FLVE(アリスティッポス)の 詳細解説
1F・2L・3V・4E|第1セクスタ

FLVEは、第1機能に物質、第2機能に論理、第3機能に意志、第4機能に感情の側面がくるタイプです。原典の象徴名はアリスティッポスで、肉体の快楽の次に、思考の明晰さと知識の広さを重んじるとされています。
- 快楽主義の祖: アリスティッポスは、肉体的な快楽をほかのすべてに優先させる哲学、快楽主義の祖とされています。
- 唯物論と無神論: 1Fと2Lの組み合わせから、世界観は唯物論と経験論に向かい、神も悪魔も信じないとされています。
- 知的な交流を好む: 話し好きなうえに、関心を持って人の話を聞くこともでき、知識への渇きが尽きないとされています。
- 考えの臆病さ: 知性は強く柔軟ですが、3Vのために、結論を最後まで押し通して公にする勇気を持ちにくいとされています。
- 参謀の位置: 集団を率いるだけの決断力が足りず、首領のそばで計画を練る位置につきやすいとされています。
- 感情に合わせやすい: 4Eのため感情に重きを置かず、笑う人とは笑い、泣く人とは泣くことが容易だとされています。
FLVEを理解するには、次の4つのポイントがあります。
第一章FLVEの4つの位置
サイコソフィアでは、論理・意志・感情・物質の4つの機能を、人ごとに第1から第4の順位に並べます。FLVEでは、上の段に物質と論理、下の段に意志と感情がきます。
また、4つの位置のうち、結果型は1Fと4E、プロセス型は2Lと3Vです。そのため、FLVEでは論理と意志が、人とのやりとりのなかで働く機能になります。
1F「所有者」
FLVEの第1機能は、物質です。アファナシエフは、古代の伝記作家が描いたアリスティッポスの姿を、1Fから説明しています。
ディオゲネス・ラエルティオスの記述するアリスティッポスは、このようである。貪欲で、厚皮で、シニカルで、口が達者である。この肖像は、機能の順序から判断して、実物にかなり近い。とりわけ印象的なのは、ディオニュシオスの贈り物をめぐるプラトンとアリスティッポスの最後の例である。それは、遠い昔においてさえ、僭主たちも、周囲の人間の第1機能を感じ取り、それに応じて行動できるほど、十分に繊細な心理学者だったことを示している。第1論理を持つプラトンにとっては本のほうが実際に必要であり、第1物質を持つアリスティッポスにとっては金のほうが必要だったのである。
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Таков Аристипп в описании Диогена Лаэртского: жадный, Толстокожий, циничный, языкастый — и портрет этот, судя по его порядку функций, достаточно близок к оригиналу. Особенно выразителен последний пример с дионисиевыми подарками Платону и Аристиппу. Он показывает, что даже в те далекие времена и даже тираны были достаточно тонкими психологами, чтобы чувствовать в окружающих их Первую функцию и соответствующим образом действовать: Платону с его 1-й Логикой действительно нужнее была книга, а Аристиппу с его 1-й Физикой — деньги.
上の引用にあるディオニュシオスの贈り物は、僭主のディオニュシオスが、アリスティッポスに金を、プラトンに本を与えた逸話のことです。つまり、1Fの人には金が、1Lの人には本が必要だということです。原典は、周りの人の第1機能を見抜いて贈り物を選んだ僭主を、繊細な心理学者と見ています。
2L「修辞家」
物質の次にくるのが、論理です。原典は、FLVEの魅力的な面を、この2Lに見ています。
「アリスティッポス」の性格にも魅力的な点がある。当然、それらは、あらゆる人間と同じく、第2機能、この場合は第2論理と結びついており、「アリスティッポス」がまさにこのよい側面を相手に向けているならば、彼との接触は真の喜びをもたらしうる。
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В моем описании “Аристипп” выглядит законченным злодеем, и, вероятно, этой картиной можно было бы ограничиться, если бы существовал хоть один психотип, столь простой и житейски одномерный, что при его воссоздании хватило бы одной единственной краски. Абсолютное злодейство также нереально, как и абсолютная добродетель, они существуют только в кино. Есть свои привлекательные черты и в характере “Аристиппа”. Естественно, они связаны, как у всякого человека, с его Второй функцией, в данном случае 2-й Логикой, и, если “Аристипп” развернут к партнеру именно этой лучшей стороной, контакт с ним может доставить истинное удовольствие.
