VLEF(ソクラテス)の 詳細解説
1V・2L・3E・4F|第5セクスタ

VLEFは、第1機能に意志、第2機能に論理、第3機能に感情、第4機能に物質の側面がくるタイプです。原典の象徴名はソクラテスで、自信に満ちた意志を、人と論じ合う論理で押し通すとされています。
- 自信と孤独: 自分に強い自信を持ち、支配的です。その一方で、内側では人から離れて孤独だとされています。
- 論じ合うことを好む: 人と話し、論じることを好みます。演壇を得ると、主題をできるかぎり詳しく、長く語ります。
- 飾りのない話し方: 話し方や文章に飾りがなく、乾いています。冷たく見える一方で、芸術へのひそかな愛を持つことがあります。
- 恐れを知らない: 生死や、日常とお金の問題に無関心で、恐れを知りません。
- 性より会話: 性と会話のどちらかを選ぶなら、必ず会話を選ぶとされています。
- 政治で成功しやすい: 原典は、このタイプに政治家が多く、最大の成功が待つのも政治だとして、サッチャーを例に挙げています。
VLEFを理解するには、次の4つのポイントがあります。
第一章VLEFの4つの位置
VLEFでは、上の2つの機能に意志と論理が、下の2つの機能に感情と物質が入ります。つまり、決めることと論じることに強く、感じることと体のことは下に置くタイプです。
また、1Vと4Fは結果型、2Lと3Eはプロセス型です。そのため、意志と物質は人と話し合わずに扱い、論理と感情は人とのやりとりの中で扱うとされています。
1V「王」
1Vは、自分の望みと決定を、誰にも左右されずに通す位置です。アファナシエフは、ソクラテスが死刑を避けられたのに避けなかった理由を、こう書いています。
より正確には、事態はこうであった。哲学者には死を避けるのに十分な手段と可能性があったが、ソクラテスは、ことをあそこまで運ばなかったなら、「ソクラテス」ではなかっただろう。自分を街全体の規模の人物として示したいという誘惑はあまりに強く、ソクラテスは、この場合、自分の機能の順序のあらゆる極端へ踏み出さずにはいられなかった。そして彼は踏み出した。
原文を表示
Точнее, дело обстояло так, что у философа было достаточно средств и возможностей, чтобы избежать смерти, но Сократ не был бы “Сократом”, если бы не довел процесс до того, до чего довел. Соблазн заявить себя фигурой общегородского масштаба оказался настолько силен, что Сократ просто не мог в этом случае не пуститься во все тяжкие своего порядка функций. И он пустился.
言い換えると、ソクラテスは、街全体に向けて自分を示したいという1Vの望みを、命より上に置いたということです。裁判は、退くか通すかを選ぶ場面でした。そこで最後まで通すほうを選んだのが、1Vの表れとされています。
2L「修辞家」
2Lは、人と話しながら考えを進める位置です。アファナシエフは、裁判でのソクラテスの弁論に、1Vと2Lが一緒に表れたと書いています。
自分の第1意志によってきわめて自信に満ちた人間であるソクラテスは、弁護士の助けを断り、自分で自分を弁護することにして、弁護しながら、上に引いたとおり、それまで内輪で言われていたことを、すでに街全体に向かって公然と宣言した。アテナイ人は愚か者で、賢いのは彼ひとりだ、と。その際、哲学者の第2論理は、これほど豪華な演壇を得て、この微妙な主題について、できるかぎり詳しく、冗長に語る楽しみを自分に拒むことができなかった。
原文を表示
Будучи по своей 1-й Воле человеком крайне самоуверенным. Сократ отказался от услуг адвоката, взялся защищать себя сам и, защищаясь, как видно из приведенного выше, уже на весь город во всеуслышание заявил то, что прежде высказывалось келейно: афиняне — болваны, он — один умный. При этом, 2-я Логика философа, обретя столь роскошную трибуну, не могла отказать себе в удовольствии изьясняться о сем щекотливом предмете сколь возможно подробно и пространно.
