VFLE(ナポレオン)の 詳細解説
1V・2F・3L・4E|第3セクスタ

VFLEは、第1機能に意志、第2機能に物質、第3機能に論理、第4機能に感情の側面がくるタイプです。原典の象徴名はナポレオンで、実務の場で人を率いることに強く、自分の知性の評価には敏感とされています。
- 生まれつきの指導者: 指揮の地位に、構えずに自然に就きます。有能で野心のある人を恐れず、使いこなせると考えます。
- 力で自分を主張する: 喧嘩や力に訴えることを、自分を守り主張するふつうの手段とします。子どものころから喧嘩を好んだナポレオンが例に挙げられています。
- どの持ち場でもよく務まる: 労働者としても選手としても優れ、親方やコーチの役ではさらに力を出すとされています。
- 知性への憧れと恐れ: 自分より賢い相手には弱い一方で、学者を大事にし、学士院会員の称号を誇りました。
- 論理は第3のまま: 自信を深めて話し手になっても、疑い深さや迷信への傾き、先を見通す短さは残るとされています。
- 感情を役として使う: 感情の表し方は柔軟で、政治の場では演技として使われます。
VFLEを理解するには、次の4つのポイントがあります。
第一章VFLEの4つの位置
VFLEでは、上の2つの機能に意志と物質が、下の2つの機能に論理と感情が入ります。言い換えると、決めることと動くことに強く、考えることと感じることは下に置くタイプです。
また、順位の区分で見ると、1Vと4Eは結果型、2Fと3Lはプロセス型です。そのため、意志と感情は人と話し合わずに扱い、物質と論理は人とのやりとりの中で扱うとされています。
1V「王」
1Vは、自分の望みと決定を、誰にも左右されずに通す位置です。アファナシエフは、ナポレオンが有能な部下をどう見ていたかを、本人の言葉で示しています。
すべての「王」と同じく、ボナパルトは、才能ある野心的な人々から競争を受ける可能性を前にして恐れを知らず、自分の中にその恐れのなさを感じていた。彼は言った。「私は精力的な人間を恐れない。私は彼らを使い、導くことができる。そのうえ、私は平等をいささかも損なわない。若者は、国民全体と同じく、平等だけを大切にする。才能があれば、私はあなた方を引き立てる。功績があれば、私はあなた方を庇護する。誰もがそれを知っており、それについての一般的な確信が私に益をもたらす。」
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Как и все “цари”, Бонапарт был бесстрашен перед лицом возможной конкуренции со стороны других даровитых честолюбивых людей и чувствовал это бесстрашие в себе. Он говорил:” Я не боюсь энергичных людей. Я умею пользоваться ими и руководить ими; кроме того, я ничем не нарушаю равенства, а молодежь, как и вся нация, дорожит только равенством. Пусть у вас будет талант, я вас выдвину; будут заслуги — я буду вам покровительствовать. Все знают это, и общая уверенность в этом идет мне на пользу.”
上の引用にある「王」は、1Vの呼び名です。つまり、1Vは才能のある人を競争相手として恐れず、自分が使う側に立つと考えるということです。自分が上にいることを疑わないので、有能な人を引き立てることにも迷いがないと読めます。
2F「働き者」
2Fは、よく動き、人と一緒に働き、人の体の世話もする位置です。一方で、原典は、2Fにとって力に訴えることは自然な手段だとも書いています。
第2物質にとって、暴力は、自分の「私」を守り、主張するための、通常で頻繁な自然の手段である。ここでナポレオンは例外ではなく、自分の幼年時代を思い出して、こう語った。「私に感銘を与えるものは何もなかった。私は喧嘩や殴り合いに傾いていたし、誰も恐れなかった。ひとりを殴り、もうひとりをひっかき、みなが私を恐れた」。喧嘩への愛を、彼は幼年から成人した生活へ持ち込み、軍人の道を選んだときからワーテルローまで、それを自分の中で培った。
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Для 2-й Физики насилие — нормальный, частый и естественный способ защиты и утверждения своего “Я”. Не исключение здесь Наполеон. который, вспоминая свое детство, рассказывал: “Ничто мне не импонировало, я был склонен к ссорам и дракам, я никого не боялся. Одного я бил, другого царапал, и все меня боялись”. Свою любовь к драке он унес из малолетства во взрослую жизнь и культивировал ее в себе, начиная с избрания военной карьеры до Ватерлоо.
