研究者ごとのNiの記述
グレンコが 書いた Ni(内向直観)
グレンコは、Ni(内向直観)を、忍耐強く慎重な行動として表れる「時間直観」として書いています。その内側には、運命に従い、時間の流れに身を任せる体験があるとされています。
01時間直観の定義
グレンコは、Niを「時間直観」と呼び、こう定義しています。
時間直観(Temporal Intuition, T) ― 内向直観(△時間直観)。忍耐強く慎重な行動として観察される心理の機能。
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Temporal Intuition (T) — introverted intuition; function of the psyche observed in patient and cautious behavior.
- グレンコは、Niを、頭の中の働きではなく、外から見える行動の特徴で定義している
- 定義の中心は、急がず、慎重に動くこと
上の引用にあるTは、グレンコが時間直観に使う記号です。
02時間直観が受け取る情報
グレンコは、時間直観の中身を、こう書いています。
直観は全体的なイメージや空想的画像を通じた世界の抽象的知覚である。(中略)時間の直観(△〔Ni〕時間直観 T) ― 変動性、不一致、神秘的空想 ― である。
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Intuition is abstract perception of the world through holistic images and fantasy pictures. In the School of Humanitarian Socionics, there are two types of general intuitive function: the opportunity intuition (I) — guesses, discoveries, abilities — and the temporal intuition (T) — variability, inconsistency, mystical fantasies.〔中略〕extraverted intuition; function of the psyche reflected in high-risk and non-standard behavior.
- Niが扱うのは、変わっていくこと、食い違うこと、神秘的な空想
- Niも直観として、全体のイメージや空想の像を通して世界をとらえる
続けてグレンコは、時間直観の状態で頭を占める情報と、その出どころを書いています。
エントロピーの法則 ― より組織化された生命活動の形態からよりカオス的で単純化されたものへの安定した移行 ― がT思考の根底にある。誕生、成熟、死、そして他の形態への新たな誕生 ― これがこの状態の人間の脳を占める種類の情報である。(中略)状態Tにおいて情報は外側から ― 宇宙(コスモス)から ― やってくる。
- Niの考えの元には、秩序から混沌へ移る流れと、誕生から死への移り変わりがある
- Niの状態では、情報は外側の「宇宙から」来るとグレンコは書いている
- Niは、自分では動かせない大きな時間の流れを受け取る要素と読める
03未来の直観と過去の直観
時間直観には、未来に向く側と過去に向く側があるとされています。
+T ― 未来の直観: 未来について考えること、良い結末を信じること、希望を持つこと、夢を見ること、未来を過去へ移すこと。詩人はこうした直観を持つ。(中略)−T ― 過去の直観: 過去について考えること、誤りを思い出すこと、恐れること、警告すること、外挿すること(過去を未来へ移すこと)。批評家のように。
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T — intuition of the future: thinking about the future, believing in a+ good outcome, hoping, dreaming, transferring the future to the past. The .Lyrist has such an intuition〔中略〕T — intuition of the past: to think about the past, remember— mistakes, to fear, to warn, to extrapolate (transfer the past to the future) as .a Critic
04状態Tの体験
この時間直観の状態が、本人にはどう体験されるかも書かれています。
心理的には、T状態は犠牲化(sacrifice)として体験される。(中略)時間直観状態における体験のもう1つの色合いは、運命に従属していること、自由意志の欠如、より高い力の意のままの生である。(中略)T状態の最も重要な兆候の1つは、自分の身体の感覚の喪失である。T状態において、人はいかなる痛みも肉体的快楽も感じない。
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In psychological terms, the T-state is experienced as victimization (sacrifice).〔中略〕Another shade of experience in the temporal intuition state is being subject to fate, the lack of free will, life at the behest of the higher forces.〔中略〕One of the most important signs of the T-state is the loss of sensation of one’s body. In the T-state, a person does not feel any pain or carnal pleasures.
- 時間直観の状態は、自分の意志を手放して時間の流れに身を任せる状態
- その状態では身体の感覚が薄れ、痛みも快楽も感じない
- 定義の「忍耐強く慎重な行動」の内側には、運命に従うという受け身の体験がある
05ILIのNi
グレンコは、Niを1番の主導機能に持つILIを「批評家」と呼び、こう書いています。
批評家〔ILI〕は生命の流れの注意深い観察者である。細部と辛うじて現れる傾向を微妙に注記し、どの原因が特定の結果に至ったかを説明できる。過去に没頭し、繰り返される現象を研究する。(中略)出来事より少し先んじているほうがよいという立場から出発し、常に安全な選択肢を選ぶ。
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The Critic is an attentive observer of the course of life. She subtly notes details and barely emerging trends and can explain what causes led to certain consequences. Immersed in the past, she studies repeating phenomena.〔中略〕She comes from the position that it is better to be slightly ahead of events, and she always chooses a safe option.
- 主導のNiを持つILIは、生命の流れを注意深く観察する人
- わずかな傾向に気づき、どの原因がどの結果に至ったかを説明できる
- 03の「過去の直観」は、ILIでは過去の繰り返しから先を読み、安全な道を選ぶ姿になる
06EIEのNi
EIEは時間における状況の発展をよく理解する。警鐘を鳴らす状況を予期し、それに事前に備え、代替案について熟考する。彼は人々に脅かす危険について警告する。彼は絶えずためらい変動する—重要な決定を下すのは彼にとって容易ではないが、いったん決定が下されると、考えを変えず、引き返さない。時間と共に、彼の世界観は真逆に変わり得る。
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EIE well understands the development of a situation in time. He anticipates alarming situations, prepares for them in advance, and thinks over the alternatives. He warns people about dangers that threaten them. He is constantly hesitant and fluctuating; it is not easy for him to make an important decision, but once the decision is made, he will not change his mind and will not turn back. Over time, his worldview can change to the diametrically opposite.
- 創造機能のNiを持つEIEは、状況が時間の中でどう進むかをよく分かっている
- 危険を予期して備え、人々に警告する
- EIEのNiは、流れを読んで、人々への警告と備えに使う形で書かれている
グレンコとは
ヴィクトル・グレンコは、キエフの人道主義ソシオニクス学派の創設者と紹介されている心理学者です。
- 心をいくつものレベルからなる体系として考えた
- そのため、Niも、行動・向き・心の状態に分けて書かれている
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引用索引
- [1]Gulenko『64の肖像』(原題:64 портрета, или Калейдоскоп в новом свете、2019)理論編 底本は英語版。引用本文はその当サイト訳。原文トグルは英語版本文 本文へ
- [2]Gulenko『64の肖像』(原題:64 портрета, или Калейдоскоп в новом свете、2019)理論編 底本は英語版。引用本文はその当サイト訳。原文トグルは英語版本文 本文へ
- [3]Gulenko『64の肖像』(原題:64 портрета, или Калейдоскоп в новом свете、2019)理論編 本文へ
- [4]Gulenko『64の肖像』(原題:64 портрета, или Калейдоскоп в новом свете、2019)理論編 底本は英語版。引用本文はその当サイト訳。原文トグルは英語版本文 本文へ
- [5]Gulenko『64の肖像』(原題:64 портрета, или Калейдоскоп в новом свете、2019)理論編 底本は英語版。引用本文はその当サイト訳。原文トグルは英語版本文 本文へ
- [6]Gulenko『64の肖像』(原題:64 портрета, или Калейдоскоп в новом свете、2019) 16タイプ編 ILI 底本は英語版。引用本文はその当サイト訳。原文トグルは英語版本文 本文へ
- [7]Gulenko『64の肖像』(2019) 16タイプ編・モデルG「実演」 底本は英語版 本文へ