つまり、1Vが弁護を人に任せず、2Lがその場で長く論じることを楽しんだということです。上の引用にある演壇は、人前で話す場のことです。2Lにとって、多くの人に向けて論じられる場は、引き下がれないほどの楽しみになると読めます。
3E「堅物」
3Eは、感じていても、それを外に表すことが難しい位置です。同じ裁判で、ソクラテスの3Eは弁論の味気なさとして表れたとされています。
第3感情は、被告の弁論を飾らなかったどころか、それを徹底的に干からびさせ、貧しくした。もっとも、自分のこの弱点を知っていたソクラテスは、裁判官たちに警告した。「あなた方は、この人たち(告発者—A・A)のように、飾り立てられた、凝った表現で彩られた弁論ではなく、最初に出てきた言葉からなる素朴な弁論を聞くことになる」—が、裁判官たちがこの前置きに耳を傾けたとは思えない。最後に、第4物質の生まれつきの恐れのなさは、生きるか死ぬかの問題を、哲学者が気にかける問題の最後尾に追いやった。個人の威信の問題(第1意志)は、彼にとって、肉体的存在の問題(第4物質)よりはるかに上にあった。
原文を表示
3-я Эмоция не только не украсила речь обвиняемого, но предельно иссушила ее и обеднила. Хотя, зная за собой эту слабость, Сократ предупреждал судей:”Вы не услышите речи разнаряженной, украшенной, как у этих людей (обвинителей — А.А.), изысканными выражениями, а услышите речь простую, состоящую из первых попавших слов,” — думаю, судьи вряд ли вняли данному предисловию. Наконец, природное бесстрашие 4-й Физики вообще отодвинуло вопрос о жизни и смерти в конец заботящих философа проблем. Вопрос личного престижа (1-я Воля) стоял для него несравненно выше вопроса физического существования(4-я Физика).
言い換えると、3Eの弁論は、筋は通っていても、聞く人の気持ちを動かす飾りを持たないということです。ソクラテスは、その弱さを自分で知っていて、裁判官に先に断っています。弱さを本人が気にしているところに、第3機能らしさが表れています。
4F「怠け者」
4Fは、体や暮らしの良し悪しに、あまりこだわらない位置です。上の引用の後半にあるとおり、ソクラテスにとって生死の問題は、威信の問題より下にありました。アファナシエフは、同じタイプの3人を並べて、こう書いています。
それでいて、心理タイプは運命でもある。職業の違いにもかかわらず、ソクラテスも、ロベスピエールも、ブロツキーも、それぞれの時代と場所で最も社会的に意味のある営みに従事した。紀元前5世紀のギリシャでは哲学、18世紀末のフランスでは政治、1960年代のロシアでは詩である。ソクラテスとロベスピエールは処刑され、ブロツキーは政治的な処刑を受けたが、この場合に、三人全員の自信と恐れのなさ(第1意志+第4物質)がいささか役割を果たした。つまり、心理タイプ、性格が運命と一致する伝記上の点がある。
原文を表示
Вместе с тем, психотип — это и судьба. Несмотря на разность профессий, и Сократ, и Робеспьер, и Бродский занимались самыми социально значимымидля их времени и места занятиями: философией в Греции Y века, политикой во Франции конца XYIII века, поэзией в России 60-ых годов. Сократ и Робеспьер были казнены, Бродский подвергся политической казни, и не последнюю роль в этом случае сыграли самоуверенность и бесстрашие (1-я Воля + 4-я Физика) всех троих. То есть, существуют биографические точки, где психотип, характер, сходятся с судьбой.
つまり、1Vの自信と4Fの恐れのなさが重なると、身の危険があっても引き下がらないということです。体の安全に重きを置かないので、命にかかわる場面でも、自分の主張を通すほうへ進むと読めます。
第二章原典が描く「ソクラテス」
ソクラテスは、古代ギリシアのアテナイの哲学者で、裁判で死刑になった人物です。アファナシエフは、弟子たちが伝えた穏やかな老人の像ではなく、街の人々を苛立たせた人物としてソクラテスを描いています。原典は、ロベスピエールやニュートン、サッチャー、ブロツキーなども同じタイプとして挙げています。
街の喉に刺さった骨
アファナシエフは、ソクラテスの裁判の本当の理由を、こう書いています。
思い出そう、ソクラテスの正式な告発者になったのはほんの数人であり、告発は、どうにかこうにか、当時のアテナイの法に合わせてつくられていた(たとえば異端の告発)。しかし、実際には、ソクラテスは街全体の喉に刺さった骨であり、彼は、裁きようのないもの、すなわち、劣悪な性格のゆえに裁かれたのである。
原文を表示
Вспомним, формальными обвинителями Сократа выступило всего несколько человек, и обвинение худо-бедно, но было подверстано под тогдашнее афинское законодательство (например, обвинение в ереси). Однако на самом деле Сократ костью стоял в горле у всего города и судили его за неподсудное — дрянной характер.