言い換えると、体を使ってぶつかることが、2Fには自分を守るふつうのやり方になるということです。2Fは強く柔軟な位置なので、ぶつかり合いを恐れません。ナポレオンでは、その喧嘩好きが子どものころから軍人としての生き方へつながったとされています。
3L「懐疑主義者」
3Lは、理性を疑いながら、ひそかに大事にもする位置です。アファナシエフは、ナポレオンの3Lが、知的な競争に出会わなかったために別の形で表れたと書いています。
ナポレオンにとって幸いなことに、彼は経歴の中で知的競争の問題に出会わなかったので、彼の第3論理は別の形で現れた。一方では、その恐れは、きわめて厳しい新聞検閲となって現れた。他方では、他人の知性へのよい嫉妬が、ナポレオンに、遠征に学者たちを連れて行かせ、ほかの誰よりも彼らの面倒を見させ、国立学士院会員の称号をほかのどの称号よりも誇らせた。
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К счастью для Наполеона, в своей карьере он не столкнулся с проблемой интеллектуальной конкуренции, поэтому его 3-я Логика и проявлялась иначе. С одной стороны, страхи ее воплотились в жесточайшей газетной цензуре. С другой стороны, хорошая зависть к чужому интеллекту заставила Наполеона брать с собой в походы ученых, заботиться о них как ни о ком другом, гордиться званием члена Национального института, как ни каким другим титулом.
つまり、3Lの恐れは言論の取り締まりに、知性への憧れは学者を大事にすることに表れたということです。知性を恐れることと、知性を誇りたいことが、1人の中で同時に起きています。どちらも、自分の知性の評価を強く気にする3Lから出たものとされています。
4E「見物人」
4Eは、感情を自分から生み出すより、人の感情を受け取る側に立つ位置です。重きを置かない位置なので、感情の表し方は柔軟で、1Vの目的に合わせて使われるとされています。アファナシエフは、こう書いています。
ナポレオンの第4感情は、すべての第4機能の例にもれず、無党派で、柔軟で、悪くない芸術的才能の幻影をつくりうるものだった。第1意志は、たいてい第4感情を政治的目的に使い、ナポレオンもそうしており、こう言うのを好んだ。「私は、あるときは狐であり、あるときは獅子である。統治の秘訣はすべて、いつどちらになるべきかを知ることにある」。ナポレオンは、自分の芸術的才能を、アレクサンドル1世との交渉でも使ってみて、危機的な時には、ロシア皇帝の前で興奮状態を演じた。しかしアレクサンドルは、ナポレオンより才能のある役者(「デュマ」参照)であり、自分でも巧みに演じ、他人の演技も巧みに見抜いたので、ナポレオンの興奮を信じず、答えて、断固として戸口の取っ手をつかみ、侮辱された美徳を、はるかに上手に演じてみせた。
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4-я Эмоция Наполеона, по обыкновению всех Четвертых функций, была беспартийна, пластична и могла создавать иллюзию неплохих артистических способностей. 1-я Воля обычно использует 4-ю Эмоцию в политических целях, что и делал Наполеон, любивший говорить:” Я бываю то лисой, то львом. Весь секрет управления заключается в том, чтобы знать, когда следует быть тем или другим.” Пробовал использовать свои артистические дарования Наполеон и в своих переговорах с Александром I, в критические минуты играя перед русским царем состояние аффекта. Однако Александр был актером поталантливее Наполеона (см.”Дюма”), сам тонко играл и тонко разбирался в игре других, поэтому Наполеоновскому аффекту не поверил и в ответ, решительно берясь за ручку двери, гораздо лучше сыграл оскорбленную добродетель.
