グレンコの 機能の 符号+は 肯定的、 −は 否定的
グレンコは、+を機能の良い面をできるだけ大きく出す側、−を悪い面をできるだけ小さく抑える側とし、8つの情報要素それぞれに+と−の名前を付けた。
グレンコの機能の符号は、ソシオニクス研究者のグレンコが、同じ情報要素の現れ方を+と−の2つに分けた印です。8つの情報要素それぞれに、+と−の名前と短い説明が付いています。
グレンコの符号を理解するには、次の4つのポイントがあります。
01+と−が分けるもの
1つ目は、+と−が何を分けているかです。
グレンコは、符号の意味を同属の2タイプの違いで説明しています。
プラスの符号は、機能の肯定的な現れを最大にすることを表し、マイナスは否定的な現れを最小にすることを意味する。1つの機能の2つの面のこの違いは、すぐには見て取れない。それを示すために、同属の関係にあるタイプの組を順に見ていこう。こうした組では、1番目の(管理の)機能は、質はいつも同じだが、符号が違う。
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The plus sign denotes the maximization of the positive manifestation of the function, and the minus signifies the minimization of its negative manifestation. To illustrate this difference between the two sides of a single function, which is not immediately perceivable, let’s run through the kindred pairs of sociotypes. In such pairs, the first (command) function always coincides in quality, but differs in sign.
言い換えると、+はその機能の良い面をできるだけ大きく出し、−は悪い面をできるだけ小さく抑えるということです。上の引用にある同属は、1番の情報要素が同じ2タイプの関係のことです。
また、グレンコの符号は、本人が組んだ独自のモデルのモデルGの機能に付けられています。モデルGは機能の並べ方がモデルAと違いますが、1つのタイプの中で、情報要素ごとに+か−かが決まっている点は同じです。
028つの情報要素の+と−
2つ目は、8つの情報要素それぞれの+と−です。
グレンコは、どの情報要素にも+と−の名前を付け、その要素を1番に持つタイプを例に挙げています。ここでは、同じ要素の+と−を並べて見ます。
Si(内向感覚): 快適と不快
- +S(Si) ― 快適の感覚: 居心地よく身を落ち着けること、環境を自分に合わせて整えること、自分の縄張りを自立させること。職人はこうした感覚を持つ。
- −S(Si) ― 不快の感覚: 病気を治すこと、家の中の不快を取り除くこと、そして不快の中でも生き延びること。これは仲介者で、不快な両極端から離れて、ほどよい中ほどに身を置くことができる。
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+S — sensing of comfort: it means to be placed conveniently, to adjust the environment for oneself, to make your territory autonomous. The Craftsman has such a sensing. -S — sensing of discomfort: this means treating the disease or eliminating discomfort in the home, and also to survive during discomfort. This is a Mediator who can walk away from unpleasant extremes and occupy the golden mean.
上の引用にある職人はSLI(ISTJ)、仲介者はSEI(ISFJ)です。どちらもSi(内向感覚)を1番に持ちますが、SLIは自分の周りを快適に整える側、SEIは不快を取り除き、その中でも暮らしていける側とされています。
Se(外向感覚): 抵抗と従属
- +F(Se) ― 抵抗の感覚: 抵抗すること、従わないこと、力に耐えるために連合に加わること。強い者と親しくしてその庇護を受けること、自分の利益を侵そうとする動きには要求を突きつけて憤ること。権力の中心のあいだをうまく立ち回れる政治家のように。
- −F(Se) ― 従属の感覚: 弱いところを突くこと、相手を自分に依存させること、強い者と弱い者の序列を作ること。自分のチームを率いる元帥のように。
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+F — sensing of resistance: to resist, to not obey, to join the coalition to withstand the force; to be friends and enjoy the protection of the strong, to demand and be indignant at attempts to infringe upon their interests. Like a Politician who knows how to maneuver between the centers of power. -F — sensing of subordination: to press on the weak points, put in dependence, build a hierarchy of strength — weakness. Like the Marshall, leading his team.
政治家はSEE(ESFP)、元帥はSLE(ESTP)のグレンコの呼び名です。同じSe(外向感覚)でも、+は力に従わずに押し返す向き、−は相手を従わせて強さの順番を作る向きだと読めます。
Fe(外向倫理): 肯定的な感情と否定的な感情
- +E(Fe) ― 肯定的な感情の倫理: 喜ぶこと、熱意を見せること、上機嫌でいること、開けっぴろげで親しげに振る舞うこと。人をもてなし、人生を楽しむ熱狂者のように。
- −E(Fe) ― 否定的な(劇的な)感情の倫理: 憤ること、反抗すること、心配すること、あざけること、感情の場面を張りつめさせて熱くすること。指導者がそうするように。
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+E — ethics of positive emotions: rejoice, show enthusiasm, be in a good mood, behave openly and friendly. As an Enthusiast, showing hospitality and enjoying life. -E — ethics of negative (dramatic) emotions: to resent, to rebel, to worry, to ridicule, to tense and heat the emotional situation, as the Mentor does.
