第8 実演機能
意識しないまま安定稼働
他者の誤りにすぐ気づく
01実演機能とは
実演機能はモデルAの8つの機能の8番目です。創造機能と同じ要素の反対向きが入り、できて当然と思っていて、意識しないまま体が動く機能とされます。ILE(直観論理外向)なら創造機能がTi(内向論理)、実演機能はTe(外向論理)です。
主導機能と並ぶ強さを持ちながら、本人はそれを特別だと思っていません。議論するより先に手が動き、人の手落ちにすぐ気づくとされます。双対関係の相手の脆弱機能をここが黙って補うともされます。
次元性という見方では実演機能は4次元です。主導機能と同じく、時間の変化まで含めてどんな状況でも安定して扱えるとされます。
02研究者はどう書いたか
実演機能の呼び名は研究者ごとに違います。実証機能、背景機能、実演機能。指しているものは同じで、意識せずこなせる機能です。
アウシュラ(Aushra Augustinaviciute)は著作『機能の理論』でこの機能を「第6機能」と呼びます。アウシュラの番号は現行と違い、『機能の理論』の「第6機能」が現行の実演機能(8)です。
要約:第6機能は—最も活動的な機能であり、それによって日常の誠実な労働が遂行される。
「最も活動的な機能」「日常の誠実な労働が遂行される」。節の本文には、この機能の反応の仕方が書かれています。
他者の誤りに非常に敏感だが、言葉ではなく行為によって反応するので、それは助けのように見える。
「他者の誤りに非常に敏感だが、言葉ではなく行為によって反応する」。口で言わず、黙って自分でやってしまう機能です。
Stratiyevskayaは著書『お別れしないために』で、実演機能と脆弱機能の対応を次のように書きます。
第5アスペクトが第1のアスペクトを補完するのと同じように、第6アスペクトは同じ徴標で第2を補完し、第7は第3を補完し、第8は第4アスペクトを補完するだろう。
「第8は第4アスペクトを補完する」。実演機能には脆弱機能を補完する要素が入る、という対応です。
Filatovaは著書『ソシオニクスの鏡の中の人格』で、下の環の機能について次のように書きます。
下の環の残り三つの機能については、それらもまた安定的に活性化しうることが明らかになっており、その結果、私たちは同じタイプの実にさまざまなバリエーションを手にすることになる。
Filatovaは実演機能を個別には論じず、下の環の機能も安定して活性化しうると書いています。
Bukalovは8つの機能の呼び名を並べる中で、この機能を「デモンストレーション」と書きます。
最初から始めるなら、もちろん思い出すのは、人間 ― より正確にはその情報代謝タイプ ― には、第1機能 ― 4次元、第2 ― 3次元、第3 ― ロール、2次元、第4 ― 機能は1次元、あるいは「最も抵抗の少ない場所」とも比喩的に呼ばれる:つまり弱く非常に敏感な機能。第5機能 ― 暗示的、または示唆の機能、第6 ― 活性化、活性化の機能、第7 ― コントロールし、第8 ― デモンストレーションのもの。
原文を表示
Если мы начнем с самого начала, то мы конечно вспомним, что у человека, точнее его типа информационного метаболизма, есть 1-я функция — 4-мерная, у него есть 2-я — 3мерная, 3-я — ролевая, 2-мерная, 4-я — функция 1-мерная, или, как ее образно еще называют, «место наименьшего сопротивления»: то есть функция слабая и очень чувствительная. 5я функция — суггестивная, или внушения, 6-я — активационная, функция активации, 7-я — контролирующая и 8-я — демонстрационная.
呼び名は違いますが、強くて意識せずに使う機能という点はほかの研究者と同じです。
03ほかの機能との関係
実演機能に何が入るかが決まると、動員機能(6)、創造機能(2)、脆弱機能(4)の要素も決まります。偶数4つは創造機能の要素を裏返して作られる系列です。
動員機能(6)
実演機能と対になる要素。S⇄NもしくはT⇄F。実演機能がTeなら動員機能はFe。自分でもやってみたいが出来にムラが出る情報です。
創造機能(2)
同じ要素の反対向き(i⇄e)です。実演機能がTeなら創造機能はTi。意識して柔軟に使う側です。
脆弱機能(4)
要素も向きも反対。実演機能がTeなら脆弱機能はFi。いちばん扱いにくい情報で、双対関係の相手の脆弱機能を実演機能が黙って補います。
奇数の機能は別の系列です。主導機能が「何を見るか」なら創造機能は「どうやるか」で、規範機能(3)、暗示機能(5)、観察機能(7)は主導機能から同じ規則で決まります。導き方の全体はソシオニクスの覚え方で説明しています。
04情報要素と組み合わせると
実演機能に入る要素ごとに、意識せず当然のように扱える領域が変わります。該当するタイプは2つずつです。
05まとめ
実演機能はできて当然と思っていて、意識しないまま体が動く機能です。水準は高く、人の手落ちにもすぐ気づきます。
呼び名は研究者で違います。アウシュラは「最も活動的な機能」、Stratiyevskayaは「第4を補完する」、Filatovaは「下の環の機能」、Bukalovは「デモンストレーション」。どれも強くて意識せずに使う機能として書いています。
+索引(引用文献)
- [1]アウシュラ『機能の理論(フンクツィオニカ)』(原題:Теория функций. Функционика、刊年不詳) 「第6機能」の節(要約) 執筆年の明示がない著作(推定1980年代後半〜1990年代初頭)。サミズダートで流通したのち電子化されたもので、初出媒体は未確認 本文へ
- [2]アウシュラ『機能の理論(フンクツィオニカ)』(原題:Теория функций. Функционика、刊年不詳) 「第6機能」の節 執筆年の明示がない著作(推定1980年代後半〜1990年代初頭)。サミズダートで流通したのち電子化されたもので、初出媒体は未確認 本文へ
- [3]Stratiyevskaya『お別れしないために』(原題:Как сделать, чтобы мы не расставались、刊年不詳)第I部 理論編「超イド・レベル」 本文へ
- [4]Filatova『ソシオニクスの鏡の中の人格』(原題:Личность в зеркале соционики、2001年)第III部 第1部 本文へ
- [5]Bukalov「職業的成功とソシオニクス・タイプ」『ソシオニクス、メントロジー、パーソナリティ心理学』誌(2023年) 本文へ
