、ならびに V.V. グレンコ (心の機能の記号)の研究を挙げておく必要がある。
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Существенный вклад в разработку современной соционики внесли многие исследователи... Особенно следует отметить работы исследователей киевской школы соционики /А.В.Букалова (размерности психических функций, этносоционика) и В.В.Гуленко (знаки психических функций)...
つまり、ほかのモデルは厳しく批判するが、ブカロフの次元とグレンコの記号は、大きな貢献として認めているということです。
カルペンコは、ブカロフの次元数をクアドラの分析に使い、考え方そのものも評価しました。
しかし、8つのアスペクトそれぞれの意義を、クアドラごとにさらに精密化することができる。そのために、А. В. ブカロフが情報流の機能に対して導入した次元数の概念[7]を使おう。(中略)機能の次元数の概念はきわめて深いもので、多くの解釈と説明を許し、この問題はセミナーや学会で繰り返し取り上げられてきた[10, 18, 20]。
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Но можно уточнить значимость каждого из восьми аспектов для каждой из квадр. Для этого воспользуемся понятием мерности, введенным А. В. Букаловым [7] для функций информационного потока. (中略) Понятие мерности функций очень глубоко, оно допускает множество трактовок и разъяснений, и этот вопрос неоднократно поднимался на семинарах и конференциях [10, 18, 20].
上の引用にあるアスペクトは、情報要素のことです。言い換えると、8つの情報要素がそれぞれのクアドラでどんな意味を持つかを、ブカロフの次元の考えを使えば、さらに細かく比べられるということです。
機能の記号についても、カルペンコは第4機能の比較に実際に使っています。
(LIE)と(EIE)の第4機能の比較に基づいて、符号(+ と – )に応じた機能の意味論の違いを跡づけることができる。仮に言えば、+ とは、感覚の多様性への志向である(感覚はあらゆる種類であるべきだ。快いものも、そうでないものも。肝心なのは、両者の間にある種のバランスが保たれることである)。– とは、不快な感覚からの離脱であり、快適さへの、人間の欲求に合致する感覚をもたらすような環境を周囲に作り出すことへの志向である。
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На основании сравнения четвертой функции (ЛИЭ) и (ЭИЭ) можно проследить отличие семантики функции в зависимости от знака: + и – . Условно говоря, + — это стремление к многообразию ощущений (ощущения должны быть всякими: и приятными, и нет, главное, чтобы соблюдался некий баланс между ними). – — это уход от неприятных ощущений, стремление к комфорту, к созданию вокруг такой обстановки, которая несла бы ощущения, соответствующие потребностям человека.
LIEとEIEは、どちらも4番の脆弱機能にSi(内向感覚)を持つタイプです。つまり、同じ位置の同じ要素でも、+と−の記号によって向かう先が違い、+は快い感覚も不快な感覚も含めた幅広さに、−は不快な感覚を避けて心地よい環境をつくることに向かうということです。記号の違いを、実際のタイプの比較に使っている例です。
イェルマークがモデルGを批判する文と、グレンコの機能の記号を支持する文は、同じ著作集に収められています。研究者への賛否ではなく、概念ごとの賛否です。
研究スタイルの違い
アウシュラは、人間関係の観察から基礎の体系を組み立てました。レイニンは数学による導出と小集団へ進み、グレンコは同じタイプの中の違いを、いくつものレベルで分類しました。ブカロフはほかの分野との結びつきを広げ、ストラティエフスカヤは身近な関係の説明に集中しています。フィラトワは写真の資料、イェルマークはシステム論、カルペンコは診断と教育の実務を、主な方法にしました。
違いが出るのは、タイプの数そのものより、何を観察の単位にするかです。1人の外見と事例、2人の関係、小集団、16タイプの全体、診断する人の習熟では、必要になる概念が変わります。研究者の専門分野と実務の場面が、同じソシオニクスから違う研究課題を引き出したと考えることもできます。
いまも続く論争
