研究者ごとの動員機能の記述
レイニンが 書いた 動員機能
レイニンは、動員機能を、人が自分自身を「良い」か「悪い」かで評価し、そこから力を受け取る機能として書いています。本人にとって大事な領域なので冗談が通じず、その守り方には「プラス」と「マイナス」の2つがある、という像です。
01自分を評価する機能
これは人が自分自身を評価する機能である。心理学には参照集団—人生における重要な人々(まず両親、その後—他の尊敬される人々)で、彼を「あなたは良い」または「あなたは悪い」と評価する集団—の概念がある。こうして彼は社会からエネルギーを受け取る。
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This is the function by which a person estimates him/herself. Psychology has a concept of a reference group - a group of significant people in one's life (first of all parents, then – other respected people) who evaluate him: “you are good” or “you are bad”. Thus he receives energy from the society.
- 動員機能は、人が自分自身を評価する機能
- その物差しは、まず両親、のちに尊敬する人たちから受け取る
- 人から受けた評価が、そのまま本人の力のもとになる
上の引用にある参照集団は、自分を評価してくれる大事な人たちのことです。
02エネルギーの源と、諸刃の武器
レイニンは、動員機能での評価が人の力になることを、続けてこう書いています。
人々はこの機能における肯定的なフィードバックを確保するために、無意識的に行動を組織する。肯定的な自己評価は、人にとって膨大なエネルギー源である。(中略)第3機能は、自分自身に対する良い、あるいは悪い態度の理由を提供する。(中略)一言で、それは諸刃の社会的武器である。
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People subconsciously organize their behavior in order to secure positive feedback on this function. Positive self-appraisal is an enormous energy source for a person. When an individual perceives himself as “good”, he or she gets enough enthusiasm, inspiration, and energy for further performance. Function number three provides reasons for good or bad attitude to oneself;〔中略〕In short, it is a double-edged social weapon.
- 人は、動員機能で良い評価を得られるように、知らないうちに行動を組み立てる
- 自分を良いと思えることは、大きなエネルギーの源
- 同じ機能が、自分を悪く思う理由にもなる
- 「諸刃の社会的武器」は、良い評価なら力に、悪い評価なら負担になるという両面のこと
03冗談が通じない「問題ゾーン」
動員機能の領域は、レイニンの呼び方では「問題ゾーン」でもあります。
この領域は「問題ゾーン」とラベル付けできる。それは人にとって大きな重要性を持ち、したがって問題なのである。ここで人々はユーモアを理解せず、これらの問題について冗談を言う準備が単純にできていない。(中略)人々は可能な限り状況を簡略化し明晰化しようとする傾向がある。リスクを取る場所はない。
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This area can be labeled 'the zone of problems'. It is of great significance to a person and therefore it is a problem. Here people do not understand humor, they are simply not ready to joke about these issues.〔中略〕People tend to simplify and clarify to the maximum a situation when possible. There is no place for taking risks. Usually situation is made clear through simplification: better “in a minus” but clear.
- 動員機能の領域は、本人にとって大事だからこそ、そのまま「問題」になる
- この話題では、冗談が通じない
- 本人は、状況をできるだけ単純に、はっきりさせようとする
- 動員機能の領域では、危ない賭けはしない
04プラスとマイナスの守り方
動員機能の領域の守り方を、レイニンは2種類に分けて書いています。
人々は常に第3機能を保護する。それぞれの人は固有の戦略を持つ。保護的装置には2種類ある:「プラスにおいて」と「マイナスにおいて」。例えば、健康に関する質問に答えて、誰かはこう言いうる:「私は完全に健康だ」、あるいは反対に:「私はとても具合が悪く、まだ歩けるのが驚きだ」。
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People constantly protect their third function; each person has his own strategy. There are two kinds of protective devices: "in plus” and “in minus”. Thus, answering a question regarding one's health someone can say: “I am absolutely healthy” or, on the contrary: “I am so unwell, it is a surprise I can still walk”.
- 人は、動員機能の領域をいつも守ろうとする
- プラスでは、「完全に健康だ」と良い状態を言い切る
- マイナスでは、「歩けるのが驚きだ」と悪い状態を言い切る
- 03とあわせると、悪くても状況がはっきりすれば不安を減らせると読める
05成功すると自慢することがある
動員機能の領域でうまくいったときの動き方も、レイニンは書いています。
人が第3機能の領域で成功する場合、彼または彼女は自慢し、近しい者の承認を求めるかもしれない。なぜなら、成功は良い自尊心の理由だからである。(中略)「人々は本当に私を称賛し、私を必要としている」(ILE〔原文: ドン・キホーテ〕とSLE〔原文: ジューコフ〕)。
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If a person is successful in the sphere of the third function he or she may flaunt and seek for approval of close ones, because success is a reason for good self-esteem. […] “People really admire me, they need me” (Don Quixote and Zhukov).
06SEIの動員機能のTi
講義中にある記事や本を読んだかとSEI〔原文: デュマ〕が質問されると、彼は即座に第三機能のところで攻撃を受けたと感じる、彼は無能力や無理解を非難されているのだと思う。
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When during a lecture a Dumas is asked whether he has read a certain article or book, he instantly feels under attack according to the third function, he thinks he is being accused of incompetence or misunderstanding. He gets defensive: a Dumas, the master of manipulation in the area of relationships, quickly responds: “Sure I have read it, but it does not make any sense”, or: “Yes, I have read it, but it has nothing to do with the subject we are discussing right now.” – even though he/she has never heard of it.
- SEIの動員機能のTiは、本を読んだかと聞かれただけで攻撃されたと感じる形で出る
- SEIは、その質問を、能力や理解の不足を責められていると受け取る
- 本を読んだかどうかは、Tiが扱う知識と理解の話
- そのため、ただの質問でも、Tiへの評価として受け取られると読める
レイニンとは
グリゴリー・レイニンは、数学者で、心理学の分野の哲学博士と紹介されている研究者です。
- 16タイプを数学的な組み合わせとして扱い、二分法と小集団の構造を導いた。数学による導出と、観察による確認を組み合わせる
- そのため、動員機能の記述も、第1〜第4と第-1〜第-4という独自の番号で整理したうえで、16タイプの節で具体的な場面として書かれている
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引用索引
- [1]Reinin『ソシオニクス: 類型論・小集団』(2010)第1講 底本は英語版 本文へ
- [2]Reinin『ソシオニクス: 類型論・小集団』(2010)第1講 底本は英語版 本文へ
- [3]Reinin『ソシオニクス: 類型論・小集団』(2010)第1講 底本は英語版 本文へ
- [4]Reinin『ソシオニクス: 類型論・小集団』(2010)第1講 底本は英語版 本文へ
- [5]Reinin『ソシオニクス: 類型論・小集団』(原題:Socionics: Typology. Small Groups.、2010) 参照は2010年英語版(露語版の初出年は確認中) 本文へ
- [6]Reinin『ソシオニクス: 類型論・小集団』(2010)第2講「16タイプ」SEI節 底本は英語版 本文へ