言い換えると、FLVEのいちばん良い面は、2Lによる知的な交流だということです。第2機能を人の最も良い面とする原典の考え方が、ここにも表れています。相手にこの面が向いているとき、FLVEとの会話は大きな喜びになるとされています。
3V「小市民」
下の段の第3機能は、意志です。アファナシエフは、FLVEが集団の頂点に立ちにくい理由を、3Vに見ています。
政治の場合と同様、犯罪組織でも「アリスティッポス」がボスになることはまれで、なるとしても創設者の権利ではなく相続人の権利によってである。真の揺るぎない指導者であるには、「アリスティッポス」には性格と決断力(第3意志)が足りず、そのため、ギャング団では、たいてい首領のそばの宰相の座を占め、犯罪組織の頭脳となって、犯罪活動の全体戦略と個々の作戦の戦術を入念に練り上げる(マイヤー・ランスキーか?)。
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Граница между миром политиков и уголовным миром прозрачна, если существует вообще, поэтому, коль происхождение, воспитание, обстоятельства или масштаб личности не позволяют “Аристиппу” делать политическую карьеру, он с легкостью перемещается в криминальную сферу. Как и в политике, в преступной организации “Аристипп” редко делается боссом, а если делается таковым, то по праву наследника, а не по праву создателя. Для подлинного непререкаемого лидерства “Аристиппу” не хватает характера, решительности (3-я Воля), поэтому в бандах он чаще занимает место визиря при пахане, становится мозговым центром преступной организации, тщательно разрабатывая и общую стратегию криминальной деятельности и тактику отдельных операций (Меир Лански?).
上の引用にある宰相は、首領のそばで物事を取り仕切る役のことです。つまり、FLVEは集団を率いるだけの決断力が足りないため、首領のそばで計画を練る役につきやすいということです。3Vは意志の弱さを本人が強く気にする位置なので、自分が先頭に立って決めることには踏み出しにくいと読めます。
4E「見物人」
最後の第4機能は、感情です。アファナシエフは、FLVEに演技の才能があるという評判の正体を、4Eに見ています。
権力の舵を握る「アリスティッポス」の像のもう一つの顕著な点は、周囲の者が一致して、彼の比類のない芝居の才能を認めていることである。だが、ここには誤りがある。「アリスティッポス」は、たしかに偽善者だが、ほかのあらゆる「小市民」より偽善的というわけではない。何か特別な演技の才能があるかのような錯覚をつくり出しているのは、彼の第4感情である。覚えているとおり、第4機能の特徴は、外から容易に捉えられてしまうことである。そのため、自分の感情の奴隷である「アリスティッポス」は、笑う者とともに笑い、泣く者とともに泣くことが容易である。
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Еще одна приметная деталь образа стоящего у кормила власти “Аристиппа” — это общее мнение окружающих о беспримерном таланте его к комедиантству. Но здесь ошибка. “Аристипп”, конечно, лицемер, но не более, чем любой другой “мещанин”. Иллюзию какого-то особого дара лицедейства создает его 4-я Эмоция. Как мы помним, Четвертую функцию характеризует легкость ее постороннего захвата, поэтому невольнику своих чувств “Аристиппу” легко смеяться со смеющимися, плакать — с плачущими.
