研究者ごとのデルタの記述
ブカロフが 書いた デルタクアドラ
ブカロフは、デルタクアドラを、アルファの思想を形にし、その可能性が尽きるまで磨き上げる「楽観的実践家」として書いています。関心は利益の速さより品質と生活の水準に向かうとされ、デルタの構造は社会の安定点の1つになるだろうと見ています。
01楽観的実践家
クアドラδは楽観的実践家のクアドラである。(中略)クアドラδでは実用性とともに友好性、利他性、発明への志向などが支配的である。クアドラδはクアドラαの思想を受容するが、クアドラγの後継者として実践的に実現し、その思想を埋め込み、その隠れた可能性が完全に汲み尽くされるまで磨き上げる。
02発明家と合理化者のクアドラ
クアドラの交替を論じた別の論文では、デルタの役割を、理論と成果の扱い方から説明しています。
δクアドラは、理論を静的に発展させ(増分はわずか)、達成・物質化され定着した成果を動的に導入するクアドラであり、成果は改善・完成されるだけである(技術)。これは発明家と合理化者のクアドラである。現状が定着しているため、人間の精神生活に多くの注意が集中する。(中略)クアドラ特性は、現状に満足すること(同調主義)、決断性の欠如、内向性(人間の内面世界への集中による主観主義)である。
- デルタは、新しい理論を伸ばすより、定着した成果を改善し完成させる
- ブカロフは、デルタを発明家と合理化者のクアドラと呼ぶ
- 現状が定着しているぶん、人の内面の生活に注意が集まる
- 特性は、現状への満足、決断しにくさ、内面への集中
03財務から生産と品質へ
ブカロフは、タイプ間の関係を論じた論文で、デルタの関心がどこへ向かうかを、こう書いています。
第3クアドラにあったビジネス論理(■Te)は、第4クアドラでは白い感覚(○Si)と結合し、それゆえ関心は財務領域から生産領域へ移行し、最短時間で最大利益を達成する問題から、品質、技術プロセスの調整、生活全般の質と水準の向上の観点から、最高の要求を満たすという領域へ移行する。
原文を表示
деловая логика ( ), которая была в 3-й квадре, в 4-й квадре соединяется с белой сенсорикой ( ), а поэтому из сферы финансовой интересы перемещаются в сферу производства и от вопросов достижения максимальной прибыли за минимальное время переходят в область удовлетворения наиболее высоких запросов с точки зрения качества, отлаживания технологического процесса и повышения общего качества и уровня жизни.
04個人的成功より個人的実現
同じ論文で、デルタの社会が重んじるものにも触れています。
第3クアドラの社会または組織では、個人的成功が前面に押し出され(中略)第4クアドラの社会では、強調はもう個人的成功にではなく、個人的実現とそのための好ましい条件の創出に置かれる。
- デルタの社会は、個人の成功より、個人の実現を重んじる
- 重点は、一人ひとりが自分を実現できる条件を整えること
上の引用にある第4クアドラはデルタ、第3クアドラはガンマのことです。
05サービスの仕事
デルタに向く経済の分野については、次の一節があります。
総じて、経済活動—サービス、サービス業—は第4クアドラの領域である。そこに第4クアドラの代表者が多いのは偶然ではない。
原文を表示
В целом, хозяйственная деятельность — обслуживание, сервис — это сфера 4-й квадры. Не случайно там много представителей 4-й квадры,〔中略〕а если в этой сфере работают Администратор ( , ЛСЭ) или Мастер ( , СЛИ), то проблем не будет. 2-я же квадра хороша, когда нужно управлять большим коллективом, а в мелочах она нередко разводит излишнюю бюрократию.
- デルタは、経済活動やサービスの仕事を自分の領域とする
- その分野にデルタの人が多いのは、偶然ではないとされる
- 03の品質と生活の水準に向かう関心が、仕事の分野として書かれていると読める
06安定点としてのデルタ
ブカロフは、社会の歴史の流れをモデル化した論文で、デルタの構造をこう書いています。
おそらく安定的なものは2つ、第2クアドラと第4クアドラに対応するものだろう。(中略)しかし安定点に、第4クアドラの構造に到達するためにどれだけの時間を要するかは—明らかではない。楽観の根拠となるのは、われわれが必要な方向に動いている、ということである。
原文を表示
Я много раз говорил, начиная с 2001 года, что произойдет переход системы управления из в состояние.〔中略〕Вероятно, что стабильных — два, соответствующих 2-й и 4-й квадрам.〔中略〕Но сколько ей понадобится времени, чтобы прийти в точку стабильности, к структурам 4-й квадры — непонятно. Поводом для оптимизма служит то, что движемся в нужную сторону.
- デルタの構造は、社会がたどり着く安定点の1つになるだろうと見ている
- そこへ着くまでの時間は分からない
- それでも、社会は必要な方向に動いていると楽観している
上の引用にある第4クアドラはデルタ、第2クアドラはベータのことで、「安定的なもの」は社会のしくみがとる状態のことです。
ブカロフとは
アレクサンドル・ブカロフは、国際ソシオニクス研究所の所長で、ソシオニクスをほかの科学分野との結びつきの中で考えた研究者です。
- 1人の心に使った情報のモデルを、集団、社会、文明へ広げる
- そのため、デルタの記述も、社会の歴史の段階や、組織と経済の中の役割として書かれている
ほかの研究者が書いたデルタクアドラ
ブカロフが書いたほかのクアドラ
引用索引
- [1]Bukalov「情報代謝機能の形成メカニズムについて—個体誕生過程における機能形成」(原題:О механизме формирования функций информационного метаболизма в процессе рождения индивидуума)『ソシオニクス、メントロジー、パーソナリティ心理学』誌 №168、pp. 19–34(1996年) 出典リンク 本文へ
- [2]Bukalov「4つの進化段階とクアドラ交替の法則について」『ソシオニクス、メントロジー、パーソナリティ心理学』誌 №165(1995年) 本文へ
- [3]Bukalov「インタタイプ関係の記述」(原題:Описания интертипных отношений)『ソシオニクス、メントロジー、パーソナリティ心理学』誌(2012年) 出典リンク 本文へ
- [4]Bukalov「インタータイプ関係の記述」(原題:Описания интертипных отношений)『ソシオニクス、メントロジー、パーソナリティ心理学』誌 №126、pp. 19–30(2012年) 出典リンク 本文へ
- [5]Bukalov「インタタイプ関係の記述」『ソシオニクス、メントロジー、パーソナリティ心理学』誌(2012年) 本文へ
- [6]Bukalov「社会歴史過程のモデル化」『ソシオニクス、メントロジー、パーソナリティ心理学』誌(2012年) 本文へ
