MBTI®との 違い
MBTIとソシオニクスでは、同じ「INFP」でも指しているタイプが異なります。
この違いは、関係を読み解くときの前提になります。
⚠関係の情報を読む前に
MBTIとソシオニクスは内向型においてJ/Pの表記が逆転します。 例えば、MBTIの「INFJ」とソシオニクスの「INFj」は別のタイプを指しています。
この違いを知らずに関係の情報を読むと、自分とは別のタイプの関係を見てしまうことになります。 このページで3つの体系の違いを確認してから、関係の情報に進むのがおすすめです。
01MBTI・16Personalities・ソシオニクス
「MBTI」「16Personalities」「ソシオニクス」。この3つは同じ4文字コード(INFPやENTJなど)を使っているので、つい同じものだと思ってしまいがちです。でも実は、同じなのは見た目のコードで、中身はそれぞれ別物です。MBTIとソシオニクスは、同じユングの類型論から別々に育ったぶん、タイプの表記も理論の組み立ても違います。まずはそれぞれが何なのかを整理してみましょう。
■MBTI(Myers-Briggs Type Indicator)
1940年代にアメリカのイザベル・ブリッグス・マイヤーズとキャサリン・ブリッグスがつくった性格類型論です。カール・グスタフ・ユングの心理学を基盤に、4つの指標(E/I・S/N・T/F・J/P)の組み合わせで16タイプに分類します。背景にはユングの心理機能の考え方があり、主機能・補助機能の並びも語られます。本来は、質問紙と有資格者によるフィードバックを組み合わせた検査で、「自分自身を深く知ること」がいちばんの目的です。
基盤: ユング心理学の認知機能(Ti・Te・Fi・Fe・Si・Se・Ni・Ne)
■16Personalities
ネットで「MBTI診断」と検索して出てくる無料テストは、就職活動や自己分析で広く使われています。ただ、あれはMBTIではありません。16Personalitiesは独自のサービスで、裏側の理論がまったく違います。MBTIがユングの認知機能をベースにしているのに対し、16Personalitiesはビッグファイブ(OCEAN)という心理学モデルをベースにしています。つまり、同じ「INFP」という結果が出ても、そこに至るプロセスが根本的に異なります。
基盤: ビッグファイブ(OCEAN)。認知機能は使用していない。-A(自己主張型)/-T(慎重型)はビッグファイブの「神経症傾向」に対応する独自軸で、MBTIとソシオニクスのどちらにも存在しない
■ソシオニクス
1970年代末から1980年代にかけて、リトアニアのアウシュラ・アウグスティナヴィチューテが体系化した理論です。MBTIと同じくユングの心理学をもとにしていますが、アメリカとリトアニアで別々に発展しました。MBTIが個人の類型記述を中心に発展したのに対し、ソシオニクスはタイプ間の関係を体系の内側に含みます。
モデルAという枠組みで8つの機能位置を定義し、タイプ間の情報のやりとりを16種類のタイプ間の関係として分類しています。ソシオニクスはタイプ間の関係を体系的に扱っているのが特徴です。
基盤: ユング心理学の認知機能 + モデルA(8つの機能位置)+ 16種類のタイプ間の関係
3つの体系を並べてみると、違いが一目でわかります。
| MBTI | 16P | ソシオニクス | |
|---|---|---|---|
| 理論基盤 | ユング類型論 | ビッグファイブ | ユング類型論 |
| 測定・記述の単位 | 4指標の組み合わせ | 5つの尺度 | 8情報要素×8位置 |
| 関係理論 | 公式にはなし | 公式にはなし | 16種類を体系化 |
| グループ分け | SP SJ NT NF | SP SJ NT NF | 4クアドラ |
※ MBTIとソシオニクスは共通のルーツ(ユング心理学)を持ちますが、16Personalitiesは理論基盤が異なります。
02MBTIとソシオニクスの共通点
違いばかり話してきましたが、MBTIとソシオニクスにはもちろん共通点もたくさんあります。どちらもユングの8つの認知機能がベースですし、16種類のタイプに分けるところも同じです。MBTIで自分のタイプをすでに知っている方なら、ソシオニクスの学びは「ゼロから」ではなく「対応表記」から始められます。MBTIの知識は、ソシオニクスを理解するための足がかりになります。