言い換えると、FLVEが演技上手に見えるのは、特別な才能があるからではなく、4Eの感情が外から簡単に動かされるからだということです。感情に重きを置かないため、その場の感情にそのまま合わせやすいとされています。
第二章原典が描く「アリスティッポス」
アリスティッポスは、ソクラテスの弟子だった古代ギリシアの哲学者です。アファナシエフは、本人のほか、フィデル・カストロなどの政治家をFLVEの例に挙げています。原典はこのタイプを厳しく描く一方で、知識への渇き、物と知のあいだの揺れ、二重の孤独の3つも挙げています。
知識への渇き
FLVEの2Lは、知識を集めることにも表れるとされています。アファナシエフは、カストロを例に、こう書いています。
「アリスティッポス」のもう一つの注目すべき特性は、並外れた知識欲を持っていることである。もちろん、彼の博識は、出自、教育、事情によって大きく異なる。だが、運命が彼に画した情報の円のなかでは、すべてを汲み尽くそうとすることは確実である。ガブリエル・ガルシア=マルケスによれば、フィデル・カストロは「情報を得る機会をひとつも逃さず…昼夜を問わず、文字の書かれた手近な紙なら何でも読む用意がある。…彼の自動車には…夜に読むための照明がつねに備えられている。夜が明けはじめるとすぐに、しばしば本を手に取る…」。
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Еще одно замечательное свойство “Аристиппа” — это то, что ему присуща совершенно неуемная жажда знаний. Конечно, осведомленность его в зависимости от происхождения, воспитания и обстоятельств сильно разнится. Но можно быть уверенным, что в информационном круге, очерченном ему судьбой, он постарается вычерпать все. По словам Габриэля Гарсиа Маркеса, Фидель Кастро “не упускает ни единой возможности добычи информации… и в любое время суток готов читать всякую попавшуюся в руки бумагу, на которой есть буквы…Его автомобили…всегда оснащены подсветкой для чтения ночью. Часто он берет в руки книгу, как только начинает светать…”
つまり、FLVEは自分が触れられる範囲の情報を、すべて汲み尽くそうとするということです。どれほど物知りになるかは育ちや事情で違いますが、知識を求める強さは変わらないとされています。
物と知のあいだの揺れ
また、原典は、FLVEの上の段の2つの機能が、ぶつかり合うこともあるとしています。
このタイプにだけ、上位の機能、すなわち第1機能と第2機能のあいだの矛盾が備わっていると言ってよい。というのは、知的労働への報酬は、ほとんどどこでも低く、第1物質に通有の欲求、すなわち自分の社会集団より20〜30%よい暮らしをしたいという欲求をまったく満たせないからである。そのため、「アリスティッポス」の魂には、第1物質による打算と、第2論理による知的渇望とのあいだの慢性的な分裂がある。そして周囲にとって喜ばしいことに、しばしば第2機能が勝つ。
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Едва ли не только этому типу присуще противоречие между верхними функциями: Первой и Второй. Дело в том, что оплата интеллектуального труда едва ли не повсеместно так низка, что удовлетворить обычную для 1-й Физики потребность — жить на 20–30 % лучше своей социальной группы совершенно не в состоянии. Поэтому душе “Аристиппа” свойственна хроническая раздвоенность между корыстью по 1-й Физике и умственной жаждой по 2-й Логике. И к радости окружающих, Вторая нередко побеждает.
上の引用にある20〜30%よい暮らしは、1Fの人が目指す豊かさの目安のことです。言い換えると、FLVEはお金を求める1Fと、知りたいという2Lのあいだで、いつも引き裂かれているということです。そして、勝つのは2Lであることが多いとされています。
二重の孤独
一方、FLVEは、人とのやりとりのなかで孤独も抱えるとされています。
ほかの第3意志の持ち主と同じく、非常に孤独な存在であるため、「アリスティッポス」は二重に孤独である。(中略)「アリスティッポス」は二重の孤児であり、傷つきやすい自分の人格のか弱い身体(第3意志)を他人から隠しながら、最も優れた知的な側面を彼らに向けても、しばしば無関心や、さらには反感にぶつかる。そして、交流の充実、すなわち規範的で、強く、柔軟で、対話型の第2論理を最大限に発揮することは、「アリスティッポス」にとって、現実というより夢である。
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Будучи подобно другим обладателям 3-й Воли, существом очень одиноким, “Аристипп” одинок вдвойне. Дело в том, что высокостоящая Логика вообще редка среди людей и столь редко востребуется обществом, что всякий ее обладатель до конца дней живет с ощущением своего сиротства. “Аристипп” — сирота вдвойне, пряча от посторонних ранимое тельце своей личности (3-я Воля), он и развернувшись к ним своей лучшей интеллектуальной стороной наталкивается часто на равнодушие, даже неприязнь, и полнокровность общения, т. е. максимальная реализация нормативной, сильной, гибкой, диалоговой 2-й Логики — скорее мечта, нежели реальность для “Аристиппа”.