共有コアの外側には、1つの標準にまとまっていない論点があります。
モデルAとモデルG — モデルAだけで心の構造を扱うか、複数のレベルをモデルGで扱うか。グレンコは複数のレベルからなる体系とモデルGを書き、イェルマークはモデルAだけを正しいモデルとして、モデルGを批判しています。出典: Gulenko『64の肖像』(2019年)序文・用語集/Yermak「ソシオニクスにおける矛盾?… 正常、これは科学だから!」(1999年)
レイニン特徴の有効性 — 15の二分法を診断や分類に使えるか。レイニンが導き、カルペンコは条件つきで使うことを支持しています。グレンコはDCNHの特徴と一致しないことを指摘し、イェルマークは分類の条件を満たさないと批判しています。出典: Reinin「二分法的特徴の理論の創造について」(2006年)/Karpenko「レイニン特性: 起源・存在・応用」(2002年)/Gulenko『64の肖像』(2019年)/Yermak(1999年)
サブタイプ分類 — 16タイプの中の違いを、どこまで、何で分けるか。グレンコの初期型/終局型とDCNH、フィラトワの32分類と64以上の暫定分類が、並んで存在しています。出典: Gulenko『64の肖像』(2019年)序文・DCNH編/Filatova『ソシオニクスの鏡の中の人格』(2001年)第2・3部
成立年と帰属年 — 着想、命名、原稿、刊行のどれを理論の年とするか。アウシュラは、モデルの機能の配置に気づいた年を1968年とブカロフに語りましたが、『タイプ間関係論』と『ソシオン』は1982年に書かれ、刊行されずに手稿としてリトアニア科学アカデミー中央図書館に寄託されました。モデルGのように、初出の年が確定できない項目も残っています。出典: Bukalov「アウシュラ・アウグスティナヴィチューテの天才」(2010年)/Aushra『タイプ間関係論』『ソシオン』(1982年)/Gulenko『64の肖像』(2019年)用語集
このように、「ソシオニクス」という同じ言葉が、アウシュラの基礎の体系、レイニンの数学による分類、グレンコの複数のレベルからなるモデル、ブカロフの分野をまたぐ拡張、フィラトワの写真資料、イェルマークのシステム論、カルペンコの診断の方法を指しています。研究者たちは互いの成果を取り入れてきましたが、取り入れたからといって体系全体に同意しているわけではありません。共有コアの外側では、学派ごとに別のソシオニクスが並んでいます。
12年表
主な著作と論文を、刊行年の順に並べます。
| 年 | 研究者 | 著作・論文 |
|---|---|---|
| 1921年 | ユング | 『心理学的類型』 |
| 1982年 | アウシュラ | 『タイプ間関係論』 |
| 1982年 | アウシュラ | 『ソシオン』 |
| 1983年 | アウシュラ | 『人間の双対的本性』 |
| 1984年 | アウシュラ | 「パーソナリティとパーソナリティタイプ」 |
| 1985年 | アウシュラ / レイニン | 『レイニン特徴』。最初の「貴族/民主」はアウシュラ、数学的導出はレイニンに帰属 |
| 1986年 | レイニン | 「小集団の形態論」 |
| 1991年 | アウシュラ | 『ユング論考集』 |
| 1996年 | フィラトワ | 『肖像の中のソシオニクス』 |
| 1996年 | イェルマーク | 「システム的観点から見た人間心理の構造と機能」 |
| 1997年 | イェルマーク | 「人間心理と周囲世界との相互作用—情報流のアスペクト構造」 |
| 1998年 | アウシュラ | 『ソシオニクス入門』 |
| 1999年 | ブカロフ / カルペンコ | 「夫婦関係の統計について」 |
| 1999年 | カルペンコ | 「エキスパートの立場」「第4機能について」 |
| 1999年 | イェルマーク | 「ソシオニクスの幻想の崩壊? いや — タイプ判定論の崩壊!」「ソシオニクスにおける矛盾?… 正常、これは科学だから!」 |
| 2000年 | ブカロフ | 「ソシオニクス:21世紀の人文・社会・政治・情報知的技術」 |
| 2001年 | フィラトワ | 『ソシオニクスの鏡の中の人格—瓜二つの謎を解く』 |
| 2002年 | カルペンコ | 「情報流のアスペクトによるクアドラの順位づけについて」「レイニン特性:起源・存在・応用」 |
| 2005年 | イェルマーク | 『人を理解することを学ぶには』 |
| 2006年 | レイニン | 「二分法的特徴の理論の創造について」 |
| 2007年 | カルペンコ | 「弟子、研修生、エキスパート—ソシオニクス・テスティングの熟達への階梯」 |
| 2010年 | レイニン | 『ソシオニクス:類型論・小集団』 |
| 2010年 | ブカロフ | 「アウシュラ・アウグスティナヴィチューテの天才」 |
| 2013年 | ブカロフ / カルペンコ | 「学術的科学分野としてのソシオニクス」 |
| 2014年 | ブカロフ / カルペンコ | 「ソシオニクス・カウンセリングにおけるDCNHシステム」 |
| 2019年 | グレンコ | 『64の肖像』 |
| 2022年 | カルペンコ | 「ブカロフ・アレクサンドル・ヴァレンチノヴィチ—科学伝記」 |
| 年不明 | ケンピンスキ | 『不安』 |
13引用索引
- Jung『心理学的類型』(Psychologische Typen、1921年)第10章「タイプの一般的特徴」
- Kępiński『不安』(Lęk)
- Aushra Augustinavičiūtė(編)『ユング論考集』(1991年)
