研究者ごとのESIの記述
アウシュラが 書いた ESI(ISFP)
アウシュラは、ESI(ISFP)を、人と人のあいだの感情を見分け、その感情で人を判定するタイプとして書いています。感情は言葉より視線と声の調子で伝え、自分の可能性の評価は揺れやすく、仕事の値打ちは自分では測れない、という像です。
01人どうしの感情を見分ける
アウシュラは、ESIが人と人のあいだに何を感じ取るかを、こう書いています。
個人は、人々の間の倫理的諸関係を明瞭に感じ取る。誰がどのような感情を経験しており、彼が誰に対していかなる感情 — 愛、憎しみ、共感、軽蔑等々 — を呼び起こしているかを、過誤なく知っている。(中略)誰に、どの程度影響しているか、なぜ影響しているかを評価する。
02人を判定する基準と、許さないこと
ESIが人をどう判定するかについて、アウシュラはこう説明しています。
人間の関係が周りの人々と良好で、しかも持続的に、肯定的諸感情を呼び起こしているならば、影響力をもっているならば、これは — 真の人間であり、意志的人格である。否定的諸感情を呼び起こす者は — 哀れな失敗者か悪人だと思われる。
- ESIにとっての「真の人間」は、周りに良い感情を長く呼び起こす人
- 悪い感情を呼び起こす人は、失敗者か悪人として見る
この判定から、ESIが悪を大目に見ない理由を、アウシュラは譲歩性の項目でこう書いています。
譲歩性. ESI〔原文: クライド〕は、悪人を生むのは原則のなさからの譲歩性であることを、疑いはしない。(中略)無意志な人々にもまた、彼らが無意志だと言ってやる必要がある、と彼は言う — 悪への寛容はすでに犯罪である。
- ESIは、原則のない譲歩こそが悪人を生むと考える
- 意志の弱い人にも、弱いと言ってやる必要があるとする
- 悪を大目に見ること自体が、罪になるという立場
03視線と声の調子で距離を決める
アウシュラは、ESIが人との距離を言葉の外の手段で決めることを、こう書いています。
自分の感情を多分に表に出さず、人物を自分のところへ近づけるのは、言葉ではなく、視線とイントネーションによる。(中略)視線は感情を伝える — 賛嘆、愛、献身、軽蔑、憎しみ。要となれば、視線は短刀へと変わる。
- ESIは、自分の感情をあまり表に出さない
- 人を近づけるのは、言葉ではなく視線と声の調子
- 視線は愛から憎しみまでを伝え、必要なときは「短刀」にもなる
04論理タイプと社会をつなぐ役
ESIが社会の中で担う役を、アウシュラはこう位置づけています。
ESI〔原文: クライド〕 — 最も近しい周囲の倫理的・美的諸感情の、巧みな鑑定家にして操作者である。彼のこれらの諸性質ゆえに、また周囲が彼の倫理=美的評価を尊重するゆえに、彼は社会にとって機能的に必要な者となる。彼はあたかも倫理者として、IMの論理タイプと社会との間の連結環、ないし媒介者の役を果たす。
- ESIは、身近な人たちの倫理的・美的な感情をよく見分ける
- その評価が周りに尊重されることで、社会に必要な人になる
- 論理タイプと社会のあいだをつなぐ役を果たす
上の引用にあるIMは、情報代謝のことです。
05自分の可能性への迷い
一方、自分の能力の扱い方について、アウシュラはESIをこう書いています。
ESI〔原文: クライド〕は、自身の能力の発露において、極めて慎重である。あらゆる能力に対し非常に批判的であり、披露し誇示するのを愛さず、控え目を欠く者と呼ばれることを恐れる。自身の潜在的諸可能性についての自分の意見は、確信なく、不安定である。
06仕事の値打ちと、明日のこと
アウシュラは、ESIが自分の仕事の値打ちをどう受け止めるかを、こう書いています。
自分の労働と、それが何に至るかを、価値づけることが、彼にはまったくできない。彼を愛するのは、この点で彼を助け、いつも何もかも間に合うと褒めてくれる者である。(中略)彼が双対を驚かせるのは、彼の働きぶり、忍耐、巧みさだ。
- ESIは、自分の仕事の値打ちと、それが何につながるかを測れない
- ESIを愛するのは、仕事の評価を助け、「何もかも間に合う」と褒めてくれる人
- ESIの働きぶりや忍耐、巧みさは、双対を驚かせるほど
明日への向き方については、アウシュラは別の著書でこう書いています。
倫理感覚的内向型は明日のことを考えず、今日だけを生き、期待を好まない。(中略)このタイプは頑固で妥協を知らず、だから論理直観的外向型—今日ではなく、かつてあったこととこれから起こることに生きる、今日の出来事に注意を向けない人物—と見事に友情を結ぶ。
- ESIは、明日のことを考えず、今日だけを生きる
- 先への期待を好まず、頑固で妥協しない
- そのため、これまでとこれからに目を向ける相手と、よく友情を結ぶ
上の引用にある倫理感覚的内向型はESI、論理直観的外向型は双対関係になるLIE(ENTJ)のことです。
アウシュラとは
アウシュラ・アウグスティナヴィチューテは、リトアニアのヴィリニュスに住んでいた研究者です。本人は自分を、職業としては教育者、関心としては社会学者だと説明しています。
- 観察した人間関係を構造として書き出し、関係の法則を組み立てる
- そのため、ESIの記述も、人の判定や、感情の伝え方が中心
ほかの研究者が書いたESI(ISFP)
アウシュラが書いたほかのタイプ
引用索引
- [1]アウシュラ『ソシオニクス:心理タイプ・テスト』(原題:Соционика: Психотипы. Тесты、1998) 本文へ
- [2]アウシュラ『ソシオニクス:心理タイプ・テスト』(原題:Соционика: Психотипы. Тесты、1998) 本文へ
- [3]アウシュラ『ソシオニクス:心理タイプ・テスト』(原題:Соционика: Психотипы. Тесты、1998) 本文へ
- [4]アウシュラ『ソシオニクス:心理タイプ・テスト』(原題:Соционика: Психотипы. Тесты、1998) 本文へ
- [5]アウシュラ『ソシオニクス:心理タイプ・テスト』(原題:Соционика: Психотипы. Тесты、1998) 本文へ
- [6]アウシュラ『ソシオニクス:心理タイプ・テスト』(原題:Соционика: Психотипы. Тесты、1998) 本文へ
- [7]アウシュラ『ソシオニクス:心理タイプ・テスト』(原題:Соционика: Психотипы. Тесты、1998) 本文へ
- [8]アウシュラ『ソシオニクス入門』(原題:Соционика: Введение、1998) 本文へ
※ MBTI表記は、機能の並びの解釈にもとづく便宜的な対応です。詳しくはMBTIとの違い、MBTIとソシオニクスのタイプはどう対応するのかをご確認ください。