つまり、ソクラテスが裁かれた本当の理由は、法に触れたことより、街全体を苛立たせた性格にあったということです。原典は、神託の言葉を信じたソクラテスが、アテナイの人々がみな愚か者だと証明しようとしたことを、その性格の表れとしています。
シャーロック・ホームズ
一方、アファナシエフは、文学の人物の中にも、このタイプの正確な姿を見ています。
文学の人物のうち、「ソクラテス」のタイプを最も正確に伝えているのは、おそらく、忘れがたいシャーロック・ホームズである。第1意志によって、ホームズは、内的に疎外され孤独で、支配的で、自信に満ちた人間であり、彼の思考は厳格で整然としており、記憶は第2論理によって広大である。彼は乾いており、皮肉っぽいが、第3感情に通有の二面性によって、その冷たさは、素人のバイオリンへのひそかな愛と結びついている。最後に、恐れのなさ、日常と金銭の問題への無関心は、この人物の第4物質をはっきりと示している。そして、それらを合わせると、コナン・ドイルが「ソクラテス」のタイプを正確に再現したことと、シャーロック・ホームズには実在の原型がいたという作家の言葉を、同時に裏づけている。
原文を表示
Из литературных персонажей, пожалуй, точнее всего тип “Сократа” передает незабвенный Шерлок Холмс. По 1-й Воле Холмс отчужденный внутренне одинокий, властный, самоуверенный человек, мышление его строго, стройно, а память необьятна по 2-й Логике; он сух, ироничен, но по обыкновенной для 3-й Эмоции раздвоенности его холодность сочетается с тайной влюбленностью в свою дилетантскую скрипочку; наконец, бесстрашие, равнодушие к бытовой и финансовой проблематике ясно указывают на 4-ю Физику этого персонажа. А совокупно они свидетельствуют о точности воспроизведения Конан Дойлем типа “Сократа” и одновременно подтверждают слова писателя, что у Шерлока Холмса был реальный прототип.
言い換えると、ホームズの人物像には、孤独な自信、整った思考、乾いた冷たさ、日常への無関心が、1つずつそろっているということです。原典はこれを、4つの位置がすべて1人の人物に表れた例として挙げています。冷たさと、ひそかなバイオリンへの愛が同居するところは、3Eの二面性とされています。
政治で力を出す
また、原典は、このタイプの最大の成功は政治にあるとして、サッチャーを例に挙げています。アファナシエフは、伝記作家によるサッチャーの演説の描写を、こう引いています。
彼女の演説の成功は、何よりも題材をよく知っていたことによる。彼女の演説は、弁論術は題材を完全に習得することなしには考えられないという、キケロ(彼女はオックスフォードで学んだ)の言葉の正しさを、改めて証明している。演説や記者会見で、彼女はたいてい多くの数字、引用、発言を挙げ、すべてを暗記しており、書類をほとんど見なかった。彼女は考えを簡素な言葉で述べ、弁論の主たる長所は明晰さであるというアリストテレスの原則に従った。そのため、より分かりやすくするために、彼女はしばしば国家の事柄を家庭の事柄に、国家の予算を個人の予算になぞらえるなどした…
原文を表示
Успех ее речей зависел прежде всего от очень хорошего знания предмета. Ее выступления лишний раз доказывают правоту Цицерона (которого она изучала в Оксфорде), говорившего, что ораторское искусство немыслимо без владения в совершенстве предметом речи. В своих выступлениях и пресс-конференциях она обычно приводила большое количество цифр, цитат, высказываний, и все на память, редко заглядывая в бумаги . Она излагала свои мысли простым языком, следуя аристотелевскому принципу, что главным достоинством речи является ясность. Поэтому, чтобы сделать ее более доходчивой, она часто сравнивала дела государства с делами семьи, бюджет государства с личным бюджетом и т. д…
上の引用にあるキケロとアリストテレスは、弁論について説いた古代の人物です。サッチャーの演説の強みは、題材を覚え込み、それを簡素な言葉で明晰に話すことにあったということです。飾った表現ではなく、数字と引用と分かりやすいたとえで論じるところに、2Lと3Eの組み合わせが表れていると読めます。
第三章VLEFとVLFEの違い
VLFEは、原典でレーニンを象徴名とするタイプです。どちらも1Vと2Lを持つので、自信に満ちた意志を、論じる力で押し通す点で似て見えます。原典は、どちらのタイプにも政治の道を結びつけています。
ですが、下の2つの機能が入れ替わります。VLEFは感情が第3機能で物質が第4機能、VLFEは物質が第3機能で感情が第4機能です。つまり、VLEFが弱さを気にするのは感情の面、VLFEが弱さを気にするのは物質の面ということです。アファナシエフは、VLEFの下の機能を、性と会話の選び方で説明しています。
心理学にとって何より重要なのは、職業、時代、空間、民族が、原則として、心理タイプの共通性、すなわち価値の体系、世界の感じ方、スタイル、反応などを、下に埋もれさせることはできない、ということである。たとえば、いつの時代の、どの「ソクラテス」も、性と会話のどちらを選ぶかを迫られれば、必ず後者を選ぶ。その物質は第4、論理は第2だからである。
原文を表示
Для психологии важнее всего, что профессия, время, пространство, национальность в принципе не в состоянии погрести под собой психотипическую общность: систему ценностей, мироощущение, стиль, реакции и т. д. Например, во все времена и любой “Сократ”, будучи поставленный перед выбором между сексом и разговором, непременно предпочтет последний, так как у него Физика 4-я, а Логика 2-я.
