研究者ごとのNiの記述
アウシュラが 書いた Ni(内向直観)
アウシュラは、Ni(内向直観)を、連続する出来事どうしの関係、つまり時間の知覚として書いています。この知覚は、急ぎや予感のような感情として意識され、先を読む力と過去から学ぶ力を決めるとされています。
01時間とは何か
アウシュラは、Niが扱う時間を、こう定義しています。
時間とは、互いに連続する出来事間の関係である。この知覚のアスペクトは、出来事や人々の行為の連鎖性についての情報、その因果的相互連関性についての(中略)情報を与える。
- Niが受け取る時間は、時計の目盛りではない
- 中身は、出来事がどう続き、どう原因と結果でつながっているか
上の引用にあるアスペクトは、ここでは情報要素とほぼ同じ意味です。
続けてアウシュラは、この知覚が人の何を左右するかを書いています。
この知覚のアスペクトによって、未来を予測し計画する能力あるいは無能力、起こりうる不快を避ける能力あるいは無能力、誤った行為を避け過去の経験に学ぶ能力あるいは無能力が規定される。
- 先を予測して計画する力が、Niの知覚で決まる
- 過去の経験から学ぶ力も、同じNiの知覚に入る
- アウシュラのNiは、未来を予測する力と過去に学ぶ力を1つの要素にまとめている
02感情として意識される時間
アウシュラは、同じ定義の節で、Niの情報が意識にのぼる形を、こう書いています。
直接的な情報、すなわち第一信号系を介して得られる情報を、外部から個体は、未来、過去、現在に対する感情として意識化する。たとえば、急ぎの感覚、あるいは平穏や情熱、タイミングの良さ あるいは時期尚早の感覚、生のリズムの適切さあるいは不適切さの感覚、将来の危険あるいは安全の感覚、期待の感覚、遅れるのではないかという恐れ、予感の感覚、現在に対する不安等々
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Непосредственную информацию извне, то есть информацию, получаемую посредством первой сиг- нальной системы, индивид осознает как чувства к будущему, прошлому и настоящему. Например, чувство спешки, спокойствия или горячности, чув- ство своевременности или преждевременности, чув- ство надлежащего или ненадлежащего ритма жиз- ни, чувство будущей опасности или безопасности, чувство ожидания, страх опоздать, чувство предви- дения будущего, тревога о предстоящем и т. п.〔中略〕В любой из моментов своей жизни человек имеет ка- кое-то чувство времени. Он не может жить вне вре- мени или к нему никак не относиться. Потому со- ставной частью его духовного состояния в любой〔中略〕момент жизни и является какое-то конкретное чув- ство времени.
- Niの情報は、未来・過去・現在への感情として意識される
- 例は、急ぎ、時期尚早、危険の予感、遅れる恐れなど
03主導機能のNi
Niが1番の主導機能に入ったときの力は、クトゥーゾフの例で書かれています。
この知覚のアスペクトが主導的であるとき、人間は戦略的能力によって際立つ。活動の発現にとって最も適切な瞬間を選ぶ技能、すなわち必要なときには闘いを挑み、退くほうが適切なときには身を引く技能。たとえばクトゥーゾフが生涯を通じて行動したように。
- 主導のNiは、動くのに最も適した瞬間を選ぶ技能として表れる
- 必要なときには闘いを挑み、退くほうがよいときには身を引く
- 中心にあるのは、待つことだけでなく、動く時と動かない時の見極め
上の引用にある戦略的能力は、この瞬間を選ぶ技能のことです。
04IEIのNiが扱う時間
アウシュラは、Niを主導機能に持つIEI(INFJ)にとっての時間を、『ソシオニクス:心理タイプ・テスト』のIEIの章で、こう書いています。
研究の対象—時間。しかし時間一般というものはない。これはつねに過程の流れである。直観倫理内向にとって、過去と未来—それは移ろう気分の鎖と、きわめて繊細な精神的体験の蜘蛛の巣であり、彼は時間の情動的な精神に生きる。
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Предмет изучения. Предмет изучения — время. Но нет времени вообще. Это всегда поток процес- сов. Для ИНТУИТИВНО-ЭТИЧЕСКОГО ИНТ- РОТИМА прошлое и будущее — цепи изменчивых настроений и тончайшая паутина духовных пере- живаний, он живет эмоциональным духом времени.