- Aushra『タイプ間関係論』(Теория интертипных отношений、1982年)
- Aushra『ソシオン』(Социон、1982年)
- Aushra『人間の双対的本性』(Дуальная природа человека、1983年)
- Aushra「パーソナリティとパーソナリティタイプ」(1984年)心理学者エレナ・ドゥボヴァ宛書簡
- Aushra『レイニン特徴』(Признаки Рейнина、1985年)
- Aushra『ソシオニクス入門』(Соционика. Введение、1998年)
- Reinin「小集団の形態論」(Морфология малых групп、1986年)
- Reinin「インタビュー断片」(2006年)
- Reinin「二分法的特徴の理論の創造について」(2006年)
- Reinin「双極特徴論(15特性)」
- Reinin『ソシオニクス:類型論・小集団』(Socionics: Typology. Small Groups.、2010年)
- Gulenko『64の肖像』(64 портрета、2019年)
- Bukalov「インタータイプ関係の記述」
- Bukalov・Karpenko・Chykyrysova「夫婦関係の統計について」(1999年)
- Bukalov「ソシオニクス:21世紀の人文・社会・政治・情報知的技術」(2000年)
- Bukalov「アウシュラ・アウグスティナヴィチューテの天才」(2010年)
- Bukalov・Karpenko「学術的科学分野としてのソシオニクス」(2013年)
- Karpenko・Bukalov「ソシオニクス・カウンセリングにおけるDCNHシステム」(2014年)
- Stratiyevskaya『お別れしないために』(Как сделать, чтобы мы не расставались)
- Filatova『肖像の中のソシオニクス』(1996年)
- Filatova『ソシオニクスの鏡の中の人格—瓜二つの謎を解く』(Личность в зеркале соционики — Разгадка тайны двойников、2001年)
- Yermak「システム的観点から見た人間心理の構造と機能」(Структура и функционирование психики человека с системной точки зрения、1996年)
- Yermak「人間心理と周囲世界との相互作用—情報流のアスペクト構造」(Взаимодействие психики человека с окружающим миром. Аспектная структура информационного потока、1997年)
- Yermak「ソシオニクスの幻想の崩壊? いや — タイプ判定論の崩壊! ドネプロペトロフスク実験の所感」(1999年)
- Yermak「ソシオニクスにおける矛盾?… 正常、これは科学だから!」(1999年)
- Yermak『人を理解することを学ぶには』(Как научиться понимать людей、2005年)
- Karpenko「第4機能について」(1999年)
- Karpenko「エキスパートの立場」(Позиция эксперта、1999年)
- Karpenko「情報流のアスペクトによるクアドラの順位づけについて」(2002年)
- Karpenko「レイニン特性:起源・存在・応用」(2002年)
- Karpenko「弟子、研修生、エキスパート—ソシオニクス・テスティングの熟達への階梯」(Ученик, стажер, эксперт、2007年)
- Karpenko「ブカロフ・アレクサンドル・ヴァレンチノヴィチ—科学伝記」(Букалов Александр Валентинович: научная биография、2022年)
- 『ソシオニクス、メンタロジーと人格心理学』掲載記事
- 『マネジメントと人材—経営心理学・ソシオニクス・社会学』掲載記事
- 『対人関係の心理学とソシオニクス』掲載記事
- 『言語と文化の起源』掲載記事
- 『心理学と教育学』掲載記事
- 機関誌『ソシオニクス、メンタロジーと人格心理学』(Соционика, ментология и психология личности)
- 機関誌『対人関係の心理学とソシオニクス』(Психология и соционика межличностных отношений)
- 機関誌『マネジメントと人材—経営心理学・ソシオニクス・社会学』(Менеджмент и кадры: психология управления, соционика и социология)
- 機関誌『心理学と教育学』(Психология и педагогика)
- 機関誌『言語と文化の起源』(Происхождение языка и культуры)
- Weisband『初期ハンドブック(アウシュラ資料準拠)』(Wikisocion再録)
- Meged/Ovcharov「タイプ記述」(Wikisocion再録)
- Prokofieva「タイプ記述」(Wikisocion再録)
- Piatnitskiy「タイプ記述」(Wikisocion再録)
- Golihov「タイプ記述」(Wikisocion再録)
- Beskova「タイプ記述」(Wikisocion再録)
- Blohin「タイプ記述」(Wikisocion再録)
- Voroschenko「タイプ記述」(Wikisocion再録)
- Zamanskaya「タイプ記述」(Wikisocion再録)
