ELFV(ルソー)の 詳細解説
1E・2L・3F・4V|第3セクスタ

ELFVは、第1機能に感情、第2機能に論理、第3機能に物質、第4機能に意志の側面がくるタイプです。原典の象徴名はルソーで、体の触れ合いには敏感で、進む方向はそばにいる人に預けるタイプとされています。
- マゾヒズムの手がかり: 原典は、マゾヒズムが生まれる機能の順序を、ルソーの『告白』から見つけたと書いています。そのため、マゾヒズムは「ルソー主義」と呼び直すべきだとしています。
- 3Fの二面性: 男女の体の触れ合いに熱狂的な態度を見せる一方で、それを偽善的に拒んでみせるとされています。
- 4Vの低い自己評価: 原典は、マゾヒズムを、4Vの低く幼い自己評価の表れの1つとしています。そこに3Fの過剰な性欲が加わる場合も、加わらない場合もあるとされています。
- 下の段にいる安らぎ: 4Vは世界を上と下の2段に分け、自分を下に置くほうが居心地よく感じるとされています。
- 変わりやすい姿: そばにいる人が押しつけた価値観の中で生きるため、心の姿が安定しないとされています。ルソーは、工房の親方や義母のもとで、性格まで変わりました。
ELFVを理解するには、次の4つのポイントがあります。
第一章ELFVの4つの位置
ELFVでは、上の段に感情と論理、下の段に物質と意志が入ります。結果型の第1機能と第4機能が感情と意志、プロセス型の第2機能と第3機能が論理と物質です。
原典は、ルソーの章で、主に下の段の3Fと4Vを取り上げています。マゾヒズムがどの機能の順序から生まれるかという問いが、章の中心にあるためです。
1E「ロマンチスト」
1Eは、感情が第1機能にある位置です。喜びや悲しみを、起きた出来事に比べて大きすぎるほどに感じて表すとされています。
また、1Eの感情は、人と分かち合うより、本人が1人で味わうものとされています。泣くか笑うかの両極のあいだを、ほとんど間を置かずに行き来するのも1Eの特徴です。
2L「修辞家」
2Lは、人と話しながら考えを進める位置です。どんな考えも疑って考えをめぐらせる材料にし、自分の主張さえ、その場の仮説として扱うとされています。
そのため、2Lは難しい考えを、深さを落とさずに誰にでも分かる形で話せます。原典は、ルソーを、この2Lによって思慮深い人物と見ています。
3F「潔癖家」
3Fは、体への刺激に敏感で、自分の体や見た目を強く気にかける位置です。原典は、ELFVの3Fを、マゾヒズムの構成要素の1つとしてこう書いています。
マゾヒズムの基本的な構成要素の一つが第3物質の過剰性欲である、ということに疑いはない。そのことは、他の物質にとってはごく平凡でありふれた現象である男女の身体的接触に対する、胸を震わせるような、熱狂的な態度に、はっきりと示されている。もう一つの手がかりは、「潔癖家」に典型的な、親密な生活の側面に対する態度の二重性であり、そこでは、装われた偽善的な拒絶が、隠された貪欲な性欲と結びついている。
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В том, что одним из базовых компонентов мазохизма является гиперсексуальность 3-й Физики — сомнений нет. На это со всей очевидностью указывает трепетное, восторженное отношение к физическому контакту между полами — явлению для других Физик достаточно банальному и обыденному. Еще одна подсказка — типичная для “недотроги” раздвоенность отношения к интимной стороне жизни, где напускное ханжеское неприятие сочетается со скрытой жадной сексуальностью.