- IEIのNiにとって、時間は抽象的な量ではなく、気分がつながっていく流れ
- 時間は「過程の流れ」と言い直されている
- 01の定義と同じく、Niの時間は止まった点ではなく、続いていくもの
上の引用にある直観倫理内向は、IEIのことです。
05ILIの悲観に見えるNi
直観内向は悲観的な哲学談義に傾きがちである。しばしば人間嫌いと呼ばれる。(中略)違う。彼はただ、何かを見落としはしないかとたえず恐れているかのように生きているだけである。
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Интуитивный интроверт склонен к пессимисти- ческому философствованию. Его нередко называют мизантропом. Порой создается впечатление, что он видит вообще только черное и что он сам — злое и нехорошее существо. Нет. Он лишь живет, все время будто бы опасаясь, что может что-нибудь проглядеть.〔中略〕Лишь уви- дев хорошее настроение, интровертная интуиция начинает напоминать о том, что нечего радоваться, что это доступно любому глупцу и что еще неиз- вестно, что из этого получится — настроение пор- тится, пыл угасает. Зато он непревзойденный уте- шитель, когда другим не везет, когда все валится из рук, когда судьба кажется враждебной.
- アウシュラは「人間嫌い」という呼び名を挙げ、すぐに「違う」と打ち消している
- 悲観に見えるものの中身は、何かを見落とすことへの恐れ
- ILIのNiは出来事の行き先にいつも目が向くため、その警戒が外からは悲観に見えると読める
06ILEの観察機能のNi
他者の時間のリズム感覚への特別な共感において。これはまず第一に、他者を引き留めない、他者から時間を奪わない、あらゆる方法で時間を節約しようとする本能的な志向である。(中略)ILE〔原文: ドン・キホーテ〕は周囲の人々の時間のリズムの感覚に跪くが、彼らはそのことを頼んでいないし頼みもしない。
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В особой эмпатии к чув- ству времени других людей. Это, во-первых, ин- стинктивное стремление не задерживать других людей, не отнимать у них время, всячески способ- ствовать его экономии.〔中略〕Можно сказать, что Дон Кихот поклоняется чувству времени окружающих людей, хотя они его об этом и не просят.
- 観察機能のNiは、他者の時間を奪わないように気を配る形で表れる
- 相手が頼んでいないのに、周りの人の時間のリズムを尊重する
- 主導のNiが時間の流れそのものに向くのに対し、観察機能のNiは他者の時間への配慮と読める
アウシュラとは
アウシュラ・アウグスティナヴィチューテは、リトアニアのヴィリニュスに住んでいた研究者で、ソシオニクスの基礎をつくった人です。
- 理論を観察から切り離さず、観察した人間関係から法則を組み立てた
- Niの記述は、要素の定義と、タイプごとの人物像の2つの形で書かれている
ほかの研究者が書いたNi(内向直観)
アウシュラが書いたほかの情報要素
引用索引
- [1]アウシュラ『ソシオニクス入門』(原題:Соционика: Введение、1998)第4章 1982年執筆「ソシオン、またはソシオニクスの基礎」の再録部からの引用 本文へ
- [2]アウシュラ『ソシオニクス入門』(原題:Соционика: Введение、1998)第4章 1982年執筆「ソシオン、またはソシオニクスの基礎」の再録部からの引用 本文へ
- [3]アウシュラ『ソシオニクス入門』(原題:Соционика: Введение、1998) 「関係の知覚の四つのアスペクト」の節 本文へ
- [4]アウシュラ『ソシオニクス入門』(原題:Соционика: Введение、1998)第4章 1982年執筆「ソシオン、またはソシオニクスの基礎」の再録部からの引用 本文へ
- [5]アウシュラ『ソシオニクス 心理タイプ・テスト』(原題:Соционика: Психотипы. Тесты、1998) IEI章 本文へ
- [6]アウシュラ『ソシオニクス入門』(原題:Соционика: Введение、1998) 原文には誤字が残る可能性がある 本文へ
- [7]アウシュラ『ソシオニクス入門』(原題:Соционика: Введение、1998) ILE章 本文へ