上の引用にある無党派とは、どの感情にも肩入れしないことです。言い換えると、4Eの感情は、本人が大事にするものではないので、狐にも獅子にも切り替えられるということです。ただし、それは演技の才能に見えるものであって、原典は、より上手な役者だったアレクサンドル1世には見抜かれた例を挙げています。
第二章原典が描く「ナポレオン」
ナポレオン・ボナパルトは、フランスの軍人で、のちに皇帝になった人物です。アファナシエフは、皇帝にまで上った経歴と、その中で見えた知性への態度から、このタイプを描いています。原典は、ソ連の元帥ジューコフも同じタイプとして挙げています。
サーベルと精神
アファナシエフは、ナポレオンが自分の上の2つの機能を、自分の言葉で言い当てていたと書いています。
ボナパルトは、自分の最初の2機能の順序を自分で定めた。「世の中には強大な力が二つしかない。サーベルと精神である。結局のところ、精神がサーベルに勝つ」と言ったときである。「精神」は、この場合、もちろん意志の同義語であり、「サーベル」は物質の比喩である。したがって、「精神」と「サーベル」を世界でもっとも強大な力と呼ぶことによって、ナポレオンは、自分の上位に何があるかを示したにすぎず、この二つのうち「精神」を好んだことで、自分の第1機能を名指した。つまり、ナポレオンには第1意志と第2物質があり、そのことを、知らなかったとしても、挙げた言葉から判断して、察していた。
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Бонапарт сам определил порядок своих двух первых функций, когда заявил:” На свете есть лишь две могущественные силы: сабля и дух. В конечном счете дух побеждает саблю”.”Дух”, в данном случае, конечно, синоним Воли, а “сабля” — метафора Физики. Поэтому, называя “дух” и “саблю” самыми могущественными силами в мире, Наполеон просто указывал на то, что у него Вверху, а отдавая из этих двух предпочтение “духу”, называл свою Первую функцию, т. е. у Наполеона были 1-я Воля и 2-я Физика, о чем он, если не знал, то, судя по приведенной фразе, догадывался.
つまり、「精神」は意志、「サーベル」は物質を指し、精神を上に置いたことが1Vと2Fの順序を表しているということです。ナポレオン本人は、サイコソフィアを知らなくても、自分の強さがどこにあるかを感じ取っていたと原典は見ています。
黙っていた大尉が話し手になる
また、ナポレオンの3Lは、出世とともに形を変えたとされています。
経歴が上がるにつれて、ナポレオンの自分の知的能力についての考えは、明らかに大きく変わり、この点での自信は、時とともにきわめて高い度合いに達した。かつていつも黙っていた砲兵大尉が、戴冠の時までに、疲れ知らずの話し手に変わったのである。コーランクールによれば、ナポレオンには、「権力の力と武力の力では足りなかった。彼はさらに、説得の力をもちたかった」。
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По мере карьерного роста представления Наполеона о собственных умственных способностях, очевидно, сильно менялись, самоуверенность его по этой части со временем достигла такого градуса, что из некогда вечно молчавшего артиллерийского капитана, он к моменту коронования превратился в неутомимого говоруна. По словам Коленкура, Наполеону “недостаточно было могущества власти и могущества силы. Он хотел еще обладать могуществом убеждения.”
上の引用にあるコーランクールは、ナポレオンの側近だった外交官です。言い換えると、権力を得て自信がつくと、黙っていた3Lの人が、言葉で人を説き伏せたがるようになったということです。3Lの人にとって黙っていることは重い負担とされており、地位がその口を開かせたと読めます。
労働者より親方、選手よりコーチ
アファナシエフは、このタイプがどこで力を出すかを、こうまとめています。
「ナポレオン」のタイプは、世界でかなりありふれていると見なせる。第2物質のおかげで、どの持ち場でもよく務まる。確かに、「ナポレオン」は労働者としてよいが、親方としてはなおよい。優れたスポーツ選手だが、コーチの役ではさらに成功する。一言で言えば、実務の領域(第2物質)での指導力(第1意志)に関することなら、「ナポレオン」に勝るのは難しい。
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Тип “Наполеона” можно считать довольно распространенным в мире. Благодаря 2-й Физике он хорош на любом месте. Правда, “Наполеон” хорош как рабочий, но в качестве мастера он еще лучше; он хороший спортсмен, но еще удачливее в роли тренера. Одним словом, во всем, что касается лидерства (1-я Воля) в практической сфере (2-я Физика) “Наполеона” превзойти трудно.