言い換えると、3Fは体の触れ合いに強く惹かれながら、それを表向きには拒んでみせるということです。ほかの順位の物質にとってありふれたことが、3Fには胸を震わせる出来事になるとされています。
このように、3Fの過敏さは、体への関心の大きさと、それを隠す態度の両方に表れます。原典は、ルソーを知る女性が彼を「プラトニックで慎みのない崇拝者」と評した言葉も挙げています。
4V「農奴」
4Vは、自分で決めるより、人に導かれるほうを楽に感じる位置です。原典は、ルソーの姿をつかみにくい理由を、この4Vに見ています。
「ルソー」の像を捉えるうえでの特別な困難は、その心理的な姿の不安定さにある。すべての「農奴」と同様に、彼は意図せざるプロテウスであり、たまたま近くにいた人間が容易に押しつけた世界、その価値の体系の中で生きる。したがって、明日も昨日と同じ姿でいる保証はまったくない。誠実なカメレオン性は、ルソー自身によって、自分の本性にもともと備わった性質として自覚されており、内的な抗議や、自己審判のようなものさえ引き起こさなかった。どうしようもない、そういうふうに生まれついたのだ…
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Особая трудность запечатления образа “Руссо” заключается в нестойкости его психического облика. Как всякий “крепостной”, он невольный Протей, живущий в том мире и в той системе ценностей, какие с легкостью навязал ему оказавшийся поблизости человек. Поэтому нет никакой уверенности, что завтра он будет таким же, как вчера. Способность к искреннему хамелеонству сознавалась самим Руссо как некое изначальное свойство его натуры и даже не вызывала внутреннего протеста или чего-либо похожего на самосуд. Что делать — таким уж уродился…
上の引用にあるプロテウスは、姿を次々に変えるギリシア神話の神です。つまり、4Vは、そばにいる人の価値観に合わせて、自分の姿まで変えてしまうということです。
ですが、ルソー本人はそれを恥じることもなく、生まれつきの性質として受け入れていたとされています。自分を下の段に置く4Vにとっては、人に合わせるほうが自然だからと読めます。
第二章原典が描く「ルソー」
ジャン=ジャック・ルソーは、18世紀の思想家で、『告白』で自分の生涯を率直に書きました。原典は、マゾヒズムを生む機能の順序を長く探していたところ、ルソーの『告白』がその答えを示したと書いています。そのため、マゾヒズムは「ルソー主義」と呼び直すべきだともしています。
罰が愛を強めた
原典は、マゾヒズムの目覚めを示すものとして、『告白』の少年時代の一節を、こう引いています。
ランベルシエ嬢は私たちを母のように愛し、母としての権威も行使し、私たちが罰に値するときには、子供にふつうの罰を与えることまでした。かなり長いあいだ、彼女は脅すだけにとどめており、私にはまったく新しい罰の脅しがひどく恐ろしく思えた。しかし、それが実行されたあと、私は罰そのものが、それを待つことほど恐ろしくないことを知った。そして何よりも奇妙なことに、この罰は、私に罰を与えた人を、私にいっそう愛させたのである。
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мадемуазель Ламберсье любила нас, как мать, она пользовалась и материнской властью, простирая ее до того, что подвергала нас порой, когда мы этого заслуживали, наказанию, обычному для детей. Довольно долго она ограничивалась лишь угрозой, и эта угроза наказанием, для меня совершенно новым, казалась мне очень страшной, но после того, как она была приведена в исполнение, я нашел, что само наказание не так ужасно, как ожидание его, и вот что самое странное: это наказание заставило меня еще больше полюбить ту, которая подвергла меня ему.
上の引用にあるランベルシエ嬢は、少年時代のルソーが預けられた家の女性です。つまり、ルソーにとって罰は、恐ろしいものではなく、罰を与えた人をいっそう愛させるものだったということです。
女性の足もとで
また、大人になってからの恋も、ルソーは『告白』でこう書いています。
生涯ずっと、私はもっとも愛した女性たちの前で、恋い焦がれながら、黙っていた…高慢な恋人の足もとにいること、その命令に従うこと、許しを乞う口実を持つこと—そのすべてが私にこのうえなく甘い喜びを与えた。私の生き生きとした想像が血を燃え立たせるほど、私は情熱にとらわれた恋人に似ていった。このような求愛の仕方が、さして速やかな成功には導かず、その対象となる女性たちの貞節にとってもあまり危険でないのは、言うまでもない。
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Всю жизнь я вожделел и безмолвствовал перед женщинами, которых больше всего любил…Быть у ног надменной возлюбленной, повиноваться ее приказаниям, иметь повод просить у нее прощения — все это доставляло мне очень нежные радости; и чем больше мое живое воображение воспламеняло мне кровь, тем больше я походил на охваченного страстью любовника. Понятно, что этот способ ухаживания не ведет к особо быстрым успехам и не слишком опасен для добродетели тех, кто является их предметом”.