MBTIとソシオニクスは、アメリカとリトアニアで、同じユングの理論から別々に発展しました。だからこそ、両方を見比べると、ユングの原型がどこで分岐したのかをたどれます。
- ✓ユング心理学の認知機能を基盤としている
- ✓16種類の性格タイプを定義している
- ✓ユングの心理機能(Ti・Te・Fi・Fe・Si・Se・Ni・Ne)を理論の土台にしている
- ✓外向/内向、感覚/直観、思考/感情の軸を持つ
※ 16Personalitiesは認知機能を使用していないため、この共通点はMBTIとソシオニクスの間のみに該当します。
03関係論の落とし穴 — J/Pスイッチ
ここまでで、MBTIとソシオニクスが共通のルーツを持つことを確認しました。では、なぜ関係の情報はこんなに混乱しやすいのでしょうか。原因はシンプルです。MBTIとソシオニクスで、「J/P」が指しているものが違います。
MBTIのJ(Judging)/P(Perceiving)は、「外の世界にどう向き合うか」を表しています。Jタイプは判断する力(思考や感情)を外に向けて、Pタイプは知覚する力(感覚や直観)を外に向けます。一方、ソシオニクスのj/pは、「いちばん得意な機能(主導機能)が合理型か、非合理型か」をそのまま表しています。外向型だと、この2つの定義はぴったり一致します。でも内向型では話が変わります。内向型が外界に向けるのは補助機能で、主導機能は内側を向いています。MBTIのJ/Pは外界に向く機能の種類で決まるため、内向型では主導機能の種類とずれて、J/Pが逆転します。
例えばINFJで考えてみます。MBTIでは「J」タイプです。でもソシオニクスではIEI(INFp)、つまり「p」タイプになります。主導機能がNi(内向直観)で、これは非合理機能だからです。一方、MBTIでINFJが「J」なのは、外界に向ける補助機能Fe(外向感情)が判断機能だからです。つまり、MBTIのJ/Pは外界に向ける機能の種類(判断/知覚)を示し、ソシオニクスのj/pは主導機能そのものの種類を示しています。この違いを知らずに関係の情報を読むと、まったく別のタイプの関係を見てしまうことになります。
以下は、ユング由来の機能配列を両体系で同一と仮定した場合の表記対応です。くわしくは検証記事へ。
J → p に逆転。主導機能 Ni(非合理機能)の性質がそのまま小文字 p に反映される
下の対応表が、いちばん大事な表です。まずは外向型から。外向型ではMBTIとソシオニクスのJ/Pがそのまま一致するので、シンプルです。
| MBTI | ソシオニクス | |
|---|---|---|
| 4文字表記 | 3文字表記 | |
| ENTP | ENTp | ILE |
| ESFJ | ESFj | ESE |
| ESTP | ESTp | SLE |
| ENFJ | ENFj | EIE |
| ESFP | ESFp | SEE |
| ENTJ | ENTj | LIE |
| ENFP | ENFp | IEE |
| ESTJ | ESTj | LSE |
ここから内向型です。J/Pが逆転します。例えばMBTIの「INFP」は、ソシオニクスでは「EII(INFj)」。最後の文字が「P」から「j」に変わります。同じように、MBTIの「INFJ」はソシオニクスでは「IEI(INFp)」。「J」から「p」に逆転します。
| MBTI | ソシオニクス | |
|---|---|---|
| 4文字表記 | 3文字表記 | |
| INTP | INTj | LII |
| ISFJ | ISFp | SEI |
| ISTP | ISTj | LSI |
| INFJ | INFp | IEI |
| ISFP | ISFj | ESI |
| INTJ | INTp | ILI |
| INFP | INFj | EII |
| ISTJ | ISTp | SLI |
赤字 = 内向型のJ/P逆転箇所(MBTIとソシオニクスで逆になる)
この逆転を知らないまま関係の情報を読むと、大きな誤解につながります。例えば、MBTIの世界で「INFPとENFJは相性がいい」という情報を見つけたとしましょう。ソシオニクスの対応タイプに置き換えると、INFPはEII、ENFJはEIEです。この2人の関係は「双対」ではなく、まったく別のタイプ間の関係になります。つまり、MBTIの相性とソシオニクスの関係論では、分析の枠組み自体が違います。片方の結論をそのままもう片方に持ち込むことはできません。
