ENFPある ある |話が 飛ぶ人の 頭の 中で 起きている こと

ENFPは話が飛ぶ、人を褒めすぎる、と言われることがあります。どれもよく見かける言い方ですが、同じ場面が本人の側からどう見えているかは、あまり語られません。この記事では、そのうち4つを挙げて、なぜそう見えるのかをタイプの仕組みから説明します。4つ全部が当てはまる人はいませんし、当てはまらないからENFPではない、という話でもありません。
話しているうちに、話題が3つ先へ移っている
打ち合わせで一つの案について話していたはずが、気づくと別の分野の話になっています。ENFPの側では、前の話題と今の話題は一本の線でつながっています。ただ、途中にある2つか3つを声に出さずに飛ばしているため、聞いている側には別の話が始まったように見えます。会話の終わりに、結局どれにするのかを誰かが戻すことになります。
ENFPに対応するタイプは、Ne(外向直観)を主導機能に持つとされます。主導機能は、最も自然に使う情報の入り口です。一つの物事を見たときに、そこから伸びる別の可能性がいくつも同時に見えています。話題が移ったというより、最初から複数の枝が並んで見えているため、どれを先に話すかという順番だけが外から見えにくくなります。
本人の内側では、話は脱線していません。今の話とさっきの話をつなぐ線が見えていて、その線の説明を省いているだけです。省かれた部分は本人にとって自明なので、抜けたという感覚もありません。周りからは、決めたかったことが決まらないまま終わったように見える場合があります。最後に一度、結論だけを口に出して確かめると、この差は小さくなります。
人を励ましたあとで、あれでよかったのかと考え直す

ENFPは、相手の良いところをその場で本人に伝えます。まだ本人が言葉にしていない向き不向きまで、先に口に出すこともあります。ところが、その日の帰り道や家に戻ってから、さっきの言葉は本当にあの人のためだったかと考え直しています。言ったこと自体を悔やんでいるのではなく、なぜそう言ったのかという動機のほうを確かめています。
ENFPに対応するタイプは、Fi(内向倫理)を創造機能に持つとされます。創造機能は、主導機能で受け取ったものを外へ出すときの道具です。見えている可能性のうち、どれを本人に伝えるかは、その人にとって良いことかという基準で選ばれます。伝えたあとで確かめているのは、この基準に照らして選び直す作業です。言わずに残した可能性のほうが、口に出した数より多い場面もあります。
この確認は、外からはほとんど見えません。周りには、思ったことをそのまま口に出す人として映っています。実際には、場に合うかどうかではなく、その人に合うかどうかで言葉が選ばれています。距離が近い相手ほど、言う前の選別に時間がかかります。褒め言葉が軽く聞こえるとしたら、選んだ過程が声に出ていないためです。
定義があいまいだと指摘されると、そこで止まる

議論の途中で、その言葉の定義は何かと問われる場面があります。ENFPは直前まで滑らかに話していたのに、そこで急に言葉が出なくなります。言いたいことははっきりしているのに、順番に並べ直すところで手間取ります。黙ったあと、最初とは違う、弱い言い方に変わることもあります。
ENFPに対応するタイプは、Ti(内向論理)を脆弱機能に持つとされます。脆弱機能は最も苦手な位置で、求められると処理が止まります。矛盾なく、体系立てて説明するという要求が、この位置の負担そのものです。内容が正しいかどうかとは別に、並べ方を指定されたところで止まります。責める調子がなくても、問い方が厳密になるだけで同じことが起きます。
本人の内側では、確信は残ったままです。ただ、その確信を筋道の形に組み直す作業に、ふだんの何倍も時間がかかります。周りからは、根拠のないまま話していたように見えます。一度持ち帰って書いてもらうと、口頭では出てこなかった説明が出てくることがあります。文章にすると順番を何度でも入れ替えられるためです。
予定を入れたあとで、移動の時間が残っていないと気づく
面白そうな誘いを、その場で受けます。数日後に予定表を見ると、同じ日の離れた場所に、続けて2つ入っています。移動にかかる時間や、間に食事をとる時間は、決めた時点では計算に入っていません。当日になって、どちらかを短くするか、遅れて着くかを選ぶことになります。
ENFPに対応するタイプは、Si(内向感覚)を暗示機能に持つとされます。暗示機能は、自分では十分に扱えないけれど、人からもらうと安心する情報の位置です。体の疲れ具合や、その日にどれだけ動けるかという見積もりは、判断の材料に入りにくくなります。誘いの面白さのほうが、先に目に入っています。予定表の空欄も、空いている時間ではなく、入れられる枠として見えています。
そのぶん、間に余白を入れてくれる人がそばにいると、予定の立て方が変わります。ENFPの側に、無理を押し通そうという気持ちはありません。入る余地があるかどうかを、その場で測れていないだけです。一緒に予定表を見て、入れない日を先に決めてもらうだけでも、当日の慌ただしさは減ります。断る判断そのものを人に任せているわけではなく、測る材料をもらっている状態です。
あるあるの中で、タイプの仕組みからは言えないこと

ENFPについて、飽きっぽいから仕事が続かない、という言い方を見かけます。この記事で挙げた4つは、どれも情報の受け取り方の話です。何が先に目に入るか、どの方向へ興味が伸びるかは説明できますが、続けられるかどうかは説明できません。同じように興味が広がる人の中に、一つの仕事を長く続けている人もいます。続いているかどうかは、置かれた環境や本人が決めた優先順位で変わります。
タイプが決めるとされるのは情報の受け取り方の違いであって、能力や人格の優劣ではありません。脆弱機能も、能力が低いという意味ではなく、求められたときに処理が止まりやすい位置を指す言葉です。同じ理由で、主導機能が優れているという意味にもなりません。この区別を外すと、あるあるは人を値踏みするための道具になります。そこから先は、タイプの仕組みの外の話です。
ソシオニクスで見ると
ENFPは、ソシオニクスではIEEに対応します(内向タイプは末尾の文字の読み方が違うため、対応表はMBTI®との違いで確かめてください)。IEEの主導機能はNe(外向直観)、創造機能はFi(内向倫理)です。 この記事で挙げた傾向の多くは、この2つの位置から説明されます。逆にTi(内向論理)は脆弱機能で、 ここを求められる場面が負担になりやすいとされます。
よくある質問
4つのうち1つしか当てはまりません。ENFPではないのですか?
あるあるは、同じタイプの人に共通して起きる出来事の一覧ではありません。場面や年齢、置かれた環境によって、表に出る形は変わります。4つのうちどれが出やすいかも人によって違うため、当てはまった数でタイプを決めることはできません。
話が飛ぶのは直したほうがいいですか?
直すというより、省いた途中の枝を1つだけ言葉にすると、聞いている側の負担が減ります。話の終わりに、結論を一度だけ短く言い直す方法もあります。主導機能の働きそのものを止める必要はありません。
褒めたのに社交辞令だと受け取られるのは、なぜですか?
伝える側は一つ一つ選んでいますが、選んでいる過程が外からは見えません。どこを見てそう思ったのかを一緒に言うと、受け取られ方が変わります。場面を添えるだけでも、同じ言葉が具体的に聞こえます。
まとめ
ENFPのあるあるとして語られる場面は、情報の入り口が複数の可能性に開いていることから説明できます。話題が先へ移るのも、人の良いところをその場で言うのも、同じ入り口から出ています。定義を問われて止まることと、予定に余白が残らないことは、苦手な位置と、人からもらうと助かる位置の話です。どれも、能力の高さや人格の良し悪しを決めるものではありません。
