研究者ごとの観察機能の記述
レイニンが 書いた 観察機能
レイニンは、観察機能を、本人が見ないまま意識から閉め出し、ときに思いがけない対立を生む領域として書いています。何が閉め出されるかはタイプごとに違い、関係の中ではすれ違いの元になる、という像です。
01見ないで閉め出す領域
レイニンは、観察機能を「無視の領域」と呼び、第1講でこう定義しています。
無視の領域。ここで個人は不確実性を示す。この現実の部分を人は認識せず、無視する。したがって、その人の心理空間は限られている。この領域の要素が人の生活に明らかになる場合、それらは客観的な悪として知覚される。各類型は現実の特定の部分を無視し、それを意識から閉め出す。通常、それを見ない。
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The area of ignoring. Here an individual demonstrates uncertainty. This part of reality a person does not recognize, he ignores it; therefore his psychological space is limited. If elements of this area become apparent in person’s life they are perceived as objective evil. Each type ignores a certain part of reality, it bars it from consciousness. Usually it does not see it.
- 観察機能の領域では、その部分の現実を認識せず、意識から閉め出す
- この領域では、人ははっきりしない態度を見せる
- その領域のことが生活に出てくると、客観的な悪と受け取る
- どのタイプも、現実の決まった一部を閉め出している
02予期せぬ対立が生まれる場所
レイニンは、タイプの節の中で、観察機能の領域が人間関係にどう出るかをまとめています。
無視の領域とは、「予期せぬ」対立が生じる場所である。この心理的領域の特異性ゆえに、人物はこれまで耐えてきた身近な誰かから突如として不利な反応に直面することがある(中略)その人物は無害な些細なことで爆発するのである。
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The zone of ignoring is a place where the 'unexpected' conflicts arise. Due to the peculiarity of this psychological sphere the person may face sudden adverse reaction from someone close who has been putting up with things,〔中略〕the person explodes over an innocent minor thing.
- 観察機能の領域は、「予期せぬ」対立が生まれる場所
- これまで我慢してきた身近な人から、突然、不利な反応が返る
- 害のない小さなことをきっかけに、爆発が起きる
- 本人には見えない領域なので、相手の我慢も、反応が返るまで見えないと読める
03ILEの観察機能と内省
ILE〔原文: ドン・キホーテ〕は自分自身の中に深く潜り込み、魂の内的メカニズムを探求するのが難しいと感じる。「『内的状況を分析する』ってどういう意味だ?」(中略)ILE〔原文: ドン・キホーテ〕に自分の内側を見るよう求められると、彼はそういう考え方をしないので途方に暮れる。
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A Don Quixote finds it hard to plunge deep into him/herself and search the inner mechanisms of the soul. "What do you mean, 'analyze the internal situation'?"〔中略〕When a Don Quixote is asked to look inside of him/herself, he is lost because he/she does not think this way.
- ILEの観察機能の領域にあるのは、自分の内面を深く探ること
- ILEは、そもそもそういう考え方をしない
- 内省を求められると、何を求められているのか分からず戸惑う
04LSIの観察機能と社会の決まり
時には、ビザ、交通規則、刑法、その他の社会的現実といった現実世界の概念が、無視領域に入ってしまうこともある。これは「予期せぬ」問題、ひいては服役さえも引き起こすかもしれない。社会は、あなたが定められた法律をどのように独自に解釈しているかとか、あなたの情報代謝のタイプとかは、考慮してくれない。
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Sometimes real-world notions like visas, traffic rules, criminal code and other social realities may fall in the zone of ignoring. This may cause 'unexpected' problems, even imprisonment. The society does not care take into consideration neither your unique interpretation of the established law nor your type of information metabolism.
- LSIの観察機能の領域には、ビザや交通規則や刑法などが入ることがある
- そこから「予期せぬ」問題が起き、服役に至る可能性もある
- 社会は、本人の決まりの解釈もタイプも考慮しない
05SLEの観察機能と健康
健康は無視の領域にある。SLE〔原文: ジューコフ〕は健康問題に「農夫的態度」をとる—「俺は畑の畝で倒れて死ぬまで耕し続けるんだ」。彼が病気になると(熱狂的な活動の中で全力を使い果たした結果)、他者に世話を任せる。
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health is in the area of ignoring. A Zhukov has a "farmer's attitude" in health issues: "I shall plough until I drop dead in my furrow." When he does get sick having spent all his strength in feverish activity) he allows others to take care of them.
- SLEの観察機能の領域にあるのは、健康
- SLEは体の調子を気にかけず、倒れるまで働く
- 病気になると、世話を人に任せる
- 3節〜5節の例に共通するのは、本人が自分から見に行かず、放っておくと問題になること
06幻想関係での相互無視
レイニンは、観察機能の領域を、幻想関係の説明にも使っています。
これらの関係において、一方のタイプの第一機能が他方のマイナス第一機能に対応する。「私はしばしばあなたに気づかず、あなたも私に気づかない。」これは相互無視である。
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In these relationships the first function of one type corresponds to the minus-first function of the other: “I often do not notice you, and you do not notice me”. This is mutual ignoring.
07超自我関係でのすれ違い
レイニンは、超自我関係の記述で、相手の望みを無視してしまう側の台詞を書いています。
「私が望むものはあなたの否定的価値である。あなたは絶えず私の願望を無視している。」「でもあなたが何を欲しているか見えないのに、どうして無視せずにいられる?!」
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"Things that I desire are your negative values. You are constantly ignoring my desires." – "But how can I not ignore them if I do not see what you want?!"
- 観察機能の要素は、超自我関係の相手では暗示機能に入る
- 台詞の「見えない」は、観察機能の側から相手の望みが見えていないことと読める
- 欲しがる側からは、無視されているように見える
- 見えていない側は、無視するしかない
引用の「否定的価値」は、望みを言われた側が認識せず、現れると「悪」と受け取る観察機能の領域です。望みを言った側はその要素を暗示機能に持ち、人から補ってほしいと望みます。
レイニンとは
グリゴリー・レイニンは、数学者で、心理学の分野の哲学博士と紹介される研究者です。1983年ごろにアウシュラの著作を読み、ヴィリニュスで本人から学び始めました。
- 16タイプを数学的な組み合わせとして扱い、観察による確認と組み合わせる
- タイプが教えるのは、よくある反応やお決まりの行動パターンまでだと書いている
- そのため、観察機能の記述も、定義に加えて、関係の中でくり返し起きるすれ違いの型として書かれている
ほかの研究者が書いた観察機能
レイニンが書いたほかの機能
引用索引
- [1]Reinin『ソシオニクス: 類型論・小集団』(2010)第1講 底本は英語版 本文へ
- [2]Reinin『ソシオニクス: 類型論・小集団』(2010)第2講「16タイプ」ESI節 底本は英語版 本文へ
- [3]Reinin『ソシオニクス: 類型論・小集団』(2010)第2講「16タイプ」ILE節 底本は英語版 本文へ
- [4]Reinin『ソシオニクス: 類型論・小集団』(2010)第2講「16タイプ」LSI節 底本は英語版 本文へ
- [5]Reinin『ソシオニクス: 類型論・小集団』(2010)第2講「16タイプ」SLE節 底本は英語版 本文へ
- [6]Reinin『ソシオニクス: 類型論・小集団』(2010) 16関係編「幻想関係」 底本は英語版 本文へ
- [7]Reinin『ソシオニクス: 類型論・小集団』(2010) 16関係編「超自我関係」 底本は英語版 本文へ