ここまでで「なぜ」ズレるのかを見てきました。次は、ネットで情報を読むときに「いま自分はどちらの理論を見ているのか」を見分けるコツを押さえておきましょう。
04大文字・小文字で見分ける
ネットで「INFP 相性」と検索すると、MBTI系のサイトとソシオニクス系のサイトがごちゃ混ぜに出てきます。どちらも同じ4文字コード(INFP、ENFJなど)を使っているので、一見すると同じ話に見えます。でも実際には、違う理論の情報が混ざっていることがあります。まずは、いちばん簡単な見分け方から見ていきます。
手がかりは末尾の1文字です。例えばMBTIの「INFP」とソシオニクスの「INFp」は、見た目がほぼ同じでも別のタイプを指しています。ルールは次の1つだけです。
ソシオニクスの4文字表記はMBTIとよく似ていますが、最後のJ/Pが大文字か小文字かで見分けられます。
大文字 J / P → MBTI®
INTP、ISFJ
4文字目が大文字ならMBTI表記
小文字 j / p → ソシオニクス
INTj、ISFp
4文字目が小文字ならソシオニクス表記
ポイント: 小文字のj/pが見えたら、それはソシオニクスの表記です。 内向型ではJ/Pの意味がMBTIとは異なります。
4文字表記の見分け方を確認したところで、もうひとつ。ソシオニクスにはILEやSEIのような3文字コードもよく登場します。最初は暗号に見えますが、解読ルールはたったの3つです。
053文字表記の読み方
3文字コード(ILE、SEI、EIE、LSIなど)は、それぞれの文字が意味を持っていて、そこから主導機能と創造機能を導き出せます。
各文字の意味
※ 1・2文字目の「I」は直観、末尾の「I」は内向を表します。同様に「E」は1・2文字目では倫理、末尾では外向を意味します。
解読してみよう:ILE(直観論理外向 / MBTI®対応 ENTP)
結果: ILEの機能の並びは Ne-Ti(外向直観・内向論理)
もう一例:LSI(論理感覚内向 / MBTI®対応 ISTP)
結果: LSIの機能の並びは Ti-Se(内向論理・外向感覚)
これで、MBTI表記とソシオニクス表記の読み方が出そろいました。最後に、ここまでの知識を日々の情報収集でどう活かすか—混同を防ぐための実践的なポイントをまとめます。
06混同を避けるには
結局のところ、いちばん確実なのは4文字ラベルだけに頼らないことです。「INFP」や「INFj」といったラベルは、理論によって意味が変わってしまいます。一方、「Fi-Ne」という機能の並びは、どちらの理論でも同じです。だから、4文字表記がどちらの体系のものか迷う場面では、機能を直接確かめるのが確実です。「INFPですか?」と聞くより「主導機能はFiですか、Niですか?」と聞くほうが、表記の取り違えを避けられます。ただし、主導機能が同じタイプは2つずつあるので(例えばFi主導はESIとEII)、主導機能だけでタイプが1つに決まるわけではありません。
例えば、SNSで「INFPとENTJは最高の相性!」という投稿を見かけたとしましょう。そのとき、頭の中で次の3ステップを踏んでみてください。
まず、これはどの理論の話か。大文字のINFPなので、MBTI表記です。次に、ソシオニクスの対応タイプに置き換えるとどうなるか。INFPはEII(INFj)、ENTJはLIE(ENTj)に対応します。最後に、この2タイプのソシオニクス関係は何か。EIIとLIEは「準双対」関係で、最良とされる「双対」とは別の、しかし比較的良好とされる力学が働くとされます。
こうして一呼吸おくだけで、情報の混同を防げます。ラベルではなく、機能スタック(Ne-Ti-Fe-Si等)で確認する習慣をつけましょう。確認するのは3点だけです。1番目の機能は何か、2番目の機能は何か、そしてその組み合わせがどのタイプに該当するか。
まとめ
MBTIとソシオニクスは、同じ4文字コードを使っていても、指しているタイプが違う場合もあります。内向型では、J/Pの定義の違いから末尾の文字が逆転するためです。また、MBTIは個人の類型記述を中心に発展し、ソシオニクスはタイプ間の関係を体系の内側に含むという違いもあります。読むときは、どちらの理論の表記かをまず確かめます。迷ったら機能スタックで確認します。この2つで、関係の情報の取り違えを避けられます。
