研究者ごとのアルファの記述
グレンコが 書いた アルファクアドラ
グレンコは、アルファクアドラを、否定的な感情を避け、新しい知識を始めて広める始まりの段階のクアドラとして書いています。知識は好奇心から生まれ、競わずに暮らしと知ることを大事にする、という像です。
01否定的な感情を避ける
グレンコは、アルファが問題を話し合うときに頼る価値を、こう書いています。
第一クアドラのソシオタイプは、発生した問題を議論するとき、共通の価値に依拠する。第一に、それはFe〔原文:Е〕—否定的感情の最小化である。口論とスキャンダル、そもそも感情的な不安定を許さないことのほうが、このクアドラにとっては重要になる(中略)その使命は、社会発展の新しい構想の創出と普及である。この役割は、短く「啓蒙」と呼ぶことができるだろう。
- アルファが議論のときに第一に頼る価値は、否定的な感情を小さくすること
- 口論や騒ぎ、そもそも感情の乱れを許さないことのほうが大事になる
- アルファが大事にするFe(外向倫理)を、グレンコは否定的感情の最小化と呼ぶ
- アルファの使命は、新しい構想を作って広めることで、「啓蒙」と呼ばれる
02始まりの段階の価値
アルファの価値がどの段階にあるかは、こう説明されています。
これらの価値は、いかなるコミュニケーション的体系の進化における第1段階、すなわち生命の早期に存在する。そこには最大の安らぎと認知的潜在力がある。社会におけるその使命は、根本的に新しい知識の発端と普及である。
- アルファの価値は、集団や社会が発達する最初の段階にある価値
- そこには、いちばんの安らぎと、知る力の伸びしろがある
- 社会での使命は、根本的に新しい知識を始めて広めること
03好奇心から来る知識
この始まりの段階の知識がどんな形をとるかを、グレンコはこう書いています。
αクアドラの科学者の知識は、最も純粋で良性の形態を取り、主に単純な好奇心に基づいている。それはβにおいて起こるような、狂信的支持者を自分の側に勧誘する教義や強力な学説に決して変わることはなく、γにおけるような物質的関心や直接的な金銭的利益(応用科学)を手段として生産に投入されることもない。
- アルファの科学者の知識は、単純な好奇心に基づく、最も純粋で良性の形をとる
- 人を引き込む教義にもならず、お金のための応用にも使われない
- アルファの科学者は、知ること自体を目的にしていると読める
04競わない周辺のクアドラ
アルファの人のあり方については、調和した個人のモデルという語で説明しています。
αの価値によって結ばれた人々は、調和した個人のモデルに近づいている。すなわち、自分自身と自分の子孫のために必要なすべてを提供するのに十分なほど勤勉だが、拡張に必要な余剰生産物を作り出すほど洗練されておらず競争的でない。
- アルファの人は、自分と子孫に必要なものは勤勉に用意する
- 生活に必要な量を超えて生産を増やすほどには、競争的ではない
また、アルファはデルタとともに、競争より協力を重んじる「周辺」のクアドラに入ります。これは、ベータとガンマの「中央」と対になる分け方です。
周辺クアドラはαとδである。周辺社会は、周辺(αとδ)クアドラの価値が支配する社会である。そのコミュニケーション的優先事項は、安らぎ、非暴力、世話(価値としての機能S〔Si〕)、好奇心、宗教を凌駕する科学、知識の崇拝(価値としての機能I〔Ne〕)である。
05ときどき力を送る
アルファの力の出し方は、次の段階へ渡るまでの流れの中で書かれています。
エネルギーと戦闘能力に基づくと、第1クアドラ(α)は第2クアドラよりはるかに劣るが、時にそれでも社会運動にエネルギーをもたらす。(中略)第1クアドラの始まりは静と休息に関連しているが、新たな始まりの発展に伴って、それから発するインパルスはますます強くなり、第2クアドラが点火するまで続く。
- アルファは、エネルギーと戦う力では、次のクアドラにはるかに及ばない
- それでも、ときどき社会の動きに力を送り込む
- 始まりは静かで休息に近く、育つにつれて送り出す力が強くなる
そして、グレンコは、アルファの役目が次の段階へ渡されるところを、こう書いています。
第一クアドラのバトンを、第二クアドラ—クアドラ「ベータ」—が受け取る。
- アルファの役目は、始まりの段階を受け持ち、次へ渡すところまで
- アルファが始めた流れは、2番目のクアドラのベータが受け取る
グレンコとは
ヴィクトル・グレンコは、キエフの人道主義ソシオニクス学派の創設者で、『64の肖像』の著者です。
- 心を、いくつものレベルからなる体系として考える
- 診断の方法から、集団、社会、教育まで扱う
- アルファの記述は、社会の発達の段階と、集団の雰囲気が中心
ほかの研究者が書いたアルファクアドラ
グレンコが書いたほかのクアドラ
引用索引
- [1]Gulenko「クアドラとその社会心理学的特徴」(原題:Квадры и их социально-психологические особенности)『ソシオニクス、メントロジー、パーソナリティ心理学』誌 №165(1995年) 本文へ
- [2]Gulenko『64の肖像』(2019)クアドラ論 本文へ
- [3]Gulenko『64の肖像』(2019)クアドラ論 本文へ
- [4]Gulenko『64の肖像』(2019)クアドラ論 本文へ
- [5]Gulenko『64の肖像』(2019)クアドラ論 本文へ
- [6]Gulenko『64の肖像』(2019)クアドラ論 本文へ
- [7]Gulenko「クアドラとその社会心理学的特徴」(原題:Квадры и их социально-психологические особенности)『ソシオニクス、メントロジー、パーソナリティ心理学』誌 №165(1995年) 本文へ