熱狂者はESE(ESFJ)、指導者はEIE(ENFJ)です。つまり、ESEは喜びで場を明るくし、EIEは憤りや心配で場の感情を高めるということです。
Fi(内向倫理): 赦しと非難
- +R(Fi) ― 赦しの倫理: 人を信じること、赦すこと、悲しむこと、慰めること、よく接すること。こうした倫理は人道家にある。
- −R(Fi) ― 非難の倫理: 距離を置くこと、信じないこと、悪を非難すること、腹を立てること。守護者のように。
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+R — ethics of forgiveness: trusting people, forgiving them, grieving, comforting, treating well. Such an ethics is in the Humanist. -R — ethics of condemnation: to keep a distance, not to trust, to condemn evil, to take offense. Like the Guardian.
人道家はEII(INFP)、守護者はESI(ISFP)のことです。人との関係の扱い方が、EIIでは信頼して赦す方向、ESIでは距離を保って悪を責める方向に分かれています。
Ni(内向直観): 未来と過去
- +T(Ni) ― 未来の直観: 未来について考えること、良い結末を信じること、希望を持つこと、夢を見ること、未来を過去へ移すこと。詩人はこうした直観を持つ。
- −T(Ni) ― 過去の直観: 過去について考えること、誤りを思い出すこと、恐れること、警告すること、外挿すること(過去を未来へ移すこと)。批評家のように。
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+T — intuition of the future: thinking about the future, believing in a good outcome, hoping, dreaming, transferring the future to the past. The Lyrist has such an intuition. -T — intuition of the past: to think about the past, remember mistakes, to fear, to warn, to extrapolate (transfer the past to the future) as a Critic.
詩人はIEI(INFJ)、批評家はILI(INTJ)です。時間の流れを見る点は同じでも、IEIは良い結末を信じて未来へ向かい、ILIは過去の誤りから先の危険を読むとされています。
Ne(外向直観): 展望と代替
- +I(Ne) ― 展望の直観: 新しいものを探すこと、見つけること、発明すること、危険を冒すこと、試すこと、独創的であること、才能を見せること。これは探求者に見られる。
- −I(Ne) ― 代替の直観: 違うものを探すこと、出口を見つけること、退屈を避けること、裏側へ目を向けること、隠れたものに気づくこと、逆向きに解釈すること。助言者がそうするように。
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+I — intuition of prospects: to seek new, discover, invent, take risks, try, be original, show abilities. This is seen in the Searcher. -I — intuition of alternatives: to search for different, to find an exit, to avoid boredom, to turn to the reverse side, to notice the concealed, to interpret vice versa as the Advisor does.
探求者はILE(ENTP)、助言者はIEE(ENFP)のグレンコの呼び名です。言い換えると、ILEはまだ無い新しいものを探し、IEEはいまあるものとは違う別の道や裏側を探すということです。
Te(外向論理): 投資と節約
- +P(Te) ― 投資の論理: 投資すること、利益を上げること、役に立つことより利益を上に置くこと、交換すること、値を上げること、製品をたえず新しくすること、需要にすばやく応えること。起業家はこう振る舞う。
- −P(Te) ― 節約の論理: 効率よく働くこと、倹約すること、資源を慎重に使うこと、勤勉に働くこと。管理者がそうである。
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+P — investment logic: to invest, to profit, to put profit above usefulness, to exchange, to raise the price, to constantly update the product, to respond quickly to demand. So behaves the Entrepreneur. -P — logic of economy: to work efficiently, to be economical, to use resources carefully, to work hard. So it happens with the Administrator.
起業家はLIE(ENTJ)、管理者はLSE(ESTJ)です。同じTe(外向論理)の仕事でも、LIEは増やすこと、LSEはむだなく使うことに向かうと読めます。
Ti(内向論理): 統一構造とフラクタル構造
- +L(Ti) ― 統一構造の論理: 練り上げた構造を法則や公式に固定すること、ほかの構造を誤りとみなすこと、ただ1つの正しい決定を正当化すること、自分の規則にかたくなに従うこと、図面や指示を細部まで理解すること。(中略)これは査察官の論理である。
- −L(Ti) ― フラクタル構造の論理: フラクタル性とは、断片に分かれることと、規模を変えても同じ形が現れることである。混沌の中にさえ秩序を見て、同じ対象を記述するのに図式をいくつも認める論理である。矛盾と逆説の論理であり、立体的で多形的な論理である。(中略)この論理は分析家に固有である。
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+L — logic of a united structure: to fix the worked-out structure in a law or formula, to consider other structures as incorrect, to justify the only correct decision, to stubbornly follow one’s rules, to understand in detail the drawings or instructions. Linear or flat logic. Logic of strict disjunction (or — or). This is the logic of informational socionics. This is the logic of the Inspector. -L — logic of fractal structure: fractality means fragmentation and scalability. It is a logic that sees order even in chaos and admits several schemes for describing the same object. It is the logic of contradictions and paradoxes, volumetric and polymorphic logic. Logic of non-strict disjunction (and — or). This is the logic of the energetical (synergetic) socionics. This logic is inherent in the Analyst.