上の引用にある後者は、会話のことです。言い換えると、体の欲求に重きを置かない4Fと、論じることを好む2Lのために、VLEFは会話を選ぶということです。体のことは、VLEFにとって気にかける対象の最後に置かれています。
一方、VLFEは物質が第3機能にあり、体と暮らしのことを強く気にします。アファナシエフは、レーニンの3Fの二面性を、こう書いています。
どの第3機能も二面的である。だが、類を見ない残酷さと周囲の必要への母のような気配りを併せもつレーニンの第3物質は、これまた類を見ない分裂を見せたため、やはり創作を呼び、皮肉の気味はあるが的確な小話を生んだ。そのひとつはこうである。「ウラジーミル・イリイチ、クロンシュタットの反乱の参加者は逮捕しました。彼らをどうしますか?」「銃殺しろ! 銃殺の前にお茶を飲ませろ。必ず熱いのをな!」
原文を表示
Всякая Третья функция двусмысленна. Но 3-я Физика Ленина, сочетавшая беспримерную жестокость с материнской заботой о нуждах окружающих, демонстрировала такое беспримерное раздвоение, что также провоцировала сочинительство и порождала, отдающие цинизмом, но точные анекдоты. Вот один из них: -“Владимир Ильич, участники кронштадского мятежа арестованы, что с ними делать?” -“Расстрелять! Перед расстрелом напоить чаем. И непременно горячим!”
つまり、VLFEの3Fには、残酷さと、人の体への細かな気配りが同居しているということです。VLEFの4Fが体のことに無関心で恐れを知らないのに対し、VLFEは体と暮らしの面に敏感だとされています。
反対に、感情はVLEFでは第3機能、VLFEでは第4機能です。VLEFの3Eは弁論を飾りのない乾いたものにします。VLFEの4Eは本人が重きを置かない位置で、感情を自分から生み出すより受け取る側に立つとされています。
第四章VLEFの関係
第5セクスタの4タイプ
第1機能と第4機能が同じ組になる4タイプです。
- FELV ルクレツィア・ボルジア 1F・2E・3L・4V
- FLEV エピクロス 1F・2L・3E・4V
- VELF アフマートヴァ 1V・2E・3L・4F
- VLEF ソクラテス 1V・2L・3E・4F
引用索引
- [1]アファナシエフ『愛の構文』(原題:Синтаксис любви、1987–1997)第二部「ソクラテス」 本文へ
- [2]アファナシエフ『愛の構文』(原題:Синтаксис любви、1987–1997)第二部「ソクラテス」 本文へ
- [3]アファナシエフ『愛の構文』(原題:Синтаксис любви、1987–1997)第二部「ソクラテス」 本文へ
- [4]アファナシエフ『愛の構文』(原題:Синтаксис любви、1987–1997)第二部「ソクラテス」 本文へ
- [5]アファナシエフ『愛の構文』(原題:Синтаксис любви、1987–1997)第二部「ソクラテス」 本文へ
- [6]アファナシエフ『愛の構文』(原題:Синтаксис любви、1987–1997)第二部「ソクラテス」 本文へ
- [7]アファナシエフ『愛の構文』(原題:Синтаксис любви、1987–1997)第二部「ソクラテス」 本文へ
- [8]アファナシエフ『愛の構文』(原題:Синтаксис любви、1987–1997)第二部「ソクラテス」 本文へ
- [9]アファナシエフ『愛の構文』(原題:Синтаксис любви、1987–1997)第二部「ウラジーミル・レーニン」 本文へ