ここでいう二重の孤独とは、3Vの孤独に、2Lが受け入れられない孤独が重なることです。つまり、FLVEは傷つきやすい3Vを人から隠しながら、いちばん良い2Lを向けても、関心を返してもらえないことが多いということです。そのため、思う存分に語り合える交流は、FLVEにとって夢に近いとされています。
第三章FLVEとFLEVの違い
FLEVは、原典で「エピクロス」と呼ばれるタイプです。FLVEとFLEVは1Fと2Lが同じなので、体の快楽を大事にし、人と話しながら考える点で似て見えます。エピクロスがアリスティッポスと同じ快楽主義者とみなされてきたのも、この近さから来ていると読めます。
違いは、下の段にあります。FLVEは意志が第3機能、感情が第4機能です。一方、FLEVは感情が第3機能、意志が第4機能です。第3機能は弱く本人が強く気にする機能、第4機能は本人があまり重きを置かない機能なので、2つのタイプでは気にするものと気にしないものが入れ替わっていることになります。
FLEVの4Vについて、アファナシエフは、エピクロスが弟子たちに贈った言葉を取り上げています。
そもそも、哲学者が弟子たちに贈った願い、すなわち自分の人生を「目立たずに過ごす」ことは、第4意志の綱領的なものとみなしうる。
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Вообще, пожелание философа ученикам — ” прожить незаметно” свою жизнь, можно считать программным для 4-й Воли.
上の引用にある綱領は、目指す方針のことです。言い換えると、FLEVは目立たず、人の上に立たずに生きることを、望ましい生き方としているということです。一方、FLVEの意志は3Vなので、意志の弱さを本人が強く気にし、決断が求められる場面で迷いやすいとされています。
また、感情の扱いも逆になります。FLVEは4Eのため、その場の感情に合わせやすく、感情への訴えにも冷静でいられるとされています。反対に、FLEVは3Eのため、感情の表し方そのものに慎重です。
第四章FLVEの関係
第1セクスタの4タイプ
第1機能と第4機能が同じ組になる4タイプです。
- ELVF アンデルセン 1E・2L・3V・4F
- EVLF ガザーリー 1E・2V・3L・4F
- FLVE アリスティッポス 1F・2L・3V・4E
- FVLE ゲーテ 1F・2V・3L・4E
引用索引
- [1]アファナシエフ『愛の構文』(原題:Синтаксис любви、1987–1997)第二部「アリスティッポス」 本文へ
- [2]アファナシエフ『愛の構文』(原題:Синтаксис любви、1987–1997)第二部「アリスティッポス」 本文へ
- [3]アファナシエフ『愛の構文』(原題:Синтаксис любви、1987–1997)第二部「アリスティッポス」 本文へ
- [4]アファナシエフ『愛の構文』(原題:Синтаксис любви、1987–1997)第二部「アリスティッポス」 本文へ
- [5]アファナシエフ『愛の構文』(原題:Синтаксис любви、1987–1997)第二部「アリスティッポス」 本文へ
- [6]アファナシエフ『愛の構文』(原題:Синтаксис любви、1987–1997)第二部「アリスティッポス」 本文へ
- [7]アファナシエフ『愛の構文』(原題:Синтаксис любви、1987–1997)第二部「アリスティッポス」 本文へ
- [8]アファナシエフ『愛の構文』(原題:Синтаксис любви、1987–1997)第二部「エピクロス」 本文へ