つまり、このタイプがいちばん力を出すのは、実際に手を動かす場で人を率いるときだということです。2Fで現場を知り、1Vでそれを率いるので、働く人の中から出てくる指導者になりやすいとされています。
第三章VFLEとVFELの違い
VFELは、原典でトヴァルドフスキーを象徴名とするタイプです。どちらも1Vと2Fを持つので、決めて動く強さを持つ点で似て見えます。原典も、2人は最初の2つの機能の順序で一致すると書いています。
ですが、下の2つの機能が入れ替わります。VFLEは論理が第3機能で感情が第4機能、VFELは感情が第3機能で論理が第4機能です。そのため、VFLEが弱いと感じて気にするのは論理、VFELが気にするのは感情となります。アファナシエフは、ナポレオンの論理について、こう書いています。
しかし、廷臣たちの相づちは、ナポレオンの機能の順序を何も変えず、彼の論理は、第3位であったとおり、その派生物とともに第3位のままであった。それらの派生物とは、懐疑、迷信への傾き、予測の短期性、そして、理性の醒ましの片言に対する、第1意志の抑えがたい「欲しい!」の優越である。皇帝の論理装置の欠陥は、廷臣たちにとって秘密ではなく、彼らは単に黙殺した。
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Поддакивание придворных, однако, ничего не меняло в Наполеоновском порядке функций, и Логика его как была 3-й, так ею и оставалась со всеми своими производными: скепсисом, склонностью к суевериям, недолгосрочностью прогноза и превосходством необоримого “Хочу!” 1-й Воли над отрезвляющим лепетом рассудка. Ущербность логического аппарата императора не составляла для придворных тайны и просто замалчивалась ими.
上の引用にある派生物は、3Lから出てくる性質のことです。つまり、話し手になって自信を深めても、疑い深さや見通しの短さという3Lの性質は残ったということです。考えより「欲しい」という1Vの望みが先に立つことも、3Lの表れとされています。
一方、VFELが弱さを抱えるのは感情です。アファナシエフは、その3Eが、戦いではかえってVFELをナポレオンより強い闘士にすると書いています。
第1・第2機能の順序の点で、「トヴァルドフスキー」は「ナポレオン」(参照)と一致し、闘士のなかで「ナポレオン」より上に彼を置くのは、第3感情である。もっとも絶望的な闘いのさなかでも「トヴァルドフスキー」から離れない静けさと冷たさは、敵を麻痺させ、闘いの戦術にとってきわめて重要な感情の情報を、「トヴァルドフスキー」の顔から読み取ることを許さない。
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В порядке первых двух функций “Твардовский” совпадает с “Наполеоном” (см.) и первым среди бойцов, лучше “Наполеона”, его делает 3-я Эмоция. Покой и холод, не покидающие “Твардовского” в самой отчаянной схватке, парализуют противника, не позволяют ему считывать с лица “Твардовского” очень важную для тактики боя эмоциональную информацию.
言い換えると、VFELは戦いのさなかでも顔に感情を出さないので、相手に次の動きを読ませないということです。VFLEの4Eが感情を役として演じるのに対し、VFELの3Eは感情を表に出さないことで戦いに役立ちます。
反対に、VFELの4Lは、考えるより先に動くこととして表れます。VFLEが自分の知性の評価を気にするのに対し、VFELは論理の評価をあまり気にしないということです。
第四章VFLEの関係
第3セクスタの4タイプ
第1機能と第4機能が同じ組になる4タイプです。
- EFLV ブハーリン 1E・2F・3L・4V
- ELFV ルソー 1E・2L・3F・4V
- VFLE ナポレオン 1V・2F・3L・4E
- VLFE レーニン 1V・2L・3F・4E
引用索引
- [1]アファナシエフ『愛の構文』(原題:Синтаксис любви、1987–1997)第二部「ナポレオン・ボナパルト」 本文へ
- [2]アファナシエフ『愛の構文』(原題:Синтаксис любви、1987–1997)第二部「ナポレオン・ボナパルト」 本文へ
- [3]アファナシエフ『愛の構文』(原題:Синтаксис любви、1987–1997)第二部「ナポレオン・ボナパルト」 本文へ
- [4]アファナシエフ『愛の構文』(原題:Синтаксис любви、1987–1997)第二部「ナポレオン・ボナパルト」 本文へ
- [5]アファナシエフ『愛の構文』(原題:Синтаксис любви、1987–1997)第二部「ナポレオン・ボナパルト」 本文へ
- [6]アファナシエフ『愛の構文』(原題:Синтаксис любви、1987–1997)第二部「ナポレオン・ボナパルト」 本文へ
- [7]アファナシエフ『愛の構文』(原題:Синтаксис любви、1987–1997)第二部「ナポレオン・ボナパルト」 本文へ
- [8]アファナシエフ『愛の構文』(原題:Синтаксис любви、1987–1997)第二部「ナポレオン・ボナパルト」 本文へ
- [9]アファナシエフ『愛の構文』(原題:Синтаксис любви、1987–1997)第二部「アレクサンドル・トヴァルドフスキー」 本文へ