言い換えると、ルソーは愛する女性の前で黙り、相手の命令に従うことに喜びを感じたということです。原典は、ルソーが鞭打ちから得た喜びも、自分の居場所である下の段にいると確かめられる、4Vの喜びとして説明しています。
工房での変身
さらに、ルソーは、寄宿学校から職人の工房に移ったときの変化を、こう書いています。
ルソーは、啓蒙された洗練された施設を自称する寄宿学校から、いきなり職人の工房に入ったことを語り、自分に起きた変身について次のように述べた。「私の親方のデュコマンは粗野で乱暴な若者であり、ごく短い間に、私の楽しい子供時代を暗くし、私の優しく活発な性格を荒々しくし、私の立場がすでに引き下げられていたように、知的な面でも私を本物の徒弟の水準にまで引き下げることに成功した。(中略)どうやら、きわめて恵まれた教育を受けたにもかかわらず、私には道徳的堕落への強い傾向があったらしく、それはごく速やかに、少しの困難もなく進んだ…」
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Рассказывая, как из пансиона, претендующего на статус учреждения просвещенного и утонченного, он сразу попал в мастерскую ремесленника, Руссо поведал о произошедшей с ним метаморфозе следующее:” Мой хозяин Дюкоммен был молодой человек, грубый и резкий; и ему в очень короткий срок удалось омрачить мое радостное детство, огрубить мой ласковый, живой характер и низвести меня в умственном отношении, как я уже был низведен и в самом своем положении, до уровня настоящего подмастерья. Латинский язык, античный мир, история — все было забыто надолго; я даже не вспоминал о том. что на свете существовали римляне… Самые низкие наклонности, самое гнусное озорство заняли место милых забав, не оставив о них даже воспоминания. Видимо, несмотря на самое благоприятное воспитание, у меня была большая склонность к нравственному падению, так как оно совершалось очень быстро, без малейшего затруднения…”
つまり、ルソーは乱暴な親方のもとに置かれると、性格も知性もたちまちその水準まで下がったということです。原典は、結婚後のルソーも、義母の3Vのもとで、執念深く臆病な性格に変わったと書いています。
第三章ELFVとELVFの違い
ELVF(アンデルセン)は、ELFVと同じく、第1機能に感情、第2機能に論理を持つタイプです。そのため、大きな感情を持ち、それを柔軟な論理で語れるところは、2つのタイプで似て見えます。
ですが、下の段の2つは入れ替わっています。ELFVは第3機能に物質、第4機能に意志を持ち、ELVFは第3機能に意志、第4機能に物質を持ちます。第3機能は弱く本人が気にする機能で、第4機能は重きを置かない機能です。
つまり、ELFVは体の触れ合いに敏感で、人の下に立つことは苦にしません。原典は、ルソーの章のまとめとして、こう書いています。
要するに、マゾヒズムは、第4意志の低く幼い自己評価の現れの一つであり、それが第3物質の過剰性欲によって色づけられることもあれば、色づけられないこともある。
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По сути, мазохизм есть одно из проявлений заниженной, инфантильной самооценки 4-й Воли, иногда окрашенной, иногда неокрашенной гиперсексуальностью 3-йФизики.