査察官はLSI(ISTP)、分析家はLII(INTP)のことです。つまり、LSIは1つの正しい構造を決めて守り、LIIは同じものを複数の図式で説明できるということです。
このように、同じ情報要素でも、+と−で向かう先がはっきり分かれて書かれています。どちらの側も、その要素を1番に持つタイプの姿として描かれています。
03符号の周期的な変化
3つ目は、符号が人生の中で入れ替わることです。
グレンコは、1人のタイプの符号も、ずっと同じではないと書いています。
機能の符号は、出発点、つまり基本の状態を示している。それは遅かれ早かれ反対へ変わるが、いつまでもそうなるのではない。時がたてば、機能は必ず、もとのいつもの位置へ戻る。
このように、どの機能も、生きているあいだに符号を変える。これは、一面的であることの埋め合わせとして、両極のあいだを脈打つように行き来する動きとして起こり、それが心に動的な安定を与える。
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The sign of the function indicates to us the starting point or the base state, which sooner or later will change to the opposite, but not indefinitely. Over time, the function will inevitably return to its original habitual position. Thus, any function changes its sign over the course of its life. This happens as a compensation for its one-sidedness, as a pulsating movement between the poles, which gives the psyche dynamic stability.
言い換えると、符号はそのタイプの出発点を表していて、ときどき反対の側へ振れても、やがて元に戻るということです。グレンコは例として、過去ばかり考えていた人もいつかは未来へ目を向け、いつも喜んでいる人もいずれ気分が沈む、と挙げています。
0416タイプの符号の組み合わせ
4つ目は、16タイプの符号の組み合わせです。
グレンコは16タイプの解説で、各タイプの8つの機能すべてに符号を付けています。+が付く情報要素の組は、2通りしかありません。
- +がNe(外向直観)・Se(外向感覚)・Ti(内向論理)・Fi(内向倫理)に付くタイプ: ILE・SEI・EIE・LSI・SEE・ILI・LSE・EII
- +がNi(内向直観)・Si(内向感覚)・Te(外向論理)・Fe(外向倫理)に付くタイプ: ESE・LII・SLE・IEI・LIE・ESI・IEE・SLI
※グレンコ『64の肖像』16タイプ編の各タイプの機能の見出しから、+の付く情報要素を並べたものです。
上の8タイプと下の8タイプの分かれ方は、16のタイプを8つずつに分けるレイニン特性のうち、プロセス/結果と同じです。プロセスの側のタイプはNe(外向直観)・Se(外向感覚)・Ti(内向論理)・Fi(内向倫理)が+になっています。反対に、結果の側のタイプはNi(内向直観)・Si(内向感覚)・Te(外向論理)・Fe(外向倫理)が+です。
タイプごとの8つの機能の符号は、次のカードで確かめられます。カードには、比べるために、ソシオニクス研究者のイェルマークの符号も並べています。
ただし、同じ符号でも、ほかの研究者は+を付けるタイプが違います。研究者による違いは、総論で扱っています。
05引用索引
- [1]Gulenko『64の肖像』(原題:Psychological Types: Why Are People So Different? 64 Portraits in Socionics、2019年)理論編「モデルGの機能の記号」 本文へ
- [2]Gulenko『64の肖像』(原題:Psychological Types: Why Are People So Different? 64 Portraits in Socionics、2019年)理論編「モデルGの機能の記号」 本文へ
- [3]Gulenko『64の肖像』(原題:Psychological Types: Why Are People So Different? 64 Portraits in Socionics、2019年)理論編「モデルGの機能の記号」 本文へ
- [4]Gulenko『64の肖像』(原題:Psychological Types: Why Are People So Different? 64 Portraits in Socionics、2019年)理論編「モデルGの機能の記号」 本文へ
- [5]Gulenko『64の肖像』(原題:Psychological Types: Why Are People So Different? 64 Portraits in Socionics、2019年)理論編「モデルGの機能の記号」 本文へ
- [6]Gulenko『64の肖像』(原題:Psychological Types: Why Are People So Different? 64 Portraits in Socionics、2019年)理論編「モデルGの機能の記号」 本文へ
- [7]Gulenko『64の肖像』(原題:Psychological Types: Why Are People So Different? 64 Portraits in Socionics、2019年)理論編「モデルGの機能の記号」 本文へ
- [8]Gulenko『64の肖像』(原題:Psychological Types: Why Are People So Different? 64 Portraits in Socionics、2019年)理論編「モデルGの機能の記号」 本文へ
- [9]Gulenko『64の肖像』(原題:Psychological Types: Why Are People So Different? 64 Portraits in Socionics、2019年)理論編「モデルGの機能の記号」 本文へ
- [10]Gulenko『64の肖像』(原題:Psychological Types: Why Are People So Different? 64 Portraits in Socionics、2019年)理論編「機能の記号の周期的変化」 本文へ