言い換えると、マゾヒズムのもとにあるのは4Vの低い自己評価で、3Fはそこに体の要素を加えるということです。
反対に、3Vを持つELVFは、自分が軽く見られることに強く傷つきます。原典は、アンデルセン型の会話の楽しさを書いたあとで、こう続けています。
とはいえ、「アンデルセン」と話しながらくつろぐのは、きわめて軽率であろう。もっとも気楽で熱のこもった会話も、彼によって突然、言葉の途中で断ち切られ、たちまち騒動、冷たさ、よそよそしさ、涙に変わりうる。「アンデルセン」はひどく猜疑心が強く、病的に傷つきやすく、悪口の才にも恵まれているからである。ディケンズが、静かでもてなしのよい自分の家を去るアンデルセンの後ろ姿に、感謝の念をこめて十字を切ったのも、理解できる。
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Вместе с тем, было бы крайне опрометчиво расслабляться, беседуя с “Андерсеном”. Самое непринужденное и горячее общение может быть внезапно оборвано им на полуслове, мгновенно трансформироваться в скандал, холод, отчуждение, слезы, потому что “Андерсен” ужасно мнителен, болезненно обидчив и талантлив на злоязычие. Можно понять Диккенса, когда он благодарно крестился вслед покидавшему его тихий гостеприимный дом Андерсену.
つまり、ELVFは相手の何気ない言葉にも軽く見られたと感じ、楽しい会話を急に断ち切るということです。ELFVは体の触れ合いに敏感で立場を気にせず、ELVFは立場に敏感で体のことを気にしないと言えます。
また、体への態度も逆になります。ELFVの3Fは体の触れ合いに熱狂しますが、ELVFの4Fは、食べ物にも快適さにも異性にも無関心とされています。
第四章ELFVの関係
完全アガペー:VFLE(ナポレオン)
- ELFVの2LがVFLEの3Lを対話によって支え、VFLEの2FがELFVの3Fへ具体的な安定を与えます。
- 1Eと4E、1Vと4Vも交差します。原典は、完全アガペーを最終的で理想的な愛の体系とする一方、人間関係のなかでこれほど重苦しいものはないとも書きます。
完全エロス:FVEL(チェーホフ)
- 相手の1FとELFVの3F、ELFVの1Eと相手の3Eが交差し、身体と感情の双方で強い誘引と摩擦が生じます。
- 2Lと4L、2Vと4Vの交差もあり、説明や決定を片方へ委ねやすい配置です。
- 原典は、完全エロスをこれより重いものはない関係としながら、共に暮らせないと結論するのは早すぎるとも書きます。
農奴的半エロス:ルソー夫妻の事例
- 原典は、4Vを共有するルソー夫妻では、夫婦の外にいる強い人物が関係方針を決めやすかったと説明します。
- 原典によれば、このような関係では二人のあいだに多くの人が入り込み、内の矛盾の苦さも、互いを知る甘さも、最後まで味わえないままになります。
第3セクスタの4タイプ
第1機能と第4機能が同じ組になる4タイプです。
- EFLV ブハーリン 1E・2F・3L・4V
- ELFV ルソー 1E・2L・3F・4V
- VFLE ナポレオン 1V・2F・3L・4E
- VLFE レーニン 1V・2L・3F・4E
引用索引
- [1]アファナシエフ『愛の構文』(原題:Синтаксис любви、1987–1997)第二部「ジャン=ジャック・ルソー」 本文へ
- [2]アファナシエフ『愛の構文』(原題:Синтаксис любви、1987–1997)第二部「ジャン=ジャック・ルソー」 本文へ
- [3]アファナシエフ『愛の構文』(原題:Синтаксис любви、1987–1997)第二部「ジャン=ジャック・ルソー」 本文へ
- [4]アファナシエフ『愛の構文』(原題:Синтаксис любви、1987–1997)第二部「ジャン=ジャック・ルソー」 本文へ
- [5]アファナシエフ『愛の構文』(原題:Синтаксис любви、1987–1997)第二部「ジャン=ジャック・ルソー」 本文へ
- [6]アファナシエフ『愛の構文』(原題:Синтаксис любви、1987–1997)第二部「ジャン=ジャック・ルソー」 本文へ
- [7]アファナシエフ『愛の構文』(原題:Синтаксис любви、1987–1997)第二部「ハンス・クリスチャン・アンデルセン」 本文へ
